「平凡て全力で作り上げるもの」その夜の侍 ミツマメさんの映画レビュー(感想・評価)
平凡て全力で作り上げるもの
何気ない会話がある平凡な毎日を突然奪われた主人公が犯人への復讐心を胸に鬱々と過ごしている。
工場で働く堺雅人は周りの仲間の心配をよそに何時までも妻を失った悲しみから立ち直れない。
5年も机に遺骨を置いてその前で妻の最後の声を聞きながらごはんを食べる。それなのに殺した当人はなんとなく毎日を過ごしている。善人と悪人の対比の描き方が秀逸。
相手を殺して自分も死ぬと予告した妻の命日、包丁で刺し殺そうとしたができない、善人に人を殺すことは出来ない。相手に殺されようとするがそれも叶わなかった。それでもやっとその日から妻の声の録音を消し、プリンを、食べたらダメと言われた言いつけを守ることが出来た。やっと少し前に進めた堺直人にエールを送りたい気持ちになりました。
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