「よかった」スタア誕生(1954) 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
よかった
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伊集院光さんの『TSUTAYAに行ってこれ借りよう』で紹介されていて気になっていたのをやっと見た。
歌と踊りと美術が素晴らしく別世界を覗いているような気分になる。
それに比べておじさんが、あまりにつらく現実的であった。アカデミー賞の授賞式のステージに泥酔して現れ「仕事をくれ」と惨めなスピーチをしたと思ったら、主役以外はやらないとせっかくのオファーにNGを出すなど、完全に自分に負けている。奥さんの扶養として地味に暮らすことや脇役を受け入れさえすれば楽に生活できるのに、しかしそれこそが人間とも言える。なんならもっと早目の段階で華々しく命を散らしてしまった方がよかったのかもしれない。
最高に素晴らしい瞬間に人生が終わればいいのにとよく思うのだが、そうならないのが人生の恐ろしいところでもあると、改めて思った。
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