「自己か地球か。」エリジウム ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
自己か地球か。
あの「第9地区」の監督ということで大いに期待して観てみた。
が、う~ん。悪いけどゼンゼン違う、というのが正直な感想。
富裕層と貧困層という描き方が現在流行っているのかどうか、
少し前からこういう設定の作品ばかり作られている気がする。
監督のことだから(アフリカ出身)当然、貧困層重視だろう!と
思ったらやっぱりそうだった。というより貧困世界ばっかり。
富裕層の描き方がエラくぞんざいで、あんな所へ行きたい?
と思うくらい魅力がない。強いていえば病気が治せるからだ。
その病気を治すという目的からも貧困率がUPコントロールされ
ツル禿げになったマットが右往左往する状態にも哀れさを増す。
魅力がないといえば、かのJ・フォスターを本人の希望で据えた
という長官役にもまったく魅力がなかった。(ワザとだろうか)
暴力的な支配者にして彼女特有の頭脳明晰指数が顔面を覆い、
もっと頭使うよなー。あれだけの立場ならさぁー。とうがって
観ているうちに、エ~!?何だそれ、という勿体ない終わり方。
大女優をそんなんでいいんだ?と思うと、もうあとはサッサと
気持ちを切り替えられるからいいのだが、何がやりたくて出演
したのかをちょっと聞いてみたい気さえする。
前作でエビ化する職員でバカ市民(ゴメンね)を演じたコプリー氏。
おぉ!悪役なんだ?と思いながらどこかで笑わせてくれるんじゃ
ないかとつい期待してしまった(装着するあたりかしら)
この二人、その富裕層が暮らすスペースコロニー関係の人なのに、
ゼンゼン幸せそうじゃないからすごい。
むしろ荒廃した地球で子供たちとふざけるマットの方が幸せそう。
一体どっちを賛美しているのか。
そこで一躍脚光を浴びているのが、闇商人の絶大な存在感。
いちばん悪そうな奴らが必死に住民を送り込もうと頑張る姿が
いちばん胸に焼きつくのだ。何なんだろうね、このメッセージ性。
(あぁクリストファー・ジョンソンに逢いたい!助けに来なさいよー)