「あぁ、木っ端微塵。」ジャンゴ 繋がれざる者 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
あぁ、木っ端微塵。
とにかく映画を作るの大~好きな、タラちゃん版、西部劇。
日本滞在時マカロニウェスタンが好まれていることを知り、
この設定にこの音楽で作ったら面白いだろうと構想を練り、
仕上げてしまいました、ホラね。みたいなノリであるのに、
見事今年のアカデミー賞で助演男優賞と脚本賞をゲット!
さぁて、どのくらい面白いんだろうと観に行く直前、
うぉ~165分の長尺だ、ということで、トイレだけ万全に!
大丈夫です。確かに長いけど、面白いから飽きません。
しかしこれだけ映画愛に満ちたバイオレンス西部劇も凄い。
もう冒頭からキング・シュルツ(C・ヴァルツ)の演技に釘付け。
彼が主演?といっても差し支えないほどの熱演に、
これはアカデミー賞をとったのも納得と思える会心の演技。
とにかくテンポがいい。トントントンと話が進み、その間で
笑わせる。コミカル性十分のヴァルツには今後も乞うご期待。
ご本家西部劇とは少し違う味付け、そのテイストを見事に
タラちゃんワールドに取り込み、古にオマージュ、新に血飛沫、
まぁ~どんだけやるんだい?っていうくらいやってくれます。
冒頭のテーマとタイトルだけで、掴みは十分にOKでしたね。
ジャンゴ(Dは発音しない)とシュルツが、町で極悪三兄弟を
抹殺するまでのくだりは面白すぎてケラケラ笑ってしまった。
その後、息子の前で父親を撃ち殺すという、惨殺を経験して
しまったジャンゴは本来の目的をシュルツに明かし、二人は
満を持してキャンディ(ディカプリオ)の元へ向かうんだけど…
今回レオ様が悪役をやるんです!っていうのがずいぶん大きく
取り上げられていたけど、私的にディカプリオは(なにかを)
妙に演じてない方が上手いと思うんで、今回楽しんでやってる
のは分かるんだけど、特に目立ってスゴイとは思わなかった。
取り分けお隣であのスティーブン執事(やりすぎサミュエル)が
ジャンゴやキャンディより目立っちゃってるもんで^^;もう彼の
独壇場と化しちゃってるのね、あの農場場面。ブルームヒルダと
シュルツが部屋でドイツ語で会話する辺りからもうドッキドキ、
いつバレるか?いつ撃ち合いになるか?ってもうそればかり^^;
後半に入ってこの場面展開、ここまででかなり殺してるんだけど
まだまだやりまっせ!っていうタラちゃんの意気は止まらない。
終いには(爆)ハイ!お楽しみ~!って感じでご本人ご登場。
いつ出てくるんだろうと思ってたら、ここかよっ!って感じで。
やたら長くて可笑しい会話劇、撃ち合い地獄、血がドビューっ、
ダイナマイトで木っ端微塵、と最後の最後まで血糊がべっとりと
貼りつくほどのタラちゃん西部ワールドに浸れること請け合い。
酒場でオリジナルのジャンゴ(F・ネロ)も登場させましたねぇ。
ただただ楽しくやっているように見えるシーンでも、しっかりと
タラちゃんは準備を怠らない、爆破で馬が何頭も倒れているけど、
あれはすべて訓練したんだって。動物を一頭も傷つけてないよ♪
って、そんな笑顔で語られちゃあ、ファンはたまりませんよねぇ。
(まだもう一本、作品の構想があるらしいので今後エラく楽しみ♪)