心の歌

解説

「男女の戦」に次ぐD・W・グリフィス氏の監督作品で、カール・フォルメーラー氏の小説「ラ・バイヴァ」を映画化したものである。脚色には「デパート娘大学」「テムペスト(1928)」を監督したサム・テイラー氏が当った。主役を演ずるのは「ガウチョウ」のルーペ・ヴェレス嬢、「空の鍛冶屋」「メリケン波止場」のウィリアム・ボイド氏、それに「昨日への道」「束へ向く三つの顔」のジェッタ・グーダル嬢の3人で、これを助けて「肉体と悪魔」のジョージ・フォーセット氏、「情炎夜曲」のアルバート・コンティ氏、「銭仮面」のウィリアム・ベイクウェル氏、等が出演する。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:Lady of the Pavements

ストーリー

パリ駐在のプロシア公使館付陸軍武官カール・フォン・アルニムは伯爵令嬢ディアヌ・デ・グランジュと婚約の間柄であったが、彼女の不実を怒り、彼女と結婚する位なら寧ろ辻の女と結婚すると罵った。この侮辱に怒ったディアヌはナポレオン三世の侍従フィノー男爵を招き、彼に迫って賤しい酒場の女を探し出しカールと結婚せしめようと計った。フィノーのある酒場でナノンというスペインの踊子を見出し、金を与えるからという約束でカールと戯れに恋に陥らせることを承諾させる。ナノンはディアヌの邸に引取られ貴婦人としての礼儀作法を教えられ名もラ・パイヴァと改め、晴れの舞踏会にも出席することとなった。そして彼女はカールと知り合い、2人は深く愛し合うようになったが、フィノーからディアヌの謀を聞き知っているナノンとしてはカールの結婚の申出を聞き入れることが出来なかった。しかし、ディアヌが過去の秘密は守ると言ってくれたので、ここで初めてナノンはカールの申出を承諾することにした。けれども結婚披露の晩餐会の席上で、ディアヌは、昔ナノンが働いていた酒場の楽手たちを呼び、彼女に唄を歌わせた。このディアヌの悪辣な手段にナノンの心は乱れ、悲愴な思いで歌った唄の半ばに、彼女は崩れる如くに酒場の親方でありまたオーケストラの指揮者でもあるピエールの腕に倒れ落ちた。この有様に呆然としたのは賓客であった。が、ナノンの素性を知り、ディアヌがナノンに金を差出したのを見た時、カールは裏切りと侮辱とに憤然として席を蹴って帰ろうとした。それをナノンは呼び戻し、一同の眼の前で、ディアヌの卑劣な行動を罵った。彼女の怒りは凄まじかった。やがてナノンは再び元の古巣の酒場に帰ったが、それからは昔通り「恋の唄」を歌って踊っても昔日の元気は更になかった。彼女はただカールの幻のみを追っていた。しかし、そうした彼女の許へやがてカールが訪れる楽しい日がめぐって来るのである。

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