スカラムーシュ

解説

「心なき女性」「文化果つるところ」に続くレックス・イングラム氏の監督作品で、英国の小説家ラファエル・サバティニ氏(ファーストナショナルの「海鷹」ヴァイタグラフの「ブラッド船長」等の原作者)の筆に成ったものをウィリス・ゴールドベック氏が脚色した。主役は「文化果つるところ」と同じくアリス・テリー嬢とラモン・ノヴァロ氏で、「ゼンダ城の虜(1922)」「良人の危険時代」等出演のルイス・ストーン氏が共演する。ルイ16世時代のフランスに時代を探り、大革命を背景とした力強い劇である。

1924年製作/アメリカ
原題:Scaramouche

ストーリー

アンドレエ・ルイは親友のフィリップがトゥール候爵決闘して殺されたのを見て、貴族の横暴を憤り、身を挺して平民のために貴族をたおそうと決心する。彼は相思の仲なる従妹アリーヌとも別れ、故郷を出て都巴里へと上って来たが、官憲と衝突して旅芸人の仲に身を隠した。彼はスカラムーシュと言う名で芸人のうちでも人気ものと成り漂白の旅を続けるうち、彼は貴族の旗頭なるトゥール候爵もまた己が愛するアリーヌを恋している事を知った。1972年フランス大革命が起こったとき、スカラムーシュは奮然起こって民衆の牛耳を握り、貴族と見れば片端から決闘を申し込んで殺していた。しかし彼は革命の渦中に在ってアリーヌの親しくしているブルウガステル伯爵こそが彼の真の母であり、仇敵と狙うトゥール候爵が我が父であると言うことを知った。スカラムーシュと候爵は父子の名乗りをする間もなく、革命に熱狂した人々は貴族の旗頭なる候爵を殺そうと迫って来た。流石に候爵も名を惜しむフランス貴族であった。悪びれず従容として彼は死にいた。スカラムーシュは身をもって母と愛人とを救い、父を亡った悲しみのうちにも、新しく見い出した幸福を喜んだのであった。

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