「画作りはよかった」永遠の0 映画スキーさんの映画レビュー(感想・評価)
画作りはよかった
映画館で観てから一ヶ月近く経ち、モヤモヤとした気持ちでずっと腑に落ちない気分だった。確かに泣ける場面はそこそこあって、最初の方で涙ぐんだシーンもあったのだけど大多数のレビューのように手放しで最高傑作かと言われると首を傾げる。
宮部に共感できれば感動できたのかもしれないが出来なかった。
前半の宮部が家に帰り清子をお風呂に入れるまでの束の間の幸せなシーンが一番泣けたかもしれない。あそこの岡田くんの演技は素晴らしかったと思う。しかし後半は宮部が何を考えているのかさっぱり分からなかった。
愛する家族の元に帰る為、仲間も死んでいく空戦で退避行動を取り生きることに執着していた宮部の特攻する心変わりをもっと丁寧に描写してくれれば納得できたかもしれない。
宮部が特攻した真の理由があるはずだと思い最後までその答えをずっと待っていたのにまさかのエンドロール…サザン…そりゃないよ
映像面に関しては日本映画のVFXの進化を感じることができ満足。CGWorldの特集記事を見る限り、恐らく予算もスケジュールもあまりない中でクオリティを担保する為様々な工夫を凝らして艦船や飛行機を作ったのだろう。
ただ、艦載機が発進する際の空母の動きが緩慢なように感じたのが少し気になったかな(空母は離陸時の揚力不足を補う為発艦時は全速前進するはずなので)
役者面ではやはり三浦春馬さんがちょっと浮いてた感。最後のゼロ戦がビルの合間から抜けて行く様も笑ってしまった。
前述の三浦さんの微妙な演技もあいまってがんばって感動させようとする意図を感じて醒めた。
物語的には私の中で残念な形だったが当時を再現した雰囲気や映像は気に入ったのでBD出たら買ってしまうかも。映像面だけなら星4つはあげたい。