「父親になるということを自覚させる」そして父になる 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)
父親になるということを自覚させる
そして父となる、は子供を取り違えるというショッキングなことがテーマですが、そこに焦点があるわけではなく、あくまで福山雅治の演じる父親が、父親として自覚するまでの成長物語の側面が強い。取り違えの話はあくまで背景としてしか意味はない。そこに対しての社会的なメッセージなどは全くない。病院との裁判もほぼ描かれないし、加害者との話も多くはない。加害者とのエピソードと、母と子との絆を主人公に印象付ける役割でしかなく、批判的ではない。
子供が生まれたからといって、男は自動的に父親になれるわけではない。子供にとってかけがえのない存在であると自覚すること、子供との時間をいかに大事にしたかによって、それは徐々に父親らしくなっていくのだ。
主人公の父親は血縁という、母親は血縁ではないという。
何をして父親というかは正解はない。
しかし、自分がどういう父親であろうとするかは各個人で答えを持っているべきだ。
子供にとって父親は1人しかいないのだから。
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