黄金を抱いて翔べのレビュー・感想・評価
全17件を表示
スルメ作品
初めてこの作品を映画館で見たのは18歳の頃でした。
あらすじは一切知らず、タイトルにただワクワクしたので鑑賞しました。
が、
すぐタイトルとの高低差に驚きました。
最初から最後まで予測がつかずある意味ワクワクしっぱなしの作品だったなと思います。
雑なようで実は大事なキーワードは作品中の至る所に散りばめられており、あれから数年おきに約10年近く何度か見ておりますが、何度見ても自分の中の新たな感情の発見になり楽しめる作品です。
簡単に銀行強盗の話が進む訳がないとかあーだこーだ現実的なことはこの映画を見る上で重要ではないと思いますのでその辺はスルーして鑑賞すると更に楽しめると思います。
物足りない
強盗する前に色々、問題起きすぎるよな。幸田とじいちゃんが親子だったていうのは予想外だったけど、さすがに無理があったと思う。たまたま寄せ集められた強盗グループで親子が再会するって恐ろしい確率やな。強盗のシーンはちょっとショボかった。ギリギリまで裏切り者が誰かわからなかったほうがよかった。
静かに進むが、後半はドキドキ
淡々と進み、淡々と死ぬことに、人生の終わりなんてそんなものなのかもしれないと思った。
死に様に、その人の人生が浮かんでくるよう。
最後の妻夫木くんが落ちる瞬間も、あっけないからこそ、気持ちが伝わってきた気がした。
後半の展開は画面に吸い寄せられた。
面白かった。
シム・チャンミンも良かった。
モタモタしすぎ
金を盗むミッションがモタモタしすぎなのが緊張感を削いでいる気がした。
浅野忠信の奥さんが浮気をしていることが匂わされるのだが、あっさりしすぎていてどういう話なのかあんまり分からなかった。
フィルムっぽい映像の質感はよかった。
泥臭い侵入+大阪弁の精度
初版1990年(文庫は1994年)、それまでの自分の人生で初めてのめり込んだと言える(そして今も”好きな小説のスタイル”のベースとなっている)小説が原作、時間を経てこの時代に映画化、となると一応観ないわけにはいかない。高精度な原作の筆致と比べると、削ぎ落とされたシーンや思想もやっぱり多かったけれど、逆に映像化されることでまざまざと思い出せたシーンもあり、素直に楽しめた。登場人物それぞれの描き方も手を抜かず、原作読んだ人も満足したのではと思う(以下ネタバレ)
■ 連絡やり取りに通信機器は出てこない
新鮮なのは(時代考証からは当然ながら、)携帯電話が一度も出てこないところ。ポケベルやPHSももちろんなし。待ち合わせ場所は基本的に口頭で伝え、どうしても必要な連絡は固定電話。携帯電話(やBluetoothマイク)で連絡取り合うドラマや映画を観すぎているのもあって、逆に泥臭さをかもしだしてくれていた。しかしこの時代に合わせて、不自然な進行にならないようにスムーズな構成にするのは、けっこう大変だったのでは
爆弾作成の材料をそらんじる春樹は「メモは取るな」とモモから忠告を受けている。まあこのあたりは、通信手段に加えて、犯罪計画だから隠密に進めなければならないのもあるだろう。(僕は小説を読んでいて子供ながら「そうか、メモを取ってはいけないくらいまずいことをしているのか」とドキドキしてページを進めたのを憶えている)
そういえば、ポケベルが流行りだした時代とかぶってなかったっけ、と思って調べると、ドラマ「ポケベルが鳴らなくて」の時代(1993年)は、小説発売の頃(1990年)よりもう少し後だった。「だいぶ昔で、だいたい同じあの頃」という自分の記憶がいかにあいまいか。もちろん携帯電話が日常で使われる時代が舞台なら、この小説の空気感ももう少し変わっただろうな
■ 現場侵入の泥臭さ
現場の見取り図が手書き。これも現代ドラマ/映画だと、なぜかチームに1人はいる"IT担当"が基幹システムをハッキングして、「見取り図をあのスクリーンに表示します」などとやるものだが、、おそらく北川が定規片手に描き上げたであろう見取り図が何度か登場して、変にリアル
「守衛を1人ずつおびきよせて殴り気絶させる」をなぜか丁寧に描写。侵入シーンは、緻密なチームプレーができたことを示せばいいはずだけれど、監督がこのあたりの細部も描きたかったのかもしれない。とにかく、銀行内の面子がどんくさいなあと思いながら観ていた
■ 侵入計画以外の背景描写
本筋の侵入計画とはまったく別方向のベクトルを持ち、異様な存在感を示す「青銅社」周り。幸田や北川との過去の関係はあいにく描かれていなかったけれど、山岸の外観など、「何だかよくわからない彼らの雰囲気」はいい感じに映像化できていたと思う
いわゆる左翼とは、という背景知識も必要なのだけれど、小説を読む当時はよくわからなかった。今思えば、この作品の世界観を彫り出すもう一つの側面であることは確か。カトリックの教会や聖書の登場と混ぜ合わせると、いわゆる「転向」も深いキーワードの一つになっている(と思う)
■ 大阪弁の"精度"
さすが井筒監督作品というか、中途半端な大阪弁が一度も出てこずで満足。関西出身の役者をそろえて「正確な」関西訛りを聴けた。ギャンブルのシーンで青木崇高さんが放った「いねや」なんて、久々に聴けた
西田敏行さんもほんとうは味のある訛りで話せるはずだけれど、チームの中で関西弁を話すのは野田(桐谷健太さん)だけという設定なので、標準語。しかし完璧に役にはまっていた
小金を抱いてATM。
原作本はまったく読んでいない。
本編からイメージされる原作者がとても女性とは思えない
ほどの、ハードボイルド系だなぁと感じた。
まぁ監督が井筒だからということもあるんだろうけど…。
最近流行りの(というか目立ってきた)ゲーム感覚で強奪戦!
という楽しい強盗映画ではない。
緻密に張り巡らせたコンピューター主導の頭脳戦でもない。
血肉から滲むような汗と暴力と虚無と孤独が綯交ぜになった、
何とも形容しがたい切ない気分になる作品。
決して格好よく描かれる話ではないので、失望感は膨らみ、
ガキのような性根を持つ役柄を演じたキャストたちが光る。
演出はいかにも井筒印なので、好き好きは分かれると思う。
うーん。私的にはつまらないとも最高ともいえない作品だった。
ドラマ的要素が強く各々の感情に入るかと思いきや、時間的に
余裕がなかったのか^^;勿体ない流れを余儀なくされた感じ。
前半がやけにダラダラしているなーと思ったが、
チャンミンが演じたモモのくだりではハラハラさせられる。
で、このチャンミンがやけにいい。(顔が、って意味じゃなくて)
主人公の幸田(妻夫木)とのやりとりが、かなりの切なさを醸す。
男同士の…^^;っていう、危うい感じも巧く描かれている。
浅野忠信をはじめ、似合っている(というか巧い)役者を揃えて
演出もそれなりに(原作に忠実らしいし)悪くないので、あとは
いわゆる暴力(まぁこればっかりじゃないんだけど)という描写
の限界を、どこで観る方が持ち合わせるかの判断に依る感じ。
もうこれは、好きか嫌いか。の問題だけなのだ(しつこいけど)
スッキリしないといえば、なんだあの盗み方は!(爆)と
思うほど子供っぽい。やることは派手だが、バカじゃねえの!と
思えるほどガキっぽさが目立つ。計画の段階でかなりイライラ
させられること必至、さらには実行前になんで!?と思われる
展開が相次ぐ。人が死ぬ。仲間も死ぬ。それでもやるのかよー!
…っていうここが、おそらく最も描きたかったところなんだろうな。
黄金を抱いて翔びたい!わけよね、とにかく。
昔(っていうか大昔ですか)当時流行っていた歌のひとつに
「飛んでイスタンブール」という庄野真代の歌があった。
それをTV番組の視聴者が「飛べずに、新小岩」ともじって投稿し、
子供だった私は大爆笑した思い出がある。それを思い出した^^;
(ごめんなさいね、新小岩はいいところです)
しょせん自分は…。と置き換えて例えるとキリがない。
一度でいいから!と夢(ともいえない夢)に賭ける男たちのドラマ
がきっと、こういうことなんだろうなーと。不様を晒す度胸がいい。
(安室奈美恵の主題歌がカッコいい。この作品で一番カッコいいぞ)
モモが可愛いです。
観終わったとき、サスペンス?と思いました。どちらかというとアクションプラスドラマといった印象です。強盗を実行しているシーンは、どうなるんだろう、というハラハラはあっても、どうやるんだろう、というハラハラは無いです。ある意味安心して部外者のように外から観れます。まあ実際部外者なんですけど。
あと、主要登場人物がほぼ男だけというのもあって、モモがヒロインに見えます。ヒーローが幸田ならヒロインはモモだと思います。ある意味主役のような美味しいポジションでした。大変可愛いです。というかモモと幸田の関係が、なんというか、愛情を感じてほろっときました。教会で鯖寿司を食うシーンだけは泣いてしまいました。
残念だったのはハルキ?だったかな?弟くんが、銀行強盗に関してほぼ何のプラスの役割も発揮せず、ハッキリ言ってお荷物要員だったことです。あれはあれで必要な役回りだと思いますが、それなら予告編でカッコ良く強盗メンバーに並べないで欲しかった。特殊スキルを生かすわけでもなく、参加したのも子供が仲間外れにされたくないというような動機に見えます。
予告編の溝端くんがかっこ良かったので無駄に期待を寄せた分ガッカリしてしまいました。
話全体としては良かったと思います。どう収拾をつけるのかと思っていたら案外あっさり終わってしまったのですが、それでも観後感は悪くないです。
誰とは言いませんが結局一番臆病な奴が生き残るという結末も個人的にはしっくりきて良かったです。
好みの問題?
久しぶりにつまらない映画だった。
好みの問題だとは思うけど、ドキドキもハラハラもなく感動もない。
なんとなく先が読めて盛り上がりもない。淡々と過ぎてゆく感じ。
内容の展開も強引過ぎて着いていけない。
でも、さすがに井筒監督?アクションシーン(喧嘩のシーン)は迫力がある。
自分的には、わざわざ映画館で見なくてもって感じかな?!
黄金に体を張れ
暗闇の金塊のようにずしりと重く硬質なサスペンススリラーだった。
『オーシャンズ11』や『ミニミニ大作戦』などの痛快洒落な強盗モノではない。
それよりも、
競馬場での強盗計画を練る男たちが内部崩壊してゆく傑作ノワール、
『現金(げんなま)に体を張れ』に匂いは近い。あんなトリッキーな構成では無いが、
自分の抱えるものに追い回され、互いに疑心暗鬼を募らせる様が似ている。
そもそも彼らはどうして金塊強奪なんて目論んだのだか。
確かに誰も彼も裕福では無いが、あれほどのタフな連中なら食いっぱぐれる事は無さそうだし、
(2人ほど常に殺されかけてるのはいるが)
何より金(かね)に対する執着が彼らからはあまり感じられない。
きっと彼らは、自分の命を全て擲(なげう)てるだけの大勝負をやってみたかったのかもしれない。
誰かの為に働くのではなく自分の為に、命を張るに値する仕事。
一生裕福に暮らせるだけの金が欲しかったのではなく、
『己の力で途轍もない事を成し遂げた』と誇れるだけの仕事が欲しかったのだと思う。
自己破滅的でどんよりした眼をしていたハルキは、
計画に参加してから生き生きと眼を輝かせ始める。
国から追われ、家族も奪われたモモは「国が絡まないから楽しいよ」と微笑む。
似た者同士の幸田と友情のような絆で結ばれてゆく様も良い。
字数の都合で泣く泣く省くが、野田と北川も人間臭くて良かった。
最も複雑だったのは“じいちゃん”。
僕には、彼が息子への罪滅ぼしに最後の仕事を引き受けたように思えた。
彼は金塊に大した興味は無かったのかも……と思わせる一方、
端金(はしたがね)を得る為に息子達を危険に晒してもいる。
彼は、そんな自分が厭だったのだろうか。
終始疲れ切ったような表情が悲しかった。
ハードなアクションや肝心の強盗シーンも見応え十分。
強盗計画に緻密さが足りないという方も多々おられるが、
ガチガチに固めた計画ほど不足の事態には素早く対応できないものだ。
なにがしかの仕事を成し遂げる人というのは、完璧と思える計画を立てつつも、
多少のアクシデントはゴリ押しで破砕するだけの勘と度胸を持つ人だと思う。
ま、それでも金庫室前でのやり取りはノンビリし過ぎだと思ったけどね。
人との距離感は近いのにどこか殺伐とした大阪の空気も映画にマッチしていた。
……ちょっと大阪の街が怖くなったのは内緒の話です……。
<2012/11/11鑑賞>
誰の子なのか?という視点
レビューを読むと
登場人物の掘り下げ浅い、という指摘が多い。
確かに同感。
だから、原作未読とお断りのうえで、こうだったら良かったのにという仮定で
勝手に人物像を掘り下げたので記録に残す。
あくまでも私的見解なので、んな訳ないやろぉな話。
まず、北川(浅野)と弟(溝淵)のぎくしゃくした関係。
金塊を前に北川が幸田(妻夫木)に大人になっておたふく風邪になり子ダネがないと話すシーンがある。
実は、妻は義弟とプラトニックだが不倫をしているのだ。(繰り返すがあくまでも私的見解)
それを気づかずにいる振りで家庭円満に過ごす北川。可愛がる息子が実は弟の子ではないかと、心の奥底で疑っている。
一方で自分を罰したくて手首を切り続ける弟。
妻は、偶然産婦人科の前で幸田に会うと、悪びれる事もなく妊娠中だと話す。
それを聞いた幸田が無意識な部分で嫌悪感を感じて欲しいが
残念ながらそういう画はない。(あくまで私的見解だから
)
だがこれで、葬儀の後「全部無くすと楽だ」と言う北川の妙なあっさりした台詞に、
ずっしり重みを持たせることができる。
ただこの解釈には金塊の前で子ダネの話を聞いた幸田の反応が無さすぎて、成り立たないか。
せめてあそこに、産婦人科前の妻と手首の切り傷を隠す弟の画のインサートがあればなぁ〜。
次に爺さん(西田)と幸田の関係。
実の父の顔を最後まで忘れていたという設定は、まあ解るとして
子供の時教会に放火をし、そのあとの記憶が曖昧な理由が描き足りない。
母親が教会で逢い引きしていたのは、浮気相手だ。
子供の幸田はそれが許せなくて火をつける。
母はそれを知っているが、自分の夫が息子を庇って自首するのを止めない。夫が居なくなる事が都合いいからか?
浮気相手の素性は明かされない。火事で死んでないのか?
3人の写真をきっかけに、「父さん…」と記憶が戻り慟哭する幸田。
写真が記憶が戻るきっかけなら、
せめてこの写真にエピソードが欲しかった。
例えば、
撮ったのが浮気相手だとか。
父は自分の事を浮気相手の子供ではないかと疑っていたとか。
残念ながらこの画もない。
爺さんが幸田に父親似かと聞くシーン。
自分に似ていて欲しいという願いがこもった台詞と思いたいが、余り伝わっては来なかったな
爺さんはなぜモモ(チャンミン)を公安と北の二重スパイに売るのか?
公安がそれほど怖いのか?
ここにもエピソードが欲しかった。
例えば、
妻の浮気相手の持ち物にハングルがあったとか。だから今も誰かれ構わず許せないのだとか。
これは少し飛躍し過ぎてます。すみません。
映画を観てもうひとつだょっていう時は、
制作者への感謝をしつつ
自分設定で楽しみましょう!
テンポよく
予告が気になって見に行きました。
カッコいい役者ばかり集めた感もありましたが
小気味よいテンポといろんな複線を張り巡らして
引き付けるのは流石ですね。
いつも歩いている街をこんなにカッコ良く
撮ってるのもgood。オチが結構早く
わかったのだけが残念。
監督ありがとう!
原作大好き人間としては、期待1/3、不安2/3でしたが・・・。
元作品をこれだけ大事にしたまま映像化していただけるとは、もう、本当にうれしいです。
キャスティングすべてにはじめ「え!!!!!??」でしたが、観終わって、ありがたさに合唱。
すばらしかった。みんなよくやった。
特にモモ役の方が、ほんとうに、良かった・・・・・・・。
幸田役も難しいでしょうが、モモ役というのは、なんとなく実写は無理だろうと思ってました。が、チャンミンさん、すごく良かった。
そして幸田とのやり取りも、抑えめの演出で、それがまた良かった。
中に激しく違和感を感じる絡みがありました。
ミシンを扱っているモモの頭を、幸田がわしゃわしゃっと。
あのワンシーンには、本当に驚きました。ハッとした。
あれは幸田とモモではあり得ません。あり得ないのですが、しかし、井筒監督作品として考えると、というか妻夫木さんだとあり得る。そして、井筒「黄金」の二人のシーンとしてみると、すごく良いシーンでした。
小説新潮に発表された当初の描写に「わしゃわしゃ」が入っていたのでしょうか。たぶん入ってないと思うんですが(妻夫木さんのアドリブだという気がしますが)。
とにかく、本当にうれしいし、また観たいし、何度でも味わいたい、ありがたい作品です。
くどいようですが、監督ほか、制作に関わった皆さん、ありがとうございました。
大阪ノワール
原作は、高村薫のデビュー作。未読。
2人の男達が、大銀行の地下に眠る240億円の金塊を強奪しようと計画するところから始まる。
札束ではなく、金塊というところがミソ。
何で、あんなに重たいものを・・・と疑問を抱くが、劇中で解決される。
強奪のための人集めで、4人の男が集まる。
合計6人。
リーダーの北川。
実行犯の幸田。
システムエンジニアの野田。
爆弾工作員のモモ。
相談役のじいちゃん。
北川の弟で資材調達係の春樹。
これがまた、みんなイケメンなんだな~。
それぞれがそれぞれの役に似合っていて良かった。
皆が皆イケメンでも、嫌味がない。
だから、見ている私も「うまくいきますように!!パンパン!!」と思ってしまった。
金塊に吸い寄せられるように集まる仲間たち。
その過程で各人の過去や背景などが、見えてくる。
個性があり良い。
クールな妻夫木君。
過去と現在の重さを引きずりながら、生きてきたためか、強い。強い。
大阪弁じゃないけど、良かったよ。
リーダーの浅野さん。
意外にも(失礼)貫禄があり、優しくて、良き夫、良きリーダーを好演。
桐谷健太さん。
大阪出身だけあって、自然な大阪弁と大阪の雰囲気を余すところなく出してくれている。
コミカルさが生きている。
チャンミン。
東方神起の名前くらいは知っているが、じっくりお顔を見たのは、初めて。
可愛さと辛さが溢れていた。
後ろの席のオバサン達が、≪もう~~~!可愛い!!ず~~と出ていて欲しかったわ≫と言ってたよ。
溝端クンも若さゆえの突っ走り感が良かった。
西田さんは流石の貫禄充分。
で、金塊強奪作戦。
裏稼業には裏稼業なのか、邪魔者が寄ってくる。
暴力団風の男や謎めいた男。
どいつもこいつも怪しい。
胡散臭い。
目立ってはいけないためか、はたまた、作戦実行が夜のためか、作品を包む雰囲気も暗く沈みがち。
でも、そこへ時々大阪のおばちゃんが登場。
その一言が、場を和ませる。
さすがやわ。
大阪を知っている監督ならでは!、やね。
先行き不透明、閉塞的な今日の生活。
そんな中での、大それた計画。
過去・現在の反逆性。
未来への儚げさ。
6人のメンバーの切ない吐息が聞こえてきそうだった。
ノワール感がばっちり。
でも、前半が少し長かったな。
もう少し短めにして、強奪作戦を早めに実行してほしかった。
舞台となる大阪。
中之島・淀屋橋のオフィス街、梅田の繁華街、吹田の住宅街。
暑い夏。
どれもが、この作品にぴったり。
劇中、北川と幸田が訪れる大銀行は、本当に淀屋橋にある、当時の財閥系銀行の本店だ。
野田が、「出身は神戸やで」と言っていたが、これは大阪の冗談で、本当は大阪出身だよね。
クスクス。
タイトルが好き
タイトルが好きで観た。
原作は知らない、たぶん本の方が面白いだろう。
映画自体はてんぽ良く進んでいく。
男くさい映画だった。
人が良く死ぬ映画だけど、
北野映画とは違う独特な雰囲気がある映画だった。
井筒映画は観たことないが、他作品にも興味が出た。
固定観念は持たずに観るほうが良いのかもしれない
特にこれを観たい!という気持ちで観た訳ではなく、時間の都合上で唯一予告で知っていたためにこの作品を観ました。
何と表現して良いものか…この監督さんの作品はほとんど知らないので系統がいまいち読めないのですが、観終わった後の率直な感想は「……で?」という感じでした。
役者勢は非常に良い演技をしていると思います。それぞれの個性や表情はうまく表現されていました。だからこそ違和感を感じざるを得なかった。
まず、何を目的としてあそこまでの強盗をする気になったのか。でっかいことをしたいという大きな衝動に突き動かされる事も確かにあると思う。しかし途中から、ここまで危険を冒して、あらゆるものの犠牲を払ってまで、彼らを突き動かすものが何なのかさっぱり分からなくなりました。
彼らそれぞれのキャラクターも過去の描写もどことなく曖昧で掴めない。そのためか彼らの行動ひとつひとつが何を意味し、結果彼らが見出したモノが何なのか、簡単に言えば感情移入が全くというほど出来ませんでした。肉親がああも簡単に殺され、あんなにあっさりしていられるものなのか。ハルキの存在、命を失うその寸前まで金塊を持って逃げた幸田の行動。
リアルなようで非現実的で、非現実的かと思えばリアルで。ただただ底知れぬ欲望に突き動かされる。それを求めることにに人道的で真っ当な答えなどいらない。それがこの作品の醍醐味であり、監督の狙ったところなのだとすれば、それはまさしく成功だと思います。
固定観念など拭い去って、リアルとはまた違う世界のリアルでの男たちの欲望への執着を見守る。
好き嫌いがはっきり分かれる作品のような気がします。私個人としてはあまりしっくりくる映画ではありませんでした。
札束より欲しいもの、オレにはある
何でだろう…
井筒監督の作品は期待するとダメなんだよなぁ…
前作の「ヒーローショー」は良かったのに…
原作は未読なので、原作の世界観が出ているのかは不明ですが、本作「黄金を抱いて翔べ」はイマイチ盛り上りに欠けている気がする。決してつまらない訳ではないのだが、チーム強奪もののスカッとするカタルシスが無かった。なんとなく平坦な作品で、登場人物の誰にも感情移入することが出来なかった。前半でもう少し登場人物それぞれの背景を掘り下げてくれていれば、妻夫木聡演じる幸田の涙や溝端淳平演じる北川の弟ハルキにもっと共感できたと思う。
たまに来る爆破シーンには迫力を感じたが、いかんせん思いつきの金塊強奪計画にしか見えなかったし、うまくいきそうに思えなかった。
それに犯人たちは現場に証拠を残し過ぎだ。
浅野忠信演じる北川には感情はないのだろうか?家族や仲間を亡くしてもそれほど悲しそうじゃない。それどころか「ひとりになってみると意外にせいせいする」なんて言ってるのだ。そういうキャラ設定なら仕方ないが、この男には札束より大切なものは無いように感じてしまった。
ゴッド・ファーザーのマイケル・コルレオーネの台詞「家族を大切にしないヤツは―男じゃない―」を座右の銘にしている私には北川のキャラがどうしても馴染めなかった。
どんなに金塊や札束を手に入れたところで家族を失ってしまったら虚しいだけだと思うからだ。
そう感じることが正しい映画だとしたら、井筒監督の術中にハマっているのだが…
余談ですが、安室の曲カッコいい
切なくておもろくて泣けた
イケメンキャストを目当てに観に行ったのが申し訳なくなるくらい、俳優陣の意気込みを感じた作品だった。
暴力シーンが結構あったが、6人の男達の行き場のない気持ち、憤り、絶望感、それでいて もてあましている内に秘めたパワーを表現するには必要なシーンだと思った。
どうみても、かないそうにない相手にやられても血みどろになりながらもやり返すシーンにそれを感じて、後半の計画実行のシーンのころには、この作戦を成功させてあげたいという気持ちになっていた。
ボロボロになりながらも黄金へと向かう幸田(妻夫木)の姿にはせつなくなり涙がとまらなかった。
後半はかなり緊迫したシーンもおおいが、舞台は大阪。
余計なおせっかいをやく大阪のおばちゃん、べたなギャグをいう端役や主役達。
「こんな場面でそれかいな?」とつい吹き出してしまうシーンや台詞に救われもした。
キャスティングは皆はまり役だったと思う。
幸田(妻夫木)北川(浅野)野田(桐谷)はさすがの存在感。
爽やか系イケメンのイメージが強かった溝端(春樹)チャンミン(モモ)には良い意味での意外性を感じた。
よくをいえば原作をよんでいないと彼らの背景にあるものがわかりづらい部分があったのが少し残念だった。
試写会は女性ばかりだったので男性の感想をききたいと思った。
全17件を表示