ジャンゴ 繋がれざる者のレビュー・感想・評価
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単なる映写機を担いだ映画少年なのかは「スタートレック」で結論が?
タイトルバックが
彼のオマージュだらけの一環としても
私の大好きな「続・荒野の用心棒」
の懐かしい音楽だったので、
何故か意味も無く冒頭から期待が高まった。
しかし、残念だったのは彼の中期の作品
「キル・ビル」「イングロリアス…」同様、
上手さが導入部で終わってしまい、
後は後味の悪い暴力と大殺戮シーンを
待つだけになってしまったことだ。
さて、「イングロリアス…」では、
映画館主がドイツ大佐に復讐を遂げない
という首尾一貫しないストーリー展開に
彼の安易な脚本を否定せざるを得なかった
が、流石にアカデミー脚本賞を得たこの作品
では、序盤の伏線通りに
ジャンゴは妻を救出はしてくれた。
しかし、そのための屋敷での大殺戮の後に、
彼が捕らわれてからの妻の救出劇までは
余りに御都合主義過ぎて、
これで本当にアカデミー脚本賞?
と首をかしげざるを得ない
不自然極まりない強引さだ。
よほど対抗馬が無かった、受賞には
幸いな年だったのかなと想像してしまった。
また、「キル・ビル」
「イングロリアス・バスターズ」
もそうだったが、無駄に長かったり、
不要なエピソード多過で、冗長過ぎる。
黒人奴隷問題について、
ディカプリオ演じる荘園農主の狂気が、
当時の普遍的な人物像との匂わしで
充分なのだが、必要以上の殺戮シーンが、
逆にこの作品の社会的意義を喪失させている
ように思える。
他にも、白人に寄り添う黒人老執事の登場も
他の映画作品でも頻繁に描かれる人物像で、
何ら目新しい訳でも無い。
彼にとっては奴隷問題も単なる映画を
盛り上げる一要素に過ぎないのだろうか。
ところで、
「イングロリアス…」ではブラピ、
この「ジャンゴ…」ではディカプリオ、
だから「ワンス…」ではステップアップして
二人の共演なのか、と
これも意味も無く妙に納得していた。
タランティーノはこの作品でも、
まだまだ撮影機を担いだ映画少年レベル
だが、その後、映画作家として、
それなりの成熟があって、
彼の魂の叫びが聞こえたかに感じた
「ワンス…」が生まれたと信じたい。
それが本当かどうかは、
噂される彼の最後の作品「スタートレック」で、
その答えを聞くことにはなりそうだ。
かなり心配ではあるが。
監督が、、あらら
西部劇が苦手で今までスルーしていた。でも観てみよう。観たら面白かった。
馬車の上でボヨンボヨンとゆれる歯🦷、笑える。白頭巾強盗団のシーンがタランティーノ作品らしく、3時間近い映画で特に無くてもいいような場面なのに、箸休めのようにゆるく笑える場面を挟んでいる。残虐なシーンばかりじゃ疲れちゃうからちょうど良い。
この映画の死因はほとんど銃の撃ち合いだけど、そんなに撃たなくても、肉片飛び散ってるじゃん!とやっぱり痛々しい😖
主役じゃ無いのに、ディカプリオの存在感はやはり凄い!完全に悪役になりきってきて、💀での場面でテーブルを叩いた弾みでグラスで手を切ったのはアクシデントだったらしい。でも中断せずにそのまま演じて、ジャンゴの妻の顔に血をなでつけたのはアドリブらしい。やっぱり凄いわあ!ディカプリオのキレるシーンは「華麗なるギャッツビー」の時に、この人凄いわぁと感心したけど、血管キレそうでほんとに怖い。しつこいけど、やっぱりこの人凄いっ❗️
悪い奴はみんな死ぬところはやっぱりスッキリするし、最後の方で監督が特別出演してるところもなんか嬉しい。木っ端微塵になっちゃったけど!
本作ではなぜ棺桶を引きずらないのか? その意味は何か?
ジャンゴとは、1966年のマカロニウエスタンの名作「続荒野の用心棒」の原題
本作の主題歌はそれと同じものの英語バージョン
タイトルの赤い文字も、続くタイトルバックも書体をとても良く似せてあります
なる程今度はマカロニウエスタンのオマージュか
キル・ビルでヤクザ映画でやったような作品だと思わせます
しかし、観終わったあとの感動はそんな程度の映画じゃない、何十年に一度の名作を観たという感動です
テーマはもちろん人種差別への抵抗です
主人公を黒人に設定したのはなぜ?
なぜドイツ人の歯医者が主要登場人物なのか?
そもそも、なぜジャンゴという題名なのか?
本作には棺桶を引きずるガンマンも、機関銃も登場しません
しかし明らかに本作は、1966年のジャンゴのリメイクです
そのオリジナル作品に隠されてあったテーマを表に出してみせたリメイクなのです
その隠されていたテーマこそ人種差別への抵抗です
まずジャンゴという名前に注目しなければなりません
「Dは発音しない」という台詞があるほどクドいぐらい名前に注意をさせていることに気付かないとなりません
単にマカロニウエスタンのオマージュだろだけでは監督の謎かけに答えられません
ジャンゴという有名人は、マカロニウエスタンの主人公だけではありません
世界的には戦前から戦後すぐにかけて活躍した伝説的ジャズギタリストのジャンゴ・ラインハルトが連想されるのです
そのジャンゴという名前はロマ族、すなわち今では差別用語として使われなくなったジプシー
その言葉で「覚醒」という意味だそうです
つまりその名前はロマ族の人間であると言うことが明確なのです
ジプシーという言葉がなぜ差別用語なのか?
それは不可触賤民という意味が語源であるからです
ジャンゴ・ラインハルトは、そのロマ族の旅芸人の一座の両親の間に生まれ、そのギターもロマ族の音楽の影響が濃厚であるのです
ラインハルトという姓はドイツ風ですが、彼は旅の空のベルギーで生まれ、その後パリ周辺の各地で育ったそうです
なぜドイツ人の歯医者が登場するのか?
なぜ彼はキャビン付きの荷馬車で移動するのか?
あの歯の模型がバネで揺れる荷馬車を見て気付かないとなりません
これもタランティーノ監督の謎かけです
あれはロマ族の旅馬車を連想させるものです
旅芸人の家を兼ねた馬車です
つまりドクター・キング・シュルツは本当はロマ族だと言っているのです
ドイツ人という設定は、ラインハルトを連想せよとの意味だと思います
なぜロマ族がアメリカにいるのか?
自由の国、アメリカだからです!
ロマ族の一部の人々は差別の厳しい欧州大陸から逃れて来たのです
なぜオリジナル版のジャンゴが棺桶を引きずるのか?
それは新大陸アメリカに於いてもなお蔑視の視線をむける連中への怒りを封印した象徴に外ならないからです
だから機関銃は棺桶の中から登場するのです
オリジナル版の人種差別の対象はメキシコ人に対してでした
ほとんどの西部劇には黒人は存在すらしていないのです
そこまで無視されていたのです
だから本作の主人公は黒人なのです
前半あのように執拗なまでに、露悪的な程に黒人差別の実態を吐き気がするほどまでに描写するのはそれ故にしているのです
アメリカの最大の人種差別は黒人への差別なのですから、これを直視しなくてどうする!
そのようなタランティーノ監督の強い意志を感じます
オリジナル版の悪人の親玉ジャクソン少佐に相当するのは、本作では農園主のカルビン・J・キャンディです
なぜキャンディという名前?
白人からすれば南部の豊かな農園主の甘い思い出だろうだからです
「風と共に去りぬ」の世界への郷愁に対する当てつけです
レオナルド・ディカプリオは惚れ惚れするほど見事にこの悪人を大袈裟に演じています
それであることで人種差別の異常性が誰の目にも視覚化されているわけです
妻のブルームヒルダへのひたむきな愛は、オリジナル版の死んだ恋人メルセデスへの無念を晴らそうとするジャンゴの純愛から由来しているのです
ドイツ語を話す、ドイツ風の名前はそのメルセデスから来たものに違いありません
本作は「続・荒野の用心棒」のリメイクとして、痛快なマカロニウエスタンの娯楽作品であるだけでなく、オリジナル版が内包していた、それこそジャンゴが引きずる棺桶の中に隠されていた、メキシコ人や女性だけにとどまらず、全ての人間を抑圧し差別する者への反発と反撃という真のテーマを取り出して表側にして高らかに主張しているのです
だから本作には棺桶は不要なのです
棺桶の中に隠すことはないのです
差別への抵抗は正当防衛なのですから
本作のジャンゴは機関銃は使いません
持って生まれた才能と鍛錬の努力で、機関銃並みの戦闘力を獲得するのです
そして、奴隷の立場に安住して差別される体制を守ろうとする黒人に対しても戦うのです
ただ抗議すだけでは駄目だ
戦う為の実力を身につけろ
そして今の立場で安住するなと言うことです
ドクターシュルツは我慢出来なかったと拳銃を撃ちます
彼こそがジャンゴです
新大陸アメリカの自由平等博愛の夢を実現させようとして撃ったのです
オリジナル版のジャンゴはその為に戦ったのです
ジャンゴとはロマ族の言葉で「覚醒」という意味です
彼は覚醒したからこそ撃ったのです
タランティーノ監督が俳優として出演しています
昔劇団にいたから自分もやりたくなった?
それもあるでしょう
でも本当は演出意図の一環だと思います
このような映画を撮っている自分だって、先祖はこうだったのだろう
だからこの映画を観る白人も、有色人種もあなた達全員が無関係ということはないのだ
そういう意図で出演しているのだと思います
現在2021年の早春です
アメリカ大統領選は終わり、心配された内戦の危機は去りました
BLMの過激な運動には懐疑的な視線でニュースを視ていました
しかし今違う視線でBLM運動を振り返っている自分がいます
彼らはジャンゴだったのだ
棺桶から機関銃を出した人々だったのだ
そのような視線に変わっているのです
何十年に一度の傑作に間違いありません
数々の映画賞を受賞するのは当然のことです
負の歴史をぶっ飛ばす映画ならではの無双劇
黒人奴隷制度が過酷さを増す1858年を舞台に、黒人奴隷のジャンゴと賞金稼ぎのドイツ人歯科医シュルツの2人がジャンゴの妻ブルームヒルダを救うため、残虐非道な領主カルビンキャンディのもとに向かう姿を描いた、クエンティンタランティーノ監督渾身の西部劇。
長年西部劇への憧れを公表し続けていたタランティーノ監督が放つ3時間に迫る超大作で第85回アカデミー賞において作品賞を含む5部門にノミネートし、助演男優賞と脚本賞の2部門を受賞、さらには第70回ゴールデングローブ賞でも同2部門を受賞するなど批評的な面で絶賛され、興行収入の面でもタランティーノ監督作品内で過去最高を記録するなど興行成績の面でも評価の高い作品である。
中でもタランティーノ監督前作の『イングロリアスバスターズ』での妙演も記憶に新しいクリストフヴァルツ演じるドクターキングシュルツの存在感が前作にもまして絶妙で、生死問わず賞金首を狙う冷酷無比な面や仕事の都合で同行を依頼したジャンゴの射撃の腕と愛する妻を救いたいという心意気に胸を撃たれ、元黒人奴隷の身であったジャンゴを相棒のように、時には彼の師のように、彼の父のように、一人の人間として敬意を払い平等に扱おうとする姿にハンスランダ大佐とまた違った正義心も兼ね備えた人間性も感じさせ、3年という短い期間で2度のオスカー受賞という快挙も納得の名演をみせた。
また2人のターゲットとなる極悪非道の人種差別主義者のカルビンキャンディ演じるレオナルドディカプリオの吐き気を催す邪悪な存在も必見だ。
どう見ても作中で最も悪人なのだが、当時の法は犯していない為、賞金首のように銃殺してしまうことが出来ない厄介な立場の上、奴隷同士を戦わせるマンディンゴという悪趣味な行為を心底楽しんでいて、自分の行為がどれだけ異常かを理解していないほどドス黒い悪役であるのに、その初登場時の姿に嫌悪感よりも期待感が増してしまうのが彼のすごいところである笑。
しかも中盤から終盤にかけての出演で実際のところ1時間そこらしか登場していないのに記憶に焼き付くあのイヤな笑顔笑。
2010年代のディカプリオは正統派な主人公よりクセのある役が多かった気がするが今作は特にその傾向が強かった気がする笑。
1時間弱のシュルツとジャンゴの賞金稼ぎの日々、さらに1時間超のキャンディランドの非人道的な凄惨な出来事の数々、そしてバレた2人の企み、激怒したキャンディと不本意な結末とキャンディに対する嫌悪感が爆発したシュルツの子どものようなマウントの取り合いの先に訪れる血飛沫多量の銃撃戦は見ものだ。
タランティーノ印の水気の多すぎる、まるでトマトが破裂したようなまさに血の海の惨劇でショッキングの映像であるに違いないのに特に何もグロさも感じない、段々と感性が鈍くなってくるのがタラ映画の凄いところだ笑。
マンディンゴの存在などの歴史的な正確さは曖昧な点もあるが、当時の黒人が白人も劣っているという考えが当たり前に流行していた風潮の中で黒人奴隷の出自であったジャンゴが白人を一網打尽にするという「ありえなさ」が映画的な面白さを引き出しているようであまり日本人に馴染みのある話ではないかもしれない。
しかし終盤20分のジャンゴの無双劇は笑ってしまうほど爽快だったし、大爆発した屋敷を目の前にして笑う彼は最高にクールでまさにヒーローそのものに見えた。
触れてはいけないタブーとも言える歴史を見事エンタメに昇華させたタランティーノ監督の悪趣味ながらも素晴らしい手腕に感服笑。
ニヤニヤが止まらない
3時間を超えても飽きない会心作
奴隷から自由人になったジャンゴ~🎶
映画館鑑賞が叶って嬉しい!髭で早撃ちのヴァルツかっこいい!早撃ち&二丁拳銃のジャンゴかっこいい!ディカプリオ上手い!頭蓋骨話の後、テーブルをバーンと叩いた左手が血だらけなのは今日初めて気がついた!フランコ・ネロが奴隷同士を戦わせる賭けの場面に居たこともイタリア語でけしかけ応援してたことも初めて気がついた!音楽もすごく良い。配信で見た時は奴隷制度や残酷さゆえに「悲しい」という印象が強かった。でも映画館だと笑える箇所がずっと増えてすごく楽しかった!満喫しました!(2022.7.9.)
クリストフ・ヴァルツが、とにかく素晴らしかった。彼のドイツ語は柔らかくて優しく、高速の決断で撃つピストルが真逆の早撃ちでかっこよかった!加えて相変わらず優雅で怖くてシビアな役。ドイツ語、フランス語、イタリア語も散りばめていて慇懃無礼な嫌らしさが素敵💕ジャンゴを見つけ早撃ちを教えフリーマンと名付け、演技の重要性も伝えジャンゴは素早く学び応えた。ジャンゴはどんどん賢くかっこよくなる。
シュルツが、「エリーゼのために」のハープ演奏を辞めさせようとしたシーンは胸に刺さった。奴隷を複数の犬に襲わせた残虐な場面を思い出していた時だ。ベートーベンを聞くなんてできない。
オープニングからタランティーノのジャンゴ愛が溢れていた!フランコ・ネロがジャンゴと話す場面はオマージュ溢れ良かった。ジャンゴに名前を聞き「ジャンゴ、Dは発音しない」。その答えに満足するネロ。ミニスカートの女の子をメルセデスと呼ぶ。フランコ・ネロのジャンゴの亡き恋人の名前!
そして、ジャンゴの妻の名が、Bruenhildであることにはっとさせらた。ゲルマンの古めかしい名前。ドイツ人ならすぐさまニーベルンゲンのお話を思い出す。彼女がジャンゴを見て失神する場面は笑ってしまった。あの時代の白人女性のパロディ?Bruenhildという名前を持った女は決して失神などしない!ジークフリートが彼女を救うんだよ、と話してくれたシュルツ。ジャンゴがジークフリートになり彼女を救い出した。
幌の上のでかい歯がブラブラ動いている様子や、白頭巾で目が隠れる、よく見えない、もう嫌だ!の場面は長屋の若い衆がワイワイやってる落語みたいで笑ってしまった。
音楽、全てがヴァラエティに富みタランティーノ選曲、素晴らしかった。イタリア語の美しい歌もあって嬉しかった。
タランティーノ監督の西部劇
ラストで超すっきり。
何も考えずに見たい
"タランティーノらしい、ブラックの描き方と勧善懲悪の取り方。あの歯...
"タランティーノらしい、ブラックの描き方と勧善懲悪の取り方。あの歯医者とジャンゴのバディムービーとしても最高の一作でしたな。
ジャンゴが強烈にかっこいいよね。アフリカ系アメリカ人って寡黙だとどうしてああもかっこいいのだろう。クリストフヴァルツも今作めっちゃよかったな!?超かっこいいよ、あの人。
俳優がみんながみんな自分に合った役をもらって、最高の演技で返してるような映画でしたね。
これで助演男優賞とれんかったんは訴えてもいいレベル。
☆タランティーノ映画ベスト3
1 デスプルーフ
2 ジャンゴ
3 ヘイトフルエイト
まだシンシティとジャッキーブラウン、キルビルの2作見ていないので何とも言えないけど、不変な気がするよ。シンシティは違うか"
自分が「クリストフ」になった理由の作品
テイストは「キル・ビル」、
流れは「イングロリアス・バスターズ」。
雰囲気もさほど重くもなく、タランティーノ祭な感じでした。
識者の方々が仰っている、社会暗部としての奴隷制の表現は、
何と言ってもディカプリオの「ムッシュ・カンディ」のイカレっぷりと、
序盤訪れる農園の後に襲ってくる奴ら
(のちのクー・クラックス・クランらしい)の間抜けさに、
たっぷりと注がれて、愛情溢れて描かれている。
「イングロ~」のナチスが、
ここでは奴隷を買い漁る白人に置き換えられ、大粛清。
完全なるヒーロー物の爽快感はタランティーノの前作より増しているが、
スケールとしてはダウンかな。
前作は歴史を「書き換え」ちゃったからねぇ。
しかしクリストフヴァルツ、オスカー助演賞獲ったけど、ほぼ主演だって。
この中での助演賞は寧ろサミュエルLジャクソン、
いややっぱりディカプリオ…、ん~悩む。
誰も彼もキャラが立っているのが、タランティーノ映画の醍醐味。
残酷描写はそんなに気にならなかった。
これくらいフツー、と自分が慣れちゃっただけかも。
クエンティン・タランティーノが監督・脚本を手がけるウェスタン。南北...
前半がより面白い
【レオナルド・ディカプリオの黒人をモノとしか見ない狂気の農園領主を演じる姿に戦慄を覚えた作品。】
一般的には、南北戦争直前のアメリカ南部の黒人の立場を露わに描き出した作風も後押しし、アカデミー脚本賞とクリストフ・ヴァルツの助演男優賞受賞が表に出ている作品だが、私の印象ではレオナルド・ディカプリオの狂気を帯びた農園領主を演じる姿が忘れ難い。
今更ではあるが、この俳優の底知れない演者としての力量を再確認させられた作品である。
勿論、当時の黒人の置かれた状況をシビアに描き出しているし、それに抗おうとするジェイミー・フォックス演じるジャンゴとその妻、ブルームヒルダを演じたケリー・ワシントン及びこの人の後釜は誰なんだというくらいの圧倒的存在感を誇るクリストフ・ヴァルツの姿も忘れ難いが、矢張り今作品はレオナルド・ディカプリオの印象が強烈に残っている。
<2013年3月9日 劇場にて鑑賞>
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