美容院でのセットが当たり前だったヘアスタイルを、カット技術でセットしなくても美しいヘアスタイルにした立役者。
ファッションて、洋服だけではなく、全体のコーディネートが大切で、洋服の変容と、彼のヘアスタイルが相乗効果で世界に受け入れられていく。
時代の流れをうまくつかんだのか、牽引したのか。人々に受け入れられなければ、どんな斬新で美しいファッションでも、ファッションショーや雑誌、映画での試みとして終わってしまうから、時代の風をつかんで、形にしていったのだろう。
今でも、美容にかける時間とお金は大変なものだが、ミニスカートとともに、動きに合わせて流れるショートカットの女性たちのなんと活き活きとしていることか。家から外に出て自分の力を試す時代の華々しさを感じ取ることができる。
映画を観て、自分が自分をどう見せたいのかーー私らしさより、職業的にこう見せたい自分を中心に、美容院で注文していたんだなあと改めて認識することができた。
ヘアスタイルって難しい。
自分を本当に輝かせる姿と、職業や生活スタイル等の制約からとかに縛られてこういう髪型にしたいと考える姿と、似合わないかもしれないけどそうありたい姿のせめぎあい。
いや、そこまで突き詰めていないでなおざりにしている自分をも見えてきて…。
サスーン氏は、客の要望を聞かずに、サスーン氏がその方の骨格等をアセスメントして、その方に”合う”ヘアスタイルにしていったとか。
客は、自分の知らない自分に出会うために、サスーン氏に任せる。新しい自分に出会うのって、わくわく・どきどきなのだろうなとうらやましくもあり、怖くもあり。
サスーン氏はどれだけの気概と信念をもって取り組んでいたのだろうと、息をのむ。客の要望をきいていれば、うまくいかなくとも客のせいにできるのに。要望を無視して、文句を言われたら、客のせいにはできない。一日14時間働けみたいな話も出てきたが、それぐらいやらないとこれだけのことはできないのだろうなあと思った。
とはいえ、
かなり昔に鑑賞。今ひとつ思い出せない。
初めは、ココ・シャネルのように、それまでの「こうあらねば」という既成概念をぶち壊して女性に自由を与えたと言うところで感動したけど、そのあとは企業戦略みないな話になって…。
事業展開とか、ヘアスタイル等に興味がある人にはおもしろいと思います。