「積み上げられた夫婦のかたち」愛、アムール ゼンさんの映画レビュー(感想・評価)
積み上げられた夫婦のかたち
この老いた夫婦の始まりにも終わりにも、すべてに Amour(愛) こそがあったのだと苦しいほどに知る。
儚さも醜さも愛おしさも。生を減らしゆく妻のそれらをまざまざと突きつけられ続けながら、尚も手離すことはしなかった夫。そこに何らも美しさは無い。あるのは老いきった二人の姿だけである。
けれどもそれはいつしかひとつの夫婦の“終焉のかたち”として、胸の痛むほどに私達へと迫ってくる。
全てを見終えたとき初めて、このタイトルの意味深さに気がついた。
コメントする