アナザー プラネットのレビュー・感想・評価
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背筋がゾクゾクする映画です。
テーマは贖罪。SFみたいなジャケットなのに全然ヒューマンドラマでした。
自分の罪をあそこまで言えないローダに観てるのが辛くなるのですが、最後のオシャレなローダを見た瞬間にこれで良かったのかもしれないなと納得。
よく作られた映画だと思います。
すごく面白い。
宇宙は突き詰めると哲学に辿り着く
個人評価:4.0 もう一つの地球にいるもう1人の自分。 それはもう一つの人生があっかもしれないという、自身へ目を向ける過去への後悔との対比でもある。 SFの切り口で人生の哲学を巧みに織込むこの監督は、次作のアイ・オリジンズ同様に、引き込まれる設定を物語のテーマにしてくる。 音楽も素晴らしく、まるで深層心理に直接問い掛けるようなオトで大事なシーンなどは描いており、監督のセンスと、この脚本に対する愛情が伝わってくる。 また新作を是非とも作ってほしい。
地球そっくりの惑星が地球から見えるようになって数年。ローダが刑期...
地球そっくりの惑星が地球から見えるようになって数年。ローダが刑期を終えて出所するころには惑星間移動の話題でもちきりとなっていた。なぜか地球と同じ人々が暮らしていて、パラレルワールドのようなアナザーアース。幼い頃から天体に興味を持っていたローダは悩んだ末に一般公募に応募する。
遺族の夫ジョンは次第にローダに好意を持ち、やがて深い関係になる・・・それだけローダがいい女だったせいもあるが・・・。そして見事に惑星間旅行の一員に選ばれたことを契機にジョンに自分が加害者だと告白。
話は単純なようでローダの心理描写が見事。SFと贖罪ドラマの融合も見事だった。これも市井側から見たSFドラマのせいだろうか、妙に納得してしまったりする。何もかもがシンクロしていたりするという噂:特にTVキャスターが電波状況が悪い中で交信すると、同じ人物が全く同じ誕生日だったり、過去の経験も同じだったり。しかし、ある学説によると、アナザープラネットが目視できるようになってからシンクロしなくなったということをローダがジョンに伝え、旅行券をそっとジョンに渡すという展開。ジョンはもちろん家族が生きているかもしれないと思い、殺してやりたいほどのローダの申し出を黙って受け入れ宇宙へと旅発っていった(ここまでは描かれてない)。そして平凡な日常を送るローダのもとへローダそっくりの人間が現れ、ジ・エンド。
ローダの心象風景。消えない罪に苛まれながらも、被害者と愛し合ってしまうという。これ以上関係を続けていたら、罪はもっと重くなるはずで、もし旅行券が当たらなかったらどうなってたんだろ?そして、シンクロしすぎていたら確実に向こうからも旅行者が現れるはずで、それがラストシーンに繋がったのか?つまり、向こうでは交通事故なんてものはなく、予定通り向こうのローダが地球へやってきた。そうなってくると、ジョンは向こうで一緒に妻子を愛することになるのだろうか・・・ジョンの結末も知りたいものだ。
間が心地よい。地球を外から見ることで呼び起こされる感覚。
地球を地球から見るって癒されました。 あり得ない話だけど夢を見てるみたいで、色々な感覚が呼び起こされて幸せな時だなって感じました。 怖れとか、いとおしさとか、懐かしさとか…。 劇中の間がとても良くて、良質な作品を作る監督と共通の感性を感じました。 家族がいる部屋で観てたので途中流れがわかって、イヤホンにしました。 予想通りで、ちょっと観るテンション下がりました。 おじいさんに寄り添う場面も間の使い方が良くて心に残ります。 監督の次の作品がお勧めされてて見たいんですが、レンタルショップにないのでこちらの作品を観ました。
オープンエンドに隠された結末
もっとSFを想像していただけあって、ドキュメンタリーを観ているかのような空気とゆっくりした雰囲気にちょっと戸惑いを感じたものの、観ているうちに段々とわかってきました。
単純に向こうのRhodaが来ただけのエンディングでしたが、それは彼女は自分のチケットをJohnに渡さなかったということ。劇中の理論が正しかったことになります。もちろん彼に罪を告白しなかったり、謝りに行かなかったということもありますが、素直に受け止めればこれは彼女が事故を起こさなかったパラレルワールドが生まれたということでしょう。
でも「アナザー・プラネット」じゃなくてそのまま「アナザー・アース」でよかったのでは?
期待とは違ったけれど、見てよかった。
よくジャケットの写真とか解説を読めばよかったんだけど、最初からバリバリのSF作品と思って借りてしまったのが、これがまた嬉しい誤算で。 実はシリアスなニンゲンドラマ。CGもおそらく空に浮かぶもうひとつの地球に使用しただけだろう。主人公の心情が痛いほど伝わってくる。ただ、最後の小さな「どんでん返し」は賛否ありそうですね。 ブルーレイで見ましたが、これはDVD画質で十分だとは思います。
SFだと思って観たら
ヒューマンドラマだったでござる。 期待と違ったけど見入ってしまいました。 観客目線を理解している良い監督だと思います。 最近は監督目線オンリーで質の低い邦画ばかり見てたので、非常に良く出来た映画だなあと思いました。 このあと有名な邦画を見る予定ですが、非常に不安です。
よくできたパラレルワールド話
抑制の効いた話しの運び方で、性急になりがちなポイントをよく踏みとどまり非常によくできたシナリオだと思った。 たとえば宇宙旅行の応募なんかも最初のステップでは思いとどまり内面を描くことを忘れていない。このタメを作れない映画って以外と多い。告白のタイミングもしかり。 だが映像はどうだろう。ハンディーぽい寄り方とか効果的というより安っぽさが際立っているし、ブルーが際立ちすぎている画も少し品がない。低予算だったのかな。 ラストを見ても文学臭が強く、どちらかと言うとこの監督、ライティング向きの人なんでしょう。
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