「沼の底」ペーパーボーイ 真夏の引力 manamboさんの映画レビュー(感想・評価)
沼の底
アメリカ南部のペーパーボーイ(ブン屋)。遺伝子に心を支配され、性欲、支配欲、暴力衝動を隠そうともしない人達と、狭い地域社会の価値観にまるごと同化した人達。どちらにも自我が無く、それだけに交わることなく憎しみ合う。その間に滑り込む犯罪、殺人、貧困、人種差別、コンプレックス、倒錯した愛欲、家族愛への渇望、純粋な愛、ジャーナリズムとその名を借りたビジネス。沼の底を覗き込み、引きずりこまれて泥水を飲まされるような感覚。それを描くカメラワークが芸術的で超クールだった。
雨のダンスシーンの、ニコール・キッドマンの隠せない上品さに唯一笑った。
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