スエズ

解説

「世紀の楽園」「シカゴ」のタイロン・パワー、「四人の復讐」「四つの恋愛」のロレッタ・ヤング、「暁の翼」「地の果てを行く」のアナベラが主演する映画で、「農園の寵児」「ハイディ」のアラン・ドワンが監督に当ったもの。「密林の復讐」の脚色に協力したサム・ダンカンが書卸したストーリーを「モヒカン族の最後(1936)」のフイリップ・ダンと「ハイディ」のジュリエン・ジョセフソンが協力して脚色している。きゃめらは「シカゴ」「世紀の楽園」のペヴァレル・マーリーが担当している。助演者は「第7天国」のJ・エドワード・プロムバーグ、「沙漠の花園」のジョセフ・シルドクラウト、「進め龍騎兵」のヘンリー・スティーブンソン、「明日はきらず」のモーリス・ボスコヴィッチ、「シカゴ」のシドニー・ブラックマー、「都会の雷鳴」のナイジェル・ブルース、「マルクス一番乗り」のシグ・ルーマン、レオン・エイムス、マイルス・マンダー等である。

1938年製作/アメリカ
原題または英題:Suez

ストーリー

1850年、フランス大統領ルイ・ナポレオンが王位継承の噂高い頃、青年外交官フェルディナン・レセップスはスペイン貴族の娘ユージェニーと恋仲であったが、彼女の美貌に心を奪われたルイは、フェルディナンを父親が領事をしているエジプトへ書記官として赴任させた。その地へ着いた彼は領事館へ行く途中で領事館附き軍曹ベレランの娘トニと親しくなった。父親は英国領事かメロン卿と激しい外交戦を闘わせていたのでフェルディナンをエジプトの王子サイドに接近せしめ、若い2人は親友となった。国王の巡察に随行して砂漠へ出たフェルディナンはトニと2人で遠乗りをした時、紅海と地中海に跨がってかかった虹を見て、もしこの2つの海の水をつなぐことが出来たら世界文化の上に偉大な貢献をすると考えた。カメロン卿はその運河が作られれば地中海がフランスの勢力下に置かれると思って反対したが、フェルディナンは王子と国王を説伏せて賛成を得た。そこで彼はフランスへ帰ってルイ・ナポレオンに援助を求めた。はじめ専門技師は口を揃えて反対したが、ついに彼の熱意にルイを動かして経済的援助の承諾を得たので、再びエジプトへ渡り、1852年4月5日に工事が始まった。サイド王子の名に因んだボート・サイドから歴史的な運河工事が開始され、巨大な機械と無敵のエジプト原住民が砂漠の中で働いた。自然の妨害の外にアラビア原住民による襲撃が幾度も繰り返された。トニはフェルディナンの命でパリへ渡り、学校で読み書きを習っていた。彼女は会った時から秘かにフェルディナンを愛していたが、彼の心にはいつまでもルイと結婚したユージェニーの面影が消えなかった。その間にも工事は着々として進んだが、折柄晋仏戦争の危機が迫ったので、戦争の準備に忙しいフランスからは、運河の財政援助を中止するという報告があった。フェルディナンは再びパリへ行ったルイに懇願したが、英国が運河工事に反対しているとことを理由に拒絶された。万策につきたフェルディナンは英国へ渡り、大政治家ディスレーリに苦哀を訴えた。彼は来たるべき総選挙に勝利を得たならば、必ず経済的援助を引受けると約束した。フェルディナンはそれを頼みに、親友ラツウルとトニを連れてエジプトへ帰った。サイド王は宝石を売ってその金を与え、曲がりなりにも工事は継続された。その時、恐るべき大旋風が突発し、機械は目茶苦茶に破壊され人畜にも著しい被害があった。そしてトニは負傷したフェルディナンを助け、自らは風にまかれていたましい死をとげる。すべての希望を砕かれたフェルディナンの前に、ディスレーリが選挙に大勝を博した報告が来た。かくして運河工事は英国の後援の許に着々と進行し、ついに世紀を制する大運河は完成した。国王を継承したルイは、フェルディナンの功績を賞した。彼は王妃となったユージェニーの手から勲章を授けられたが、名声を代わりに愛するもののすべてを失った淋しさをひしひしと感ぜずにはいられなかった。

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映画レビュー

3.0竜巻 と スカート

2022年3月20日
Androidアプリから投稿

スエズ運河建設に尽力した仏外交官レセップスの活躍を描く

先祖はスペインから来たと考えられているらしい彼に
タイロン・パワーを配し
二人の美女に支えられたりしてかなり娯楽性が高い

ナポレオン3世の皇后となるウジェニーはいとこ
ドレスの豪華さ、伝説的な宝石で有名で
映画ではそんな感じ
(クリノリンでスカートを巨大化させた)
(彼女の母親はメリメのカルメンのモデルらしい)

男装したり、エピソードも盛り沢山の人なので
トニは分身だろうか?

英国の反対や妨害も軽く描かれている

最初は反対していても
いざ開通してみれば、その利用は英国船舶が圧倒的で
1869年に開通
1875年には英国がスエズ運河最大株主に
しれっと(?)英国国歌も流れている

このあとも揉めるが、映画はここらへんまでで
トニを失ったレセップスの涙目で終わる

パワーの美貌の他には
竜巻とウジェニーの巨大スカートが見処か

アナベラ(トニ役)が頑張ってはいるが
二人の美女が絡むわりには
情感の方はあまり感じられない

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jarinkochie