訪れ
劇場公開日:1965年2月27日
解説
フリードリッヒ・デュレンマットの戯曲を「コンクリートの中の男」のベン・バーズマンが脚色、「橋」のベルンハルト・ビッキイが監督した心理ドラマ。撮影はアルマンド・ナヌッツィ、音楽は「橋」のハンス・マーティン・マジェウスキーが担当した。出演は「黄色いロールスロイス」のイングリッド・バーグマン、「日曜日には鼠を殺せ」のアンソニー・クイン、「史上最大の作戦」のイリナ・デミック、「バラバ」のヴァレンティナ・コルテーゼ、「ベケット」のパオロ・ストッパなど。製作はジュリアン・デロードとアンソニー・クイン。
1964年製作/アメリカ
原題または英題:The Visit
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1965年2月27日
ストーリー
ヨーロッパ中部のある国にゲレンという寒村がある。そこへカーラ(イングリッド・バーグマン)という億万長者の未亡人が訪れた。彼女はこの村の出身であるが、20年前に強制的に追放され、やがて売春婦となったが、その後金持ちの男と結婚したのだった。多くの人が彼女を出迎えたが、その中には彼女を追放した警察署長ドフリック、ホテルの女中アニアなどがいたが、誰よりもカーラに会いたいがったのは、サージ(アンソニー・クイン)だった。彼は今は村の有力者であるが、かつてはカーラと恋人同士であった。しかし彼はカーラを捨て、金持ちの娘マチルダと結婚してしまった。カーラの帰村はサージへの復讐のためだった。舞踏会の席上カーラは200万ドルを村に寄付すると申し出た。ただし条件があり、サージの命とひきかえだといった。最初、村人たちはカーラの申し出に反対だったが、目先にぶらさがった彼女の報奨金をあてこみ、次第にカーラの意のままになった。金の力で村を手に入れてしまったカーラは村長の言葉も聞きいれないばかりか、弁護士まで連れてきて裁判に持ちこんだ。困りぬいたサージはカーラに翻意を求めようとし、2人は思い出深い河辺の小屋で会った。サージの心は再び燃えたがカーラの決心は変らなかった。公判の日、カーラとの間に生まれた子供を殺したという罪に問われたサージは、結局処刑されることに決った。カーラは約束通り、小切手を村長に渡した。しかし彼女は、かつて自分を追い出し今また金に目がくらんだばっかりにサージの命を奪おうとした村人の浅ましさをなじり、恥ずべき行為の生きた象徴としてサージを生かしておくと言って村を去った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ベルンハルト・ビッキ
- 脚本
- ベン・バーズマン
- 原作戯曲
- フリードリッヒ・デュレンマット
- 製作
- ジュリアン・ドロード
- アンソニー・クイン
- 撮影
- アルマンド・ナンヌッツィ
- 音楽
- ハンス・マルティン・マイエフスキー
受賞歴
第37回 アカデミー賞(1965年)
ノミネート
衣装デザイン賞(白黒) | ルネ・ハーバート |
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第17回 カンヌ国際映画祭(1964年)
出品
出品作品 | ベルンハルト・ビッキ |
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