劇場公開日 2013年5月25日

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「はたして自分はちゃんと「俺」だろうか?」俺俺 bonさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0はたして自分はちゃんと「俺」だろうか?

2013年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

興奮

時にクスクスと笑ってしまう面白い映画だが、後半はハラハラとドキドキが加速しながら混在するちょっと恐さを感じるサスペンス映画。
しかし、観た後にはある種の爽快感と「はたして自分はどうなんだろうか?」などと色々考えさせられることになった。
細やかな部分まで観てみたいと思わせる凝った美術や演出や音楽的要素があるのでもう一度、いや何度か観てみたい。
自分はKAT-TUNが好きなので当然亀梨も好きな人物ではあるが、映画やドラマとなると話は違う。
タレント亀梨和也が割と好きな分、俳優としての亀梨にはつい厳しくシビアに評価してしまう。
妖怪人間ベムの亀梨はドラマではそこそこ良かったが、映画はつまらなかっただけに、この映画を観るのが怖くもあった。
三木聡監督作品を恥ずかしながら観た事がないので、三木ファンの方にとってこの映画がどうだったのかは少し気になるが、初めて三木監督作品を観させていただいた私としては非常に良い作品だと思った。
今後、三木監督作品を探して観てみようと思う。
ほぼ全てのシーンに登場する亀梨は、今までつい「そこ、ちょっと違う!」と突っ込みを入れてしまいたくなる亀梨とは違う亀梨和也であった。
三木聡監督やスタッフとの共同作業で作ったこの作品により、彼は俳優としての階段を一つ上った、あるいは何かしらの壁を超えたのかもしれない。
偉そうなことを言ってしまうと「亀梨、成長したな。」と思った。
登場シーンは少ないものの、脇に個性的で存在感のある俳優たちがいて、それがこの作品の面白さと不穏な雰囲気を際立たせている。
映画のエンドロールに意味をもたせる作品と、そうでない作品があるが、この映画はエンドロールにかなり意味を持たせてある方の映画であると思う。
エンドロールにこの作品を象徴するものがあり、また映画の内容の余韻をじわっと味わう時間として効果的に作られている。
映画が終わって即、席を立つのをもう少し待っていただいて、是非、エンドロールの最後までを楽しんで観ていただきたいと思う。

個人的にはキサラギ以来の「あぁ、これは良い。」と思える邦画だった。

bon