ヘルタースケルターのレビュー・感想・評価
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男性と観ると超地雷かな(苦笑)
ただただ自分を虚栄で着飾るだけが、幸せの目標を掴む手段と信じて止まない人間の『欲望』の物語でしょう。
この映画、特にまだ関係の浅い意中の男性誘っていくと「きみもこんなひと?」とガッカリされるかも。要注意ね。
表面上は無駄のない均整のとれた「理想的な美」なのでしょうが、中身の全く伴わないその様相からは、終始吐き気を催すほどの『醜さ』しか感じられなかった…。
映像や音、セリフや情景なにもかもがコテコテでギラギラで重くキツすぎる…。
チャラチャラとした人間達の浅はかさといい、豊かな精神や感情をみんな忘れてしまったの?と、この国の行く末が益々暗いものになっていくような不安と不快感に襲われます。
ここまで人間の底無しの欲望だけをストレートに延と見せつづけられると、そこから自分達自信でどう考えようが受け取ろうが自由だよ。と、言いたいんでしょうね。
途中でりりこと検事が水族館で会話するシーンがあるけど、背後で游ぐ魚の群れが「誰かの流れに群れなす群集・日本人」を連想してしまった。
楽屋でりりこのアザをメイクで隠すシーンで「マイケル・ジャクソンのメーキストになれるな」ってセリフがありますが、虚栄のためだけに整形したりりこと、MJを同一視点でとらえたところも疑問。
MJ は金のための道具にしかとらえなかった父親と同じ血や顔を持つ自分への否定の形だったのだから。
唯一救えたのは検事の最後のセリフかな。
それまでオシキセずにストレートに話を淡々と描き、最後にだけさりげなく製作者からのメッセージにしたかったのかな。
寺島しのぶで最後まで
冒頭の沢尻エリカのつかみは良かった。
話が進むにつれ、シリアスなのかコメディなのか、どういうふうに観たらいいのか分からなくなってきた。
せっかくいい音楽も使う場所を間違ってるシーンが多く感じた。
大森南朋など、どのようなキャラクターなのか最後まで?だった。
寺島しのぶ目線のコメディ映画として観るのが一番正しかったような気がします。
あまりのヘタさに笑ってしまう濡れ場
芸能プロダクションがスターの卵を見分ける基準はなんだろうと考えたとき、それは顔とかスタイルとは限らないのではないか。見えるものではなく、内面の輝くもの、あるいは飽くなき闘争心に目をつけるのではないだろうか。芸能プロの仕事とは、卵となる人間の本質を導き出し、内面にある輝きを引き出すことだと思う。
スターは創りだすもの、この作品からは、そういう一面が見て取れる。
何度も何度も出てくる、りりこの部屋。その開け放たれたままの扉の向こうに見えるのは、現実と夢が渾然とした虚構の世界だ。
1枚1枚の画からは、そう窺える。
けれども、それらが紡がれて動画となったとき、映画としての魅力は乏しい。
だいたい、こんな色気のない桃井かおりと寺島しのぶを見たのは初めてだ。桃井かおりのねっとりと肌に絡みつくような色気や、素朴さの中にそこはかとない色気を醸し出す寺島しのぶはどこへ行ってしまったのだろう。
男女の絡みも、沢尻エリカは喘ぎ声をあげるだけ、窪塚洋介もヘタクソなAV男優のようで、濡れ場の“ぬ”の字もない。「さくらん」から進歩がなく、蜷川実花監督に色事は向いていそうにない。「さくらん」は沢尻エリカと違って自分をプロデュースできる土屋アンナが主役を張っていたから見られたのだ。
そして、途中からは某大型店とのタイアップをもろに見せられたような気分になり白けてしまう。
ファッション系のコマーシャル・フォトとして見たら、主演の沢尻エリカよりも「ノルウェイの森」でも瑞々しさを放っていた水原希子のほうが魅力的だ。
この作品の内容に触れたテキストを見ると、『(ある事件を巻き起こし)芸能界を、東京を、日本中を、スキャンダラスに、めちゃくちゃに疾走する。』とあるが、観終わってみれば、そんな大層なことはない。
まだ続くのかと、のらりくらりと引き伸ばされた終盤は、まるで歯切れが悪い。その割には、タダでは起きない女のしたたかさが出たラストシーンはよかったが・・・。
気分が悪くなりました。
この監督は映画を撮るのには向いてないと思われます。
一つ一つの場面を写真にするならばよいと思うのですが、映像となると色使いが派手すぎます。途中で目の奥が痛くなり、気持ち悪くなってしまいました。体調が少しでも優れぬ方は観にいかないほうがよいです。私はしばらく動けなくなりました。
沢尻エリカ初見
ストーリーが面白そうで見に行きました。
沢尻エリカってやっぱり上手いんですね。
あれだけの役に入り込んだら確かにクランクアップしたらへとへとだろーなー、って思う。
普通に暮らしている自分としては、芸能界の裏側の世界が超別世界。
朝日芸能ネタ満載でどこまでほんとにそんなことがあるのかわからないけど…。
あと、映像も個人的に全体的に好きです。
気に入りました、この映画。
たぶん「映画」じゃない。
蜷川実花監督・沢尻エリカ主演ということで観に行った。
艷やかな衣装に身を包む沢尻エリカの微笑みは不思議な引力をもっているのだと思う。
原作は読んでいないけれど、沢尻の他にこの作品の主演をはれる女優はいるのだろうか?と、そう思わせるほどに極彩色のなかで美しく堕ちていくその様はハマっていた。
でも、思った。
になみか、エグいよ。
性的描写からR15付いたんだろうけど、個人的には18禁にしてもいいんじゃないかって思った。そのくらいある意味でエグい。
女同士だからここまでできるの?
127分、蜷川実花world全開。
1コマ1コマどこを切り取ってもそれは美しい画として成立する。
ただ、映画じゃない。
ストーリーとしての映画では、決してない。
話題性はバツグン
決してエリカ様のファンでもなんでもないが、
見てみたかった作品。
原作は昔に読んでいて、エリカ様が主演じゃなければ決して見なかったであろう。
率直な感想は、やはり写真を撮っている人が映画を撮るのは無理があるのでは…
1シーン、1シーンは蜷川ワールドを感じられ、とても綺麗ではあるが、
それを映画として見た時、いかがなものかと…。
話題性には十分に貢献していると思うが、他の監督が撮ったらどんな映画になっただろうかと多少なり思う。
退屈な映画だったということが最終的な感想。この内容で127分は必要あったのか。
個人的にはメリハリがもっとあったらもう少し刺激的な映画になったと思うが…
キャストはよかっただけにとても惜しかった気がする。
ただ、エリカ様はやはり可愛かった。
過激さは上辺だけ。内容は至ってオーソドックス
伝説のコミックが原作らしいけど、未見の人間には、全然オモロないの一言だった。
エリカ様のゴシップありきの宣伝が先導しているから、彼女の脅迫観念が白々しい。
第一、カリスマに崇められるほど美人なのかな?
スキャンダラスな部分は生々しくて存在感があったが、彼女に主人公の様なトップアイドルやセックスシンボルを重ね合わせるのは、どうしても無理がある。
下品なだけで綺麗でも何でもない。
彼女の魅力が一切理解不能。
悪態ついてワガママ言いたい放題で、マスコミから集中砲火浴びてる姿は確かに画になるけど、ダークサイトが独り善がりやから直ぐに冷める。
エリカ様は実際、ビューティーサロンのCM出てたんやから、整形手術失敗するキャラはNGなんちゃうの?
オッサンのお節介やろか?
銭払ってキチンと観れば堂々と悪口云えると思って、いざ出陣したんやけど、ボロクソにこき下ろすほどの価値も見応えも無いねんなぁ…。
彼女より、マネージャーの寺島しのぶや社長の桃井かおりetc.周囲の女性陣に味が有る。
ライバルの水原希子の方が睨みが可愛らしくて様になっていたので、むしろ彼女がリリコ演ったら良かったのに。
それを言っちゃオシマイやね。
オシマイでもイイや。
では、短歌を一首
『宝石を 千切り瞬く 毒アゲハ 波紋滴る 蜜のひび割れ』
by全竜
美しいことと、幸せは別物
美を追求し、全身整形によってスターダムにのし上がったリリコの狂気に満ちていく様は、あたかも「ブラック・スワン」を思わせる。女性監督らしい美しい色彩とファッションで魅せる2時間。リリコを演じる沢尻エリカの(露出度的にも)身体を張った演技、脇を固める桃井かおり、寺島しのぶ、大森南朋といった実力派の面々。
しかしながら「ヘルタースケルター」のタイトル通りストーリー的にも"ヒッチャカメッチャカ"である。
見所を聞かれたら、エリカ様の裸と無駄にあるラブシーンとゴージャスな色使いだろう。美しいものを見たい人にむく映画なのかもしれない。ワンカットずつ見るには画的に綺麗だし良いのだけど、映画として観た場合それはどうだろうか。写真家の監督の悪い面が出てしまったのではないだろうか。原作は未読なので、原作のトーンが出ているかは不明だが、少なくとも映画としては?が付く。
こういうキャラで固定されていってしまう沢尻エリカは可哀想な気がする。女優としての可能性を潰して欲しくない。「母なる証明」「アジョシ」で見事演技派に変貌したウォンビンのように、きっとまだまだいろんな役が出来るはずだと思っている。
存在感と普遍性
沢尻エリカはスキャンダルだ。
その沢尻エリカが、どんな演技をするのか?
もっと突っ込めば、どれだけセクシーな演技を見せるのか?
そういった第1の欲望は・・・
はじめの15分で満たされたといっていいだろう。
りりこはためらいなく、男と寝る。
過激ともとれるセクシーな映像が迫ってくる。
第2の理性的欲求は・・・
そこに訴えるものは希薄だったと言わざるをえない。
現代の消費社会の欲望の餌食になってばかり。
りりこはそのなかで苦しむが、
それを否定しない。自分自身を否定するものになるから。
第3の普遍的欲求は・・・
りりこが妹と会うシーンがある。
ここに沢尻エリカとしての人間的な顔を見せていたなら
と思う。そこにみんなを納得させるチャンスがあったのに。
みすみす、逃してしまったと思った。
かなり、分析的に書いたのだが、
これは監督の蜷川実花によるところが大きいとは思う。
でも、沢尻エリカは作品に出演するのは自分にあっているか
どうかであって、自分が決めると言っている。
だから、ふたりのコラボレーションなんだろう。
それにしても惜しい気がする。
その演技力は映画「手紙」で十分発揮されていた。
この「へルタースケルター」は復帰1作目として、
沢尻エリカがどんな方向に行くのか、ひとつの方向を
見せたとおもうが、別の方向もみせてほしいと思う。
いろんな可能性をもっていることは確かなのだから。
Art of 番町皿屋敷、若干ホラー映画っぽくも楽しめる
原作コミックなど一切読まず状態で鑑賞。
キレイめな 番町皿屋敷ってトコでしょうか?
毒々しいギラギラな画面に、魑魅魍魎が右往左往。
ぬりかべのような鈴木杏、ぬらりひょんな寺島しのぶ、濡れ女を思わす桃井かおり
蜷川“セブン・ライツ”実花が撮ると、『妖怪大戦争』もこんな風に仕上がるのかって感じ
いや、ぜんぜん褒め言葉としてですよ、勘違いなく。
レファレンスの、誘惑
「さくらん」で、その独自の色彩感覚と人間描写に高い注目を集めた蜷川実花監督が、「クローズド・ノート」の沢尻エリカを主演に迎えて描く、一人の女性が辿る栄光と、挫折の物語。
カメラの業界を内側から覗いていると、毎日が驚きの連続である。コンビニで売っているような、ごくありふれた鮭おにぎり。その見慣れた一品に、白のレフ板と呼ばれる反射板を当て、ライトを当てる。
その瞬間に、ノリは柔らかい輝きを放ち、艶を持ち、どこかの一流店でみられるような「おしゃれ」おにぎりへと変貌を遂げる。うまそう・・つばがでる。でも、レフ板を外した瞬間、それは再び「いつもの」おにぎりへと戻っていく。
変化は決して奇跡ではない。ちょっとしたはずみで、輝きはモノに、人にまとわりつく。
この物語は、芸能界という一つの特殊な世界に身を置く一人の女性の顛末をテーマに描かれている。「全身整形という奇抜な環境の中で朽ちていく人間の悲しみ」この視点だけで本作と向き合うと
「はあ・・・芸能界って、大変なのね。まあ、沢尻はきれいだったから良かった良かった。帰りにハンバーガーでも買って帰ろっと」
で終わってしまう。だが、「整形」という究極の美容手段を「化粧」なり「ダイエット」という身近な美容に結び付ければまた、話は別である。
初めてつけた、赤い口紅。一枚のレフ板のお陰で突然輝いた自分。「私・・きれい」そう思った瞬間に、人はそのレフ板を手放せなくなる。変化した姿を「いつもの」私に戻したくない。口紅一つとっても、本作で主人公がたどる絶望、疑惑、転落への入口は大きく口を開けて私達を手招く。
いつもの派手派手しい色彩感覚を撒き散らす蜷川演出に注目が集まる本作だが、実のところ物語の軸を支える力強さは、現代の空虚感、空っぽな違和感を時代に寄り添う言葉で描き切る俊英、金子ありさの脚本がもつ力にある。奇抜な設定を活かしながら、美へ執着という観点でするりと観客への鋭い批判と忠告を挟み込み、娯楽へと昇華する。流石の職人技といえる才気を感じる一本だ。
男もにやつくエロ描写もふんだんに盛り込みながら、深夜やら早朝やら、ウェブやらでぶちまける「あなたも、変われる!」テロップに対して、「・・変わった後は?」と静かに自問自答する賢さが身に付きそう。レファレンス(反射)板の誘惑は、他人事ではない。
「変わったのは分かったわ・・・どこまで変わるつもり?」そんな意見を友人に言える貴方を作ってくれる作品では、なかろうか。興味深い作品である。
疲れるわ。
違法クリニック告発パートが,
りりこの葛藤を邪魔している印象。
ドラマ性も弱くて物足りなさが残るが,
それら消化不良を補う沢尻エリカの存在感が見事。
傲慢と儚さを同居させた強烈な生命力を画面に焼き付けていた。
使い捨ての世界にしがみつき君臨し続ける彼女の姿は,
未来永劫に変わらないであろう
内面そっちのけで見た目の虚飾に邁進する社会の本質に迫っており,
堂々巡りの溜め息に溢れかえり,
どっぷりと疲れた。
久々の女優・沢尻エリカ
このスキャンダラスな内容の監督と主演に蜷川実花と沢尻エリカはぴったり。
蜷川実花が、全身整形のトップモデルの栄光と破滅を、「さくらん」同様極彩色豊かに鮮烈に描く。
それに応えるように、りりこは沢尻エリカしか考えられない!と納得させるほどの強烈パフォーマンス(怪演?)。りりこの叫びは沢尻エリカ本人と被り、真に迫るものがあった。
女の性と欲と貪欲に追い求める美をきらびやかに描きながら、弱肉強食の芸能界の光と闇を赤裸々にも描き、戦慄すら感じた。
前半のりりこの破天荒な姿に対して、後半はりりこの精神崩壊なのだが、急に迷走し、少し伝わりにくく感じたが、全体的に見れば思ってた以上に良かった。
脇を固めた実力派の面々も好助演。(この人たちの支え演技あってこそ、沢尻エリカも熱望出来たと思う)
まるで性格の悪いレディー・ガガのような決して好感の持てる役柄ではないが、久々に沢尻エリカは魅力的に見えた。
やっぱり女優してる時が一番イイ。
ちょっと長いかな?
一足お先に試写会にて。期待通りの蜷川ワールド&沢尻さん見直しました。音楽は上野さんなんだ~と思っていたら「蛹化の女」!作品にも合っていますが個人的にツボでした。関心の有る方は、ぜひ劇場へ。そういう作品です。ただ、あと20分くらい短くても良かったのでは?
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