サンマー・ホリデイ
劇場公開日:1950年4月11日
解説
かつてクラレンス・ブラウンの監督で映画化された、ユージーン・オニールの「噫、荒野」の音楽映画化で、テクニカラー色彩の1948年作品である。前回の映画化の折のフランセス・グッドリッチ、アルバート・ハケットの脚本から、「影なき男の影」のアーヴィング・ブレッチャーがジーン・ホロウェイと共力して再脚色し、「快傑ゾロ(1940)」「血と砂(1941)」のルーベン・マムーリアンが監督し、「悪漢バスコム」のチャールズ・エドガー・シェーンバウムが撮影したものである。歌曲はラルフ・ブレーン作詞、ハリー・ウォーレン作曲になった。主演は「青春学園」「町の英雄」のミッキー・ルーニーと、「姉妹と水兵」「芸人ホテル」のグロリア・デ・ヘヴンで、「黄金(1948)」のウォルター・ヒューストン、「甦える熱球」のフランク・モーガン、「逃げた花嫁」のブッチ・ジェンキンス、歌手から映画に入ったマリリン・マクスウェル、「ジョニー・ベリンダ」のアグネス・ムーアヘッド「育ち行く年」のセレナ・ロイル等が共演する。
1948年製作/92分/アメリカ
原題または英題:Summer Holiday
配給:セントラル
劇場公開日:1950年4月11日
ストーリー
1906年、コネチカット州のダンヴィルの初夏である。町の新聞者を経営しているミラーの二男リチャードは、ハイ・スクール卒業をひかえた、青春の夢多い年頃である。彼は同じクラスの美しいミューリエルと恋仲であった。彼女は町一番の大商人マッコーマーの娘で、物堅い家庭に育ったので、リチャードが愛の告白をしてキッスを乞うても唇をゆるそうとはしない。母の兄シッドは酒好きなために、仕事も長つづきせず、ミラーの新聞社の記者をしているが、碌に役に立たないので、ミラーは他に就職するよう体よく追い払った。ミラー家に同じく寄食している母の従妹リリイはシッドと久しい恋仲で、年中求婚されてるが、酒で失敗ばかりする彼を拒み続けている。シッドは別れを惜しんで町を去った。ハイ・スクール卒業式の日、リチャードは卒業生代表として演説をし、その褒美に自動車の運転を許され、ミューリエルと並んで大得意だった。その感激で彼女はキッスを許したがそれを知ったマッコーマーは怒って娘に絶交するよう云い渡した。絶縁状をもらったリチャードは大いに憤慨し、何か面当てをしようと決心する。7月4日独立祭の朝、シッドは瓢然と舞い戻った。碌で無しの伯父さんだが、ミラー一家は喜んで迎えた。例年の通りに町中はピクニックに出掛け、シッドはビール飲み競争で1等を取りヘベレケとなってしまう。夕食の食卓でシッドが酔興したので、リリイは泣き出してしまい、ミューリエルのことで心楽しまないリチャードは家を飛び出す。そして誘われるままに町の酒場に行って踊り子ベルと酒を飲み、生れてはじめての酒なので大醜態を演じた末、給仕にほうり出され、泥だらけになって帰って来る。酒飲みの気持ちを知るシッドの取りなしで、リチャードは叱られないで、その夜は床についた。翌日、弟のトミーが持って来たミューリエルの手紙を見ると、すっかり元気ずいた。今夜9時に家をぬけ出すから会いましょうという嬉しい便りである。ベルのことなどは勿論忘れて、彼はミューリエルと愛を誓い合った。有頂天になって足も地につかぬ息子を見てミラーは凡てを察したが、リチャードがミューリエルと結婚する意志であることを知って安心する。庭の揺椅子でシッドとリリイが並んで座り、リリイが作ったレモン水を啜っているシッドの様をながめて、ミラー夫妻はこれで何もかも芽出度くおさまるだろうと、顔を見合せて微笑した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ルーベン・マムーリアン
- 脚本
- フランセス・グッドリッチ
- アルバート・ハケット
- 脚色
- アービング・ブレッチャー
- ジーン・ホロウェイ
- 原作戯曲
- ユージン・オニール
- 製作
- アーサー・フリード
- 撮影
- チャールズ・エドガー・シェーンバウム
- 音楽
- ハリー・ウォーレン
- 作詞
- ラルフ・ブレーン