素晴らしき嘘

解説

「愛する権利(1930)」「夜霧の女」に次ぐルース・チャッタートン主演映画で、レオナード・メリック原作の小説「月桂樹と貴婦人」に基づいて「陽気な中尉さん」のサムソン・ラファエルソンと「赤新聞」「失われた抱擁」のヴィンセント・ローレンスが共同脚色し、「大親分」のベルトールド・フィヤーテルが監督し、「夜霧の女」「王様ごっこ」のチャールズ・ラングが撮影した。助演者は舞台俳優だったラルフ・ベラミー、「おしゃれ牧場」「悪魔が跳び出す」のスチュアート・アーウィン、フランスの劇界映画界で知名のフランソワーズ・ロゼエ及びシャルル・ボワイエ、「恋とお月様」のサム・ハーディ、タイラー・ブルック等である。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:The Magnificent Life

ストーリー

ビルはアメリカの一兵卒としてヨーロッパ大戦に出征した時、両眼を傷め、戦争病というべき神経衰弱症に罹って野戦病院に収容されたことがあった。その際フランスの名女優ロザ・デュシェーヌがある日病院を訪れて傷病兵を労ったが、ビルは自分が特別に慰問され激励されたように感じ、以来ロザの美しい声を忘れ得ないのであった。戦争が済み、傷も病気も快癒して故郷へ帰ってからもビルはロザの幻影を胸裡に抱いていた。ある時ロザの一座がアメリカ巡業に来てニュー・オリンズの街で興行した。ビルは矢も楯もたまらずロザの舞台を見に町へ出て来た。彼は友人のエルマーと共に夢床にも忘れ得ぬロザの美しい姿と声に胸を躍らせたが、開幕後間もなく突然両眼に異状を来たし失明してしまった。エルマーに助けられて帰ったビルの失望は大きかった。幼児が母を慕うごとく彼はロザの名を呼びつづけるのを見かねたエルマーは、あるカフェの唄い手ボルのもとを訪れ、ロザに化けてビルを慰めに来てくれるように頼んだ。ボルは芝居心があって人真似が巧みで、さっそくこの名女優の真似をしてカフェでヤンヤと喝采を博した際のこととて、すぐにビルが宿っているホテルに来てロザの声色で慰めてやった。ビルが真剣に喜ぶのを見るにつけ、自分の賤しさをボルは恥ないではいられなかった。しかしビルはロザが自分に対する愛情からではなく単なる憐憫の情から自分を慰めてくれたのであると思うと情けなかった。そして彼の眼を念入りに診察した医師は彼の盲目はとうてい快癒の見込みはないと告げた。ビルは絶望の極エルマーを訪れてボルのカフェに酒を飲みに行き酔い潰れた。ボルのビルに対する同情は愛に変わっていた。ボルは自分の部屋にビルを伴い行き、真実を告白した。ビルは打ちのめされた様な気持ちで家へ帰ると言い出した。ボルは自動車に同乗して送ったが途中衝突事故が起こりそのショックでビルの眼は明いた。はじめてボルを見たビルは愛する女は彼女であることを知ったのである。

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