ある微笑
劇場公開日:1958年10月17日
解説
「悲しみよこんにちは」についでフランソワーズ・サガンの書いた同名原作を、「島の女」のジーン・ネグレスコ監督が映画化。「哀愁物語」のフランセス・グッドリッチとアルバート・ハケットのチームが脚色、「めぐり逢い(1957)」のミルトン・クラスナーが、パリとリヴィエラにロケして撮影した。音楽はアルフレッド・ニューマン。黒人歌手ジョニー・マシスが、作詞ポール・フランシス・ウェブスター、作曲サミー・フェインの主題歌「ある微笑」を歌っている。主演は、「光は愛とともに」のロッサノ・ブラッツィ、「日のあたる島」のジョン・フォンティーン、仏映画界出身の新人クリスチーヌ・カレル、ブラッドフォード・ディルマン、「折れた槍」のエドワード・フランツ、スティーヴン・ジレー、キャスリン・ギヴニーらが助演する。製作はヘンリー・エフロン。
1958年製作/アメリカ
原題または英題:A Certain Smile
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1958年10月17日
ストーリー
ソルボンヌ大学の学生ドミニク・バロン(クリスチーヌ・カレル)には、バートランド・グリオ(ブラッドフォード・ディルマン)という恋人がいた。ドミニクの母は、3年前兄がオートバイ事故で死んでから半病人となり、父は母をいたわることにかまけて、彼女に眼をかけてはくれない。ある日、バートランドといっしょにカフェに行った時、彼の叔父ルック(ロッサノ・ブラッツィ)に会い、ドミニクは美男の中年男のルックに惹かれる。ルックには、美しい妻フランソワーズ(ジョン・フォンティーン)があった。バートランドの母親グリオ夫人(キャスリン・ギヴニー)が息子の恋人に会いたいというので、バートランドはルック夫妻とともにドミニクをつれ、母のもとを訪れる。グリオ夫人の素気ない態度で晩餐は不愉快なものに終わったが、ドミニクを気づかったルックは、庭で彼女に接吻する。ドミニクにとって、ルックは忘れられぬ人となった。それに気づいたバートランドは悩む。2人の間を心配したフランソワーズは、気晴らしにドミニクをナイトクラブに誘う。そこへルックも来て、ドミニクはしこたま酔った。ドミニクを家まで送る途中、ルックは夏休みを共に過ごさないか、と彼女を誘った。そして夏休み、ドミニクはルックの誘惑に乗らないよう、バートランドを自宅に招く。しかし、彼を見て死んだ兄のことを思い出した両親に遠慮して、バートランドは去った。翌朝ドミニクはリヴィエラのルックのもとに旅立ち、1週間をともに過ごす。帰途、パリに立ち寄った彼女はディナー・パーティを開いてフランソワーズを呼ぶ。そこへ、酔ったバートランドが現れた。彼はルックとドミニクの関係に、疑いを持ちはじめていた。ナイトクラブに彼を連れ出したドミニクは、ルックとの関係を遂に告白する。翌日、ドミニクのもとにルックから、妻が勘付いたらしいので、当分会えないと電話がかかってきた。ドミニクはルックの行きつけのカフェで待つが、そこで目撃したのは別の女に会うためにやってきた彼の姿だった。泣きながら走り出たドミニクは車にはねられ、ルックの車で彼の家に連れて行かれる。総てを知ったフランソワーズはルックと別れる決心をするが、夫の謝罪に思いとどまる。やがて新学期。傷心のドミニクを、バートランドが迎えにくる。ふたりの心は、まだつながっていたのだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジーン・ネグレスコ
- 脚色
- フランセス・グッドリッチ
- アルバート・ハケット
- 原作
- フランソワーズ・サガン
- 製作
- ヘンリー・エフロン
- 撮影
- ミルトン・クラスナー
- 美術
- ライル・ウィーラー
- ジョン・デ・キュア
- 音楽
- アルフレッド・ニューマン
- 歌
- ジョニー・マシス
- 編集
- Louis Loeffler
- 作詞
- ポール・フランシス・ウェブスター
- 作曲
- サミー・フェイン
受賞歴
第31回 アカデミー賞(1959年)
ノミネート
衣装デザイン賞 | チャールズ・ル・メア メアリー・ウィルズ |
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美術賞 | |
主題歌賞 |