ソングス・フォー・ドゥレラ

劇場公開日:

解説

1987年2月22日に死去した前衛ポップ・アーティスト、アンディ・ウォーホルを追悼して、ニューヨークのブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック(BAM)で開催されたルー・リードとジョン・ケイルのジョイント・ライヴを収録した作品(収録日は89年12月6日)。監督・撮影はエド・ラックマン、製作はジョナサン・ヒューズとニナ・ローゼンスタイン、エグゼクティヴ・プロデューサーはマルコム・ゲリエ、編集はジェイ・フレンド、音楽はルー・リードとジョン・ケイルがそれぞれ担当。このライヴでは既製曲は使われず、ルーが書き下ろした新曲のみの構成となっている。全曲ともウォーホルに対する問いかけ、あるいはウォーホルを一人称にしてウォーホルが歌うという形をとっており、曲調は極めてシンプル。ルーとジョンは最少の楽器を用い、奏法を徐々に変化させ、豊かな音の広がりを持たせていく巧みな手法をとる。カメラワークはルーとジョンの切り返し、そして二人のロングというシンプルな編集に終始。しかし二人の充実が捉えられた画面は緊張度が高い。「スモールタウン」から「ハロー・イッツ・ミー」の計15曲、ウォーホルの生の曲面を順に切り取っていく歌詞の連なりが、楽観的な称賛ではなく苦い認識に満ちたウォーホルの年代記として結実していく。

1990年製作/アメリカ
原題:Songs for Drella
配給:アップリンク
劇場公開日:1990年12月7日

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