そして父になるのレビュー・感想・評価
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是枝監督らしい映画
そして父になる題名通りの映画だった。急にきた人生の転機を乗り越えて新しい道を描いていく。それが父親って形にはまっただけで誰にでもある話。福山も一つ屋根の下ぶりのやなやつ役。でも正当なような気もする。周りを固める人達が子供を含めて素晴らしく特に女性が前に出るタイプと後ろに下がるタイプ完全に演じきってる。本当にわざとらしさもなくいい映画でした。
何と言うか…。
こういう映画を観て、あまり何も感じない自分は、人として問題があるのではなかろうかと思うけど、前評判の割に…と言うのが正直な感想です。
自分が親ではないから理解できないのか、もっと別の問題なのか、どうにも同調できるところが持てず、最後まで居心地の悪さを感じました。
久々に邦画で感動した映画!
キャスティングが素晴らしい。何と言ってもリリーフランキーと真木よう子、その子供達の自然な家族感。派手さはないのに一時も飽きさせない。息子を持つ全ての父に観てほしい、泣いて欲しい映画である。
そして父になる
是枝監督独特の世界観がでていて最初は重い・・・と感じたが福山の演技がいい意味で軽くしてくれたかんじ。
この内容なら子供や母親の泣くシーンを増やせばいくらでもお涙ちょうだいの映画を作れるがあえて泣くシーンはあまり作らないところもまた共感できた。
アメリカでリメイクが決まったらしいが嫌な予感、泣かせて感動映画を作る気満々な気がする。
おくりびと以来の久々日本映画では上出来だと思う。
今年はハリウッドでもあまりヒット作はないからもしかしてオスカー狙えるか?!
邦画はやはりやたらお金をかけずにこういう地味にいい作品をこれからも作って欲しいものです。
自分だったら・・・と見た後何度も考えさせられましたがやはり答えはでないですね。
いやいや、深いですね。
◆兎に角切ない!
誰の気持ちになっても、涙があふれる切ない映画。
子供を通して成長する、親。特に父親に向けてのものに感じた。
子を産んだ母親さえも、実の子ではないと、気付けない現実。
二つの家族を、あからさまに貧富の差を描いている部分が、不快に感じた。
子供の気持ちを、もっと丁寧に描けたらもっと良かったのではないかと思えた。
良多の様にエリーで無くても、同じ様な父親は、この世に一杯いると思う。最後を、映画を観た人に考えてもらう手法だろうが、父である者にとって、『なんかすっきりしないなあ』と言う意見もありました。
血縁か育てた時間か選べる訳が無い。どちらの子も自分で育てたいと思う。
「そして父になる」観てきました。
――6年間育てた息子は、他人の子でした。
重い題材ですが時折出てくるユーモラスなやりとりでほどよくバランスが取れていて、とても楽しませていただきました。
取り違えた子供たちの演技が絶妙で、うっかりホロリと来ました。
福山雅治は見る度に見直してる気がしますが今回も見直しました。
特にケイタくんなんて素晴らしい演技を見せてくれました。
こんな状況、自分だったらどう思うのかな……
観終わった後も
是枝監督の作品が大好きなので、ものすごく期待してましたが、本当に裏切られなかったです。
さすが、としか言えません。
是枝さんの描く人物のリアルさ、現代社会を浮き彫りにしているところ、そしてそして何より観終わった後、心になにか温かいものを残してくれます。
これからも是枝監督の作品を楽しみにしています。
個と個の関係
久々に映画を見て泣きました。
気になってたテーマだったので、
暇をみつけて行ってきました。
内容は、6年間育てた我が子が、
とりちがえた子であったという、
二家族のお話です。
自分でどう納得して、どう子供に納得させるのか?
親とは、子とは?
とても深いテーマだと思いました。
父親になる、人の親になる。
なる人は経験する普遍的なテーマです。
人生の1/3を過ぎた今では、そうあるべきなのかもしれません。
この映画を見て思ったのは、
親とはコチラからの一方的な関係ではなく、
子供からとの双方的な関係であるというコト。
人間がお互いに成長していく中で、
子も親も、血が通っていてもいなくても、
人間同士として一緒だと、どうあるべきか考えさせられました。
そこで、自分に気付かされ、素直になっていくことが如何に大事か!
個と個の関係、深いです。
そして、父になる。
それは、親になる。
そして、人になる。
なぜか涙が・・・・
カンヌ受賞作品の雰囲気も好きです。
この作品もそんな、同じような匂いが・・・・
映画としては派手さは無く淡々と流れていく感じ
その中での、何気ない描写
なぜか涙が・・・・
涙が出て、そのことに気付く
そんなことの繰り返し
父親になるには何かきっかけが必要なのでしょう
血か!?時間か!?
とても重いテーマで、哀しく罪深い話だなぁと感じました。
血の繋がりか、それとも過ごした時間なのか…。
難しいですね。
6年という月日が流れたわけだから、そう簡単には馴染めないだろうし、ましてこれほど生活環境が違うとなればなおさらだろう。なるほどいかにもカンヌで賞を獲りそうな考えさせられる作品でした。
出演者も良かったですね。心配していた樹木希林の演技も抑え目で邪魔になってなかったのでホッとした。
今年の賞レースに出てくるのは間違いないだろうけど、じゃあ本作が今年ベストかと聞かれるとどうかな?
私としては、ラストの選択がイマイチ気に入らなかった。
情緒に流されたと感じたからだ。良多は子供のためというより自分のために行動してしまったのではないだろうか…。
家族の絆の本質を問いかけた傑作
大事なのは、血なのか過ごした時間なのか。
論理的に考えれば勿論血なのでしょうが、人間の情に訴えかければそれは当然過ごした時間となる訳で・・・。
そんな普遍的なテーマを、是枝監督は一体どう描いたのか、期待して鑑賞しましたが・・・なるほど、そう来ましたか!
重きを置いたのは、どちらを選択するかではなく、タイトル通り「そして父になる」ことだったのですね。
主人公が、父親としても人間としても成長していく姿には、とにかく心震わされました!
是枝監督特有の子供達に自然な演技をさせる演出法と、主演に父親臭が全く漂わない福山雅治を起用したのが、実に面白い化学反応をみせた秀作でしたね。
福山雅治(野々宮良多)・・・人生の勝ち組、イケメン、エリート、傲慢な性格、見る者が嫌悪感を抱くにはこれ以上ない適役でした。
だからこそ、本当の父になっていく姿には心動かされましたね。
尾野真千子(みどり)・・・健気にエリート夫を支える姿が印象的な前半とは対照的に、後半は子供を思う強い女性へと大変貌を遂げました。
奥さんとしてもお母さんとしても女性としても、ほぼ完璧でしょう!しかも美しい・・・。
二宮慶多(慶多)・・・つぶらな瞳が印象的な可愛らしい少年でした。
何かと素直で優しくて我慢強い性格は、確かに良多とは間逆のタイプでしたね。
きっと親ならば、こんな子供が欲しいよね・・・と思わされること必至。
リリー・フランキー(斎木雄大)・・・金は無くとも、子供思いでとにかく底抜けに明るい父親でした。
見た目も性格も福山パパとは対照的な良い父親でしたが、妙にガサツな感じは私もちょっと苦手かも。
真木よう子(ゆかり)・・・まさに肝っ玉母さん。しかも美しい!
子供からしたら、絶対自慢の母親ですよね。こんな母さんの為ならば、何かと頑張れるような気がします(笑)
黄升げん(琉晴)・・・わんぱくだけど、弟妹思い。「何で?」が印象的な少年でした。明るい家庭に育ったら、きっとこんな感じで育つでしょう。 ただ、躾がなってないのはちょっと・・・って、子供はこれが普通か。
樹木希林(みどりの母)・・・安定のおばあちゃん演技。今回は、いつもより控えめな存在感でしたね。
夏八木勲、風吹ジュン(野々宮良輔、のぶ子)・・・良多の父親、義母と考えれば、完璧なるキャスティング、演技でしたね。さすがです。
中村ゆり(看護師)・・・美しすぎる犯罪者。希薄すぎる謝罪の意が、見る者を本当にイラっとさせました。 でも、美しいね。
慶多、琉晴が大人になった時、それぞれどんな思いが込み上げるのでしょうか・・・。
見る人の経験や感受性が大きく関わる作品
是枝監督がもうこんな福山雅治は見たくないというギリギリのラインを探ったイヤミな奴を主人公にしたとおっしゃられていたが見た感想は普通の人じゃん!!当たり前の言動じゃん!!ということ。仕事から帰ってきて息子のピアノを見てあげるなんてむしろ凄いよ。
物語的には主人公に据えるにはたしかにリスキーだしリリーさんがキャラ勝ちでむしろ立ってる!と思うかもしれない。
でもこれを現実世界に置き換えたらみんな仙人みたいにならなきゃいけない。
リリーさんご本人が言っていたがまさにこの雄大という父親はファンタジーだ。実際にあのご主人がいて内外装ぼろぼろの家に住まい、ろくな稼ぎのない夫に子供を任せて自分は安いパートで家計を支えていたら妻は出口のない迷路のような気分で毎日を過ごし、いつしかキレるし出て行くかもしれない。実際ならそんな人多いと思う。子供たちは親が思うより早く成長して行くので経済面が重くのしかかる心労の日々はどのようなものだろう。これ幸いと慰謝料の計算ばっかりしてるんじゃないよ!!・・・とは思いつつ物語としてのセオリーに操られてまんまとこのろくでなしの父になぜかやられてしまうのは痛い・・・。
それよりも、必死に働く人を駄目みたいに扱えるかな?できないでしょ?!て感じ。一緒に見に行った主人は冒頭で既に怒りが先にきてしまったみたいでまともにストーリーが頭に入らないくらい怒っているのが傍目に感じられて私ははらはらしながらの鑑賞となってしまった・・・。(うちの主人は猛烈な仕事人なのでね)
現実、共働きのご夫婦が多いご時勢でこれを見たら夫婦共に子供と接する時間は食事とお風呂などのお世話のみ。休日に全員が揃うのは土日祝日でも少し難しいという家庭ならもはや救いもない思い。保育園任せで人に育てて貰ってたらあかんやろ?自分にしかできへんことあるんちゃうか?と雄大に叱られそうだ。こんなこと上から言われたらまさにふざけんな!!て感じ。良多は言動はアレだが人の助言はすんなり受け入れる場面がそこかしこにあってなおさらそこが温度感のない父親に少し人間味をだしてくれててそこがいい。
でも、これはあくまでもドキュメンタリーでもなく普通の人が普通に悩み、苦しみ、答えが出ない煩悶を繰り返す序章にたった物語。本編は映画が終わった後に鑑賞した人々の心の中で続いて行く。
あまりにリアルで演技を超えた感情や動きが見られ、それが胸に迫り、痛いくらいひりひりする瞬間がちりばめられている。これは間違いなく出演者の誰もが世界で認知され後世に名作の一本として残っていく代表作となったことは必至だ。目線や子供に添える手、妻を支える手、子が親を求める気持ちなどの表現がリアルすぎる。この家族の傍らで静かに寄り添い、息を殺して見つめる感覚に陥る。こらえきれずに落涙してしまう。何日も心を支配された映画は久しぶりに見た。
福山雅治というエンタメの申し子のようなアイコンがいるだけにテレビドラマ版ガリレオのような刺激を求めていたり、是枝監督作品に初めてお目にかかる人はいささか戸惑い、多くを語らず詩的で色んなものを孕んだ行間の余白を読ませる・・・そんな大人の世界観にはもはや理解不能で問われているものに追いつけない。
今は向かなくても自分の人生経験が違うステイタスに変わった時点で何回と無く見返したらいい。ありきたりな表現をすると見るたびに心に響く部分が違うだろう。
つまり、作品が見る人を選んでいる。
モヤっと…
ワザとなのか?浅い…同じ事を言いたいなら、八日目の蝉の方が胸に迫る。切なさだったら三丁目の夕日かなあ。見ていて田舎の鼠と都会の鼠とか思い出したり…映画でなくてドラマだったらいいかもしれない。笑えないし、おもいっきりは泣けない、モヤっとした映画だった。ただ、福山雅治とリリーフランキーの演技は秀逸。
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