Virginia ヴァージニアのレビュー・感想・評価
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コッポラも筆の誤り
多分アメリカ人が見ると全く違う感想になるんだろうけど、吸血鬼伝説が根付いてない日本人にゃ単にエル・ファニングが美しいだけの作品だったと思う。映画の主人公となりえる小説家というのは、売れない作家かスランプの作家。ところどころに風刺を込めたって、単なるゴシックホラーの一遍としか映らない。
若い女性の死を描いたエドガー・アラン・ポーを登場させるのも面白いし、犠牲になった少女たちの名前もポー作品に使われてる名前だと思う。杭を抜くという行為に何らかの意味があるんだろうけど、ちょっとわかんない・・・
TWIXTってのはボードゲームのことらしいけど、劇中で使われてたのはウィジャでした。
自分の好みではなかった。
もう少し面白いのを期待していたけれど…自分にはそうは思えなかった。
ただ「おぉっ?!」っと思ったのが、地元の保安官がヴァル・キルマーをモルグに連れて行って…助手?が安置された遺体をストレッチャーで運んで来たんだけど、親指に付けられたタグに「JANE DOE」って書いてあった!!!
なんかワクワクした(笑)。
ホラーというより映像の美しいファンタジー。 エドガー・アラン・ポー...
ホラーというより映像の美しいファンタジー。
エドガー・アラン・ポーのミステリーな生涯を少しかじっていれば面白さ倍増と言った作品。
深く考えると訳がわからなくなる。
傑作だと思います
いや、ほんとに驚きました。コッポラが70歳を過ぎて、こんなところにまで来てしまうなんて!
とても不思議な画面なんです。夢パートじゃないですよ、普通の現実のパートがね。なんていうか、妙にフラットな感じのする画面で、一見間違うとテレビドラマかとも思うほどなんですけど、でも確実に違う、というね。
そしてもちろん夢パートの鮮烈な赤を基調としたエル・ファニングの妖気が怖いぐらいに美しい・・・
うまく言い表せないんですけど、この映画への惹きこまれ方は圧倒的です。夢幻の世界から目が離せなくなり、絶対に観ることを止められなくなります。
こういう経験って映画本来のあり方なんだろうなぁ、と思うんですよね。
ほんとコッポラ監督には恐れ入りますです。
名もない映像作家っぽい
映画「ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女」や「私はゴースト」など新進気鋭な斬新さヲこれからが楽しみと思える名も無き監督みたいな作りをコッポラが。
夢のシーンは白黒に色が付いて映像が「シン・シティ」を想起させE・ファニングの血だらけが「ネオン・デーモン」の印象強し。
B・ダーンの荒い演技に太ったV・キルマーとT・ウェイツはドコに居たの?
「ドラキュラ」に飽き足らずにヴァンパイア映画を地味に撮ったコッポラがまだまだ現役と思えるのか否か。
ゴシックホラー版「ミッドナイト・イン・パリ」?
巨匠フランシス・フォード・コッポラによるゴシックホラー。
コッポラとホラーの 相性は良く、「ドラキュラ」「フランケンシュタイン」は言わずもがな、ティム・バートンの「スリーピー・ホロウ」もプロデュースしていたし、「月下の恋」なんてのもあった。(←知ってる人、居るかな??)
なので、久々のコッポラ・ホラー、ちょっと期待していたのだが…
三流オカルト小説家が本の巡業で訪れたエドガー・アラン・ポーゆかりの地で、夢の中に現れた美少女に導かれるようにして、殺人事件の謎を紐解いていく…。
ストーリーは面白そう。
だけど、う〜む…。
まず、ホラーなのに怖くはない。ミステリアスな雰囲気。
そのミステリアスさをさらに醸し出しているのが、夢の中の幻想的な白黒映像。
それはそれで美しいが、肝心の中身が、夢想と現実、あの世とこの世の狭間とでも言うべきか、今一つ取っ付き難かった。
非現実的な世界での偉大な芸術家との出会い、美しいヒロイン、スランプを乗り越え新作を完成させる…。
これは「ミッドナイト・イン・パリ」のゴシックホラー版かとも思ったり??
エル・ファニングの妖艶さは特筆すべき。
“この世の者とは思えない”美しさ。
最近、インディーズ作品続くコッポラ。
ここらでまた大作が見たい。
面白かった!
大変地味なヴァンパイア映画で、いろいろ意味が分からなかったり、意図的にぼやかされているところもあってあんまり把握した気分になれないんだけどとても面白かった。保安官が自殺したというのも不自然すぎる。
コッポラも映画作家であり、思われる小説家の主人公に葛藤を投影しているんじゃないかな。創作の苦しみをとても丁寧に描写していてよかった。
保安官のキャラが強すぎて怖くて面白かった。あんな厚かましい男が自殺なんてするとは思えないので何かあったのだろうと勘ぐってしまう。いい年の老人やおじさんが子供と一緒にこっくりさんに興じている場面がとても面白かった。ヒッピー集団みたいな連中も謎めいていて面白かったが、もっと出番あってもよかった。
最近のバートンの手癖で作っているような心無いゴス映画なんかよりずっとよかった。
過去も現在も夢も現も並行な世界。
主人公の、売れないオカルト作家が旅先のモーテルでスカイプする度に二分割画面に移行するんですよ。主人公側と会話してる相手側に。
あれれ?と思って。この意味がとんと分からなくて。
意図もなくこんなトリッキーなことコッポラしないよな?て心のどっかで引っ掛かってたんですけどもね。
ラストでなんとなく合点が行きました。
主人公側が『幽世』で、相手側が『現世』て構図だったんですね。
ハッキリと「区別」付けてる訳です。
主人公のオカルト作家(ヴァル・キルマー)は、この奇妙な町に辿り着いた時点、この舞台(凄惨な事件が起きた過去を持つ)に立った時点で、現世から隔離されたという。リアルとの断絶のサインだったと。スカイプはその境界の役割で。
この町で起きている事象は全て現実と夢の地続き。
過去と現在が同じ土俵であり、リアルとファンタジーに境界を持たない。
まだ幼くあどけない少女、水先案内人V(エル・ファニング)は、浮世離れした、ある種怖いくらいの美しさでこの世界に花を添える。
奇妙な時計台、対岸のヴァンパイア、主人公の過去……。
一見、デヴィッド・リンチ的世界と見紛うほどに混乱を来す幻想世界。
そこを乗り越えると明かされる、異様なぐらいにカラっとする明快な結末。
古典的であり新しくもある。
ホラーと呼ぶには怖くなく、ファンタジーというには恐ろしい。
この深淵にハマったら抜け出せないかもしれません。が…必見です。
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