「中途半端。」ハンガー・ゲーム SasAさんの映画レビュー(感想・評価)
中途半端。
冒頭の戦闘シーンは迫力があってよかったです。ですがいざ本番が始まってからの戦闘シーンはカメラが動きすぎて何が起きているのかよくわからないです。でもこれは暴力的なシーンを見せるだけの映画にしたくないという制作側の意図もあるのでしょうか。
では戦闘シーンに重きを置く映画でないとしたら何を伝えたいのか…そんなことを考えながら見ていましたがわかりませんでした。
ゲームのルールが詳しく説明されていましたが始まるまでが長すぎてちょっと飽きてしまいます。あれだけ長々とスポンサーが大事といっていたわりには、そのメリットもよくわかりませんでした。
そしてやっとゲームが始まったと思ったらビックリ!だって運営がプレイヤーに攻撃してくるんですよ。しかもそれでカットニス負傷→ピンチ。もうなんでもありだなと思ってこの時点で見る気半減でした。
中盤で味方になったルーについてはたいして思うところはありません。というかルーは敵になると思ってました。ですがその期待は裏切られ(いい意味で)味方となって戦場に散るわけですが、ルーの背景も描かれてないし、カットニスは妹のように思っていたのかとか想像はしましたが、特に泣けませんし、「あー死んじゃった」くらいなものでした。
個人的にはもう少し登場人物を減らしてもいいので、一人一人の背景を掘り下げてほしかったですね。
全体的に見て盛り上がりに欠けます。「ハンガーゲーム」というものを長々と説明されたような印象が強いです。
個人的に一番盛り上がったのはカットニスが能力審査(?)のおじ様たちの食べようとしていた豚が咥えていたリンゴを打ちぬいたシーンでした。あれはスカっとしました。
きっとこの映画はハンガーゲームというイベントというか決まり事を通じて強大な権力に立ち向かっていく!という流れになるのかもしれませんが、サバイバルゲームのようなものを期待していた自分には少なからずガッカリ感がありました。