井戸(1951)

劇場公開日:

解説

「シーザーへのシャンペイン」(未輸入)などを製作しているハリー・M・ポプキン・プロの1951年度作品で、実在の事件にヒントを得たニュース劇。製作はレオ・C・ポプキンとクラレンス・グリーンが当たった。グリーンがラッセル・ラウスと協力したオリジナル・シナリオを、ラウスとレオ・C・ポプキンが共同監督。撮影はアーネスト・ラズロ、音楽は「チャンピオン」のディミトリ・ティオムキンの担当。出演者は「出獄」のリチャード・ロバー、「サムソンとデリラ」のレーン・チャンドラー、「廃墟の群盗」のヘンリー・モーガンの他、ゲンドリン・ラスター、メイディ・ノーマン、クリスティン・ラーソンらが出演。

1951年製作/アメリカ
原題または英題:The Well
配給:ユナイト=松竹
劇場公開日:1952年5月23日

ストーリー

ある小さな町の出来事。ある日、学校帰りの黒人少女が、野原で花を摘んでいるうちに古井戸へ落ちた。家では、娘の失踪に驚いた母親(メイディ・ノーマン)が治安判事のケロッグ(リチャード・ロバー)に通報した。官憲は一斉調査に乗りだし、少女が白人の男と花屋へ立ち寄っていた事実を突き止めた。その結果、町の建築会社のボス、サム・パッカード(バリー・ケリー)の甥クロード(ヘンリー・モーガン)が捕らえられた。彼は犯行を否認し続けたが、ただこの土地者ではないという理由だけで警察は彼を犯人扱いにして責め上げた。叔父のパッカードは彼の釈放を要求しに警察へ現われ、その帰途、激昂した黒人のために殴られた。これが端緒となって、町は黒人と白人に分かれ、随所にテロが起こって次第に集団暴動化の危険が迫った。ところが一少年が偶然古井戸の少女を発見、状況は一変して町中の人間は野原に集まった。少女は古井戸の底に生存していることが確認されたが、竪穴が深いため救出は困難をきわめた。パッカードは自分の会社から巨大な機械力を提供、更に、釈放されたクロードはトンネル工事の専門家だったので、うらみも忘れて自ら救出の指揮に当たった。かくて徹夜の決死的工事が続けられ、全町民注目のうちに、少女は無事死を免れて母親の手に帰った。

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