五番街の出来事

劇場公開日:

解説

「紅の翼(1939)」「天晴れ着陸」のロイ・デル・ルースがアライド・アーチスツで1946年に製作監督した第一回作品。ハーバート・クライド・ルイスとフレデリック・ステファニが書きおろしたストーリーを、エヴェレット・フリーマンが脚色し、ヴィック・ナイトが台詞を追加した。出演者は新人のドン・デフォー、「晩春」「永遠に愛せよ」のアン・ハーディング、「人生は四十二から」のチャーリー・ラックルズ、「明日は来らず」のヴィクター・ムーア、新顔のゲイル・ストーム等で、「ベニーの勲章」のグラント・ミッチェル、エドワード・ブロフイー等が助演する。撮影は「ガラスの鍵」のヘンリー・シャープの担当である。

1946年製作/アメリカ
原題または英題:It's Happend on 5th Avenue
劇場公開日:1948年6月

ストーリー

ニューヨークの五番街は、一流の商店と富豪の邸宅で有名である。マイケル・オコナーの邸宅もこの五番街にある。彼は富豪によくらる型の、何でもござれ金もうけになることなら、強引にやってのける性格の男である。当然オコナーにとっては、金もうけにならないことは、すべて価値がない。彼のこの性格はやさしい妻メエリイの気に入らない。それで夫妻はもう久しく別居している。メエリイはフロリダの別荘にひとり暮らしているのである。オコナーはニューヨークの厳寒を避けてヴァージニアの田舎にある別荘へ行っている。ひとり娘のトルーディは女学校の寄宿舎に入っている。というわけで五番街のオコナー本邸は空っぽである。老いた浮浪者アロイシアス・マッキーヴァは、食うや食わずでも、人に親切にしないではいられない男だが、オコナー邸が住む人のないのを見ると無断で入り込んでくる。家がなくて困っている復員軍人ジム・ブロックも、彼に招かれてこの邸宅の住人となる。ジムの友達2人も厄介となる。そこへ、オコナー令嬢のトルーディが学校がいやだというので帰ってくる。マッキーヴァは彼女を泥棒だと勘違いし、彼女を改心させてやろうとして、ここに住めと勧める。彼女は妙な具合だと思ったがジムを一目見ると好きになり、知らぬ顔で厄介になる。オコナーもニューヨークに来るが、トルーディが事情を説明し、お父さんも浮浪者のまねをしてと言う。面白半分にオコナーは娘の言いなりとなる。ジムはニューヨーク郊外の飛行場を陸軍省が払い下げるのを買って、復員軍人の住宅集団にしようと計る。オコナーはそれを民間飛行事業にそのまま使おうと考え、ジム等以上の高値をつけて獲得する。トルーディの手紙でメエリイもフロリダから訪ねて来て、コックにされてしまう。マッキーヴァの隣人愛の哲学は、いつの間にかオコナーに影響して、その人生観を変え、例の飛行場も復員軍人住宅用に寄付する。このオコナーの人間改造の結果、エメリイとの夫婦仲も昔通り和解する。マッキーヴァは依然オコナーが大富豪であることを気づかず、近々この邸宅の主人が避寒地から戻ってくるというので、わしは入れかわってヴァジニアの別邸へ行くと出かける。身分が判る前から恋仲となっていたジムとトルーディは結婚するらしい。

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