「名作🚢」キャプテン・フィリップス 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
名作🚢
今夜(2025/04/05)、久しぶりに観ました。
2009年、ソマリアの海賊に貨物船が襲われた実話を基にした作品です。
貨物船に乗り込んだ海賊は4名。少数ながら全員武装していて気が立っています。仲間というわけではなく、急ごしらえで作られた見せかけのチームで、仲間同士の連携は皆無です。貨物船側のクルーと比べて観ると一目瞭然です。
海賊4名は全員貧しく、手柄を挙げようと命を投げうつ覚悟で貨物船を襲います。悲しいのは、彼らがどんなに手柄を挙げても、貧困から脱することが叶わない点です。海賊行為で得られた大金は、お上に全て吸い上げられておしまい。つまり彼らはいいように利用されているだけなんです。彼らは被疑者で同時に被害者です。
主人公リッチ・フィリップスを演じたのは、我らがトム・ハンクス。素晴らしい演技を魅せてくれました。特に貨物船内での海賊とのやり取りに、船長らしさを幾度も垣間見せ、救命艇の場面では極度の緊張で我を失いかけた姿が非常に痛々しく、心苦しかったです。
海賊側のリーダー(らしき男)のムセ(バーカッド・アブディ)の、爆発しそうな爆弾のような雰囲気に、こちらも息が詰まります。
この作品から、犯罪をする側にも、知性と理性が必要であることを学べます。大声で喚き散らし、銃を突きつければ物事がうまくいく、なんて事は決してありません。冷静さ、チームワーク、事前の段取り、適切な交渉術などなど。犯罪をするにも色んなスキルが必要なんですね😅犯罪者にはなれません(笑)
ラストシーンで、フィリップス船長の対応をする女医さんは本物の医師だそうです。トム・ハンクスは見事な患者の演技で、彼女は普段どおりの対応をしたそうです。すごい✨
ソマリア沖で魚が獲れなくなったのは先進国の漁船が文字通り一網打尽にしているからです。ソマリアで暮らす人々を苦しめているのも事実。とても考えさせられる映画です。
少しだけ古い作品ですが、観なきゃ損です。
緊張疲れしちゃうかも知れませんが、是非どうぞ‼️