生きてる死骸
劇場公開日:1946年9月
解説
恐怖劇流行の波にのったレジノルド・デンハムとエドワード・パーシー合作の舞台劇の映画化で、脚色には原作者の一人デンハムと「手紙」「嫉妬」「喝采」「肉弾鬼中隊(1934)」等のギャレット・フォートが当り、「医者の日記」「我が子よ、我が子よ」等のチャールズ・ヴィダーが監督した作品、撮影には古くは「熱砂の舞」「目覚め」等、近くは「追憶(1941)」の名手ジョージ・バーンズが当っている。出演者は、戦前は「海は桃色」「ある雨の午後」「歌へ陽気に」「消え行く灯」等で知られ、その後性格女優として躍進を続けているアイダ・ルピノ「風雲児アドヴァース」「パリの評判娘」等のハイス・ヘィラォード、チャールズ・ロォトン夫人で異状性格に名技を示す「フランケンシュタインの花嫁」「孤具ダビド物語」「描かれた人生」「幽霊西へ行く」「運命の饗宴」等のエルザ・ランチェスター、セルシ・B・デミルの門下で「海賊(1938)」等に出演し、今日ではコロムビアに活躍している「幽霊ニューヨークを歩く」等のイヴリン・キース、その他舞台女優のエディス・バレット、イソベル・エルソム、太い傍役のクライド・クック等である。
1941年製作/アメリカ
原題または英題:Ladies in Retirement
配給:セントラル映画社
劇場公開日:1946年9月
ストーリー
英国のある寒村に、たった一軒ぽつりと立つさびしいエステュァリイ館には、その女主人で元女優だったフィスク夫人、話相手で家政婦のエレン・クリィド、下女リュシイの3人が住んでいた。エレンには、精神消耗の姉が2人、ロンドンに残してあるが、フィスク夫人はその2人を、この館に連れてくることを許した。エレンは喜んでロンドンへ出発した。その留守中に、エレンの遠い従兄に当たるアルバアト・フェザアが訪れて来た。フィスク夫人は、彼が小悪党で、銀行の金を消費していることを知り、却って興味を感じ、現在は信用していない古い館の中に隠した金を出して与えた。間もなくエレンは2人の姉を連れて帰って来た。が、狂気じみた彼女たちが家中を荒すので、フィスク夫人はたちまち嫌気がさし、エレンに対して、1日もはやくこの邸から連れだせと命ずる。エレンは、2人の姉が、この新しい住居をすっかり気に入っているのを見て、再びロンドンへ帰すに忍びずついに意を決し、2人を散歩に出し、下女のリュシイも外出している隙を狙って、ピアノを弾いている夫人を背後から締め殺す。そして人々には、夫人が旅行に出たといいふらした。ある雨の夜、突然にアルバアトがやってきた彼は官憲に追われているのである。エレンは快く思わなかったが、アルバアトのほうもフィスク夫人が居ないのを不審に思い、リュシイを色仕掛で手なづけ、絶えずエレンの行動を監視しはじめた。ある日、無人に乗じて彼はフィスク夫人のカマドをあけてみると、意外や、その扉口まで煉瓦で埋められていた。さらに、彼はエレンが、フィスク夫人の写筆で小切手を発行したことを知り、エレンが夫人を殺害したことを確信した。そこで、リュシイを説き伏せ、夫人のかつらと衣裳をまとわせ、夫人の幽霊をつくりあげ、エレンを失心させた。が、このときリュシイも真相を語るに至り、邸を脱れて官憲に急を告げた。アルバアトは、あわてて逃亡を企てたが捕われた。そしてエレンも、2人の姉を邸に残し、良心の呵責から脱れるため、自ら進んで官憲の許へ赴いた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- チャールズ・ビダー
- 脚色
- ギャレット・フォート
- レジナルド・デナム
- 原作
- レジナルド・デナム
- エドワード・パーシー
- 原作戯曲
- レジナルド・デナム
- 撮影
- ジョージ・バーンズ
- アソシエイト・プロデューサー
- Gibert Miller
受賞歴
第14回 アカデミー賞(1942年)
ノミネート
作曲賞(ドラマ) | モリス・W・ストロフ エルンスト・トッチ |
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美術賞(白黒) |