劇場公開日 2013年3月16日

「システムも映画も完璧ではなかった」プラチナデータ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0システムも映画も完璧ではなかった

2013年3月25日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

“プラチナデータ”と呼ばれるDNA捜査の導入で犯罪摘発率がほぼ100%となった日本。
ある殺人事件が起こり、“プラチナデータ”が断定した犯人は、システムの開発者、神楽だった。
無実を訴え逃げる神楽。
やがて“プラチナデータ”に隠された衝撃の真実が明らかに。そして真犯人は…?

東野圭吾の小説の映画化。
まるでハリウッド映画のような題材。
日本映画にもスケールが出て来た。
とは言え、アクション面ではまだ見劣りする。
そこは、ドラマ面でカバー。
“プラチナデータ”の真相、真犯人、神楽の秘められた過去…。
最後まで飽きずに楽しめるサスペンス・エンターテイメント。

現在もDNAによる犯人の特定は導入されている。
DNAはその人間を成すもので、最大の決め手となる。
しかし、一人一人のDNAがデータ化されるとなれば話はまた別。
個人情報漏洩どころではない、究極の管理社会。
それはもはや脅威であり恐怖だ。
運営側に思惑が無くならない限り、システムの導入は永遠に不可能だろう。絶対に。
一応これは映画の話。
だが、DNAに束縛されて何もかも固定化されるのはご免だ。
ヒトの意思はDNAを凌駕すると信じたい。

二宮和也は複雑な役柄を熱演。
杏、水原希子らフレッシュな女優が華を添える。
若者ウケしそうな面々の中で、豊川悦司が場を引き締める。
上々のエンターテイメントだったが、この映画には致命的なミスが。
それは、予告編。
話の肝でもある神楽が○○○○という事をネタバレしちゃっている。
真犯人も、消去法や中盤までの展開で、アノ人だろうと大方予想ついてしまう。
完璧ではない“プラチナデータ”に因んで、映画も完璧ではないという事で(笑)

余談だが…
映画内の場所を示すスーパーが、英語と日本語の両方で表示されるが、わざわざ訳すくらいなら日本語だけでイイじゃん、と思ってしまった。

近大