劇場公開日 2013年12月21日

「新しい戦争映画。」永遠の0 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5新しい戦争映画。

2014年1月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

戦争の切り取り方としては抜群のアイデアだと思う。
いまの世代の若者が、特攻で死んだ実の祖父の足跡をたどる。そのなかであの時代の空気を少しだけでもかぐ。
戦争を知らない我々ができる方法のひとつであろう。

山崎貴といえばVFXに長けているというイメージがあるので、戦闘シーンに目を奪われがちだ。
確かに真珠湾攻撃のシーンは「パール・ハーバー」(マイケル・ベイ監督)に負けていなかった、気がする。
しかし、それだけではない何かがこの監督にはある。「ジュブナイル」の頃から感じていた。それが何か、言葉にはっきりできないのがもどかしいが、その何かが本作では発揮されている気がする。

原作を読んだときも思ったし、今回も思ったが、少しご都合主義のところがある。
健太郎(三浦春馬)と慶子(吹石一恵)が自分たちの本当の祖父のことを調べたいと言い出したとき、賢一郎(夏八木勲)はなぜ真実を話さなかったんだろう。健太郎が景浦(田中みん)にもう一度会いに行かなかったら、賢一郎はどうするつもりだったのだろう。
最初に臆病者だとか恥さらしだとか言われて、井崎(橋爪功)に会って、やっと祖父の真の姿に近づく。最初に井崎に会ってたらどうなってた?

この瑕疵は映画においては、田中みん、新井浩文や夏八木勲、染谷将太の好演に助けられている。

ラストの宮部(岡田准一)の表情は何をあらわしているのだろうか。
映画は不思議な余韻を残して終わる。

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mg599