「L.A. ギャングランド。」L.A. ギャング ストーリー ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
L.A. ギャングランド。
いきなりナンですが、「ゾンビランド」は面白かったなぁー。
未だに内容を覚えているなんて、記憶に残るユルさゆえか^^;
えー!でまたどうして今作の監督なの(マジで驚いたんですが)
まさかL.A. ギャングランドじゃないよねぇ?なんて思いつつ。
色々やってみよう!っていう監督サイドの熱意は感じられるし、
今作も私はけっこう面白かったクチでして。
正統派ギャング映画、なるものが古くは40年代に遡るとゴロゴロ
あるけれど、今作は実話ベースでもかなり脚色されてますよねぇ。
アンタッチャブル、が近い方かなぁーと私的には思いましたが…
そもそもM・コーエンって、もっとずんぐりなオッサンで(ホントに)
S・ペンの方が、顔だけで100倍は怖い^^;
真の悪者ってどうも見た目は惑わす顔してますね、ギャングでも。
ベガスを有名にした「バグジー」は随分の色男でハリウッドも顔負け、
'91年の映画では同じく色男のW・ベイティが後の妻A・ベニングと
共演、この時のコーエン役はH・カイテルだった(この人も怖顔か^^;)
なのであんまりコーエンに対しては興味がなくて…(スイマセン)
しかしその後のロサンゼルスを牛耳ったのが彼だったことは有名。
(彼の逮捕後の血の抗争を描いたのが「L.A.コンフィデンシャル」)
政治も警察も総てが彼に買収されているような中で、どうやって
彼をしょっ引くか(汗)が、問題なんだけど、普通じゃムリよ!って
ことで、当時の市警本部長から密命が下される。それがいわゆる
「目には目を」作戦というか、もう警察バッジなんて外しちゃってさ、
ギャング顔負けの闘いを挑んでやっつけちゃってくれ!っていう、
あまりにご無体なご命令。それでも正義感の強い(これ正義なのか)
警察官(といってもはみ出し者ばかり)6人が集って抗争を仕掛ける…
という、聞いてるだけならとっても面白そうなお話。
でもこれ、自分の亭主に下された密命なら絶対にイヤですねぇ!
バッジを外しているから、殺されたって何の保証もないワケだし、
結局そういう仕事は名もない連中が担い、褒賞を受けちゃうのは
やっぱり上層部。っていう、分かり切った構図がのたまう世界。
どこの会社でも同じかもしれないけど、お父さん、どんだけのこと
を成し遂げたか(劇中でもあるけど)息子には教えてあげませんと。
それにしても…。
あちこちで繰り広げられる銃撃戦、けっこう迫力ありましたねぇ。
あれだけドンパチ☆して弾に当たらないってのもご愛嬌だけど^^;
主人公が死んじゃったら意味ないし、おそらくコイツは殺され
ちゃうんだろうなぁ…のところで、予想通り仲間が殺されていき。。
最後はヤツとの一騎打ち。とはいえ、コーエンって元ボクサーに
なり損ねた奴だから腕っぷしが強いのね。ムカつくのは、だったら
何であの時グレイスを逃がそうとしたジェリーの友人(名前忘れた)
に対して、銃弾を浴びせたんだ?私的にあの人が一番時代相応の
顔してたんで、良かったんだけどなぁ^^;'40年代の雰囲気だったし。
盗聴器仕掛けるのも、昔は大変だったのねー。でもあれでけっこう
音声がちゃんと拾えてたんだなーと(そういや昔のスパイ物がそうか)
色んな部分で古臭く、とはいえ話の流れや各キャラの佇まいは割と
現代風…という、ミックスだらけの不思議な味わいの物語。
主人公・オマラの妊娠中の婦人は大したもんでしたね。
血糊がべっとりついた廊下を見た時は…あぁ!!って思ったけど、
おぉ!そうきたか!!と、あの場面ではホントにホッとしましたわ。
リアルを追求したらこうはならなかった?ノリのいいドラマ。
ドキュメンタリー性を望むなら実録を観た方がいいけど、ギャング
映画にはこういうドラマ性が加わらないと、辛くて観てられないわ。
なので私的にはとっても面白かった作品。ラストもホッとするしね。
(しかし恐ろしい男がいたもんだわ。日本のどの悪党レベルかしら)