「公開終了間際、観てきました。」シン・エヴァンゲリオン劇場版 ひかりさんの映画レビュー(感想・評価)
公開終了間際、観てきました。
良かった。
構造的には旧作の造り替えなんだけど、
下手に旧作との物語としての直接的な関連はなくて新劇場版の世界としてちゃんと独立したストーリーになってたのが良かったです。
だから今作でのアスカはこういう設定なのね、と素直に納得できたし。旧作からのファンに強烈に時間の経過を感じさせていて、そこら辺が感慨深かった。
旧劇場版は最終的には自分と向き合いつつの母親との邂逅なんだけど、今回はそこのリフレインにならないように徹底的にシンジとゲンドウを向き合わせていました。結局今まではっきりとはやってこなかった部分だから長年の心のつっかえが取れました。
旧劇場版でのシンジの心理を開始40分で乗り越えさせて、同じハマり方をしているゲンドウとぶつけるのは良い変化。
実際エヴァに乗る乗らないみたいな部分に関して言えば破で終わらせているので、立ち直りが早かったのもある程度納得できます。
尺の都合で今回も一気に覚悟決まりすぎてる感はあるけど笑
14歳が一気に28歳に成長してましたね。
旧作だとTVも映画もゲンドウの思惑は最終的に一個も達成されていないのですが、今回は多大な温情がかかけられていました。
庵野さんも歳をとったんだな、と思います。もちろんいい意味でね。
むしろ丁寧すぎるぐらい一個一個の物事を説明と消化をしてて、庵野さんにしてはかなり商業的に作ってると感じました。思えば新劇4作は最初から明確にエンターテイメント性を強くしてましたね。
ちょっと残念だったのはエヴァの戦闘シーンが新劇場版で回を重ねるごとに3DCG感が出過ぎてて、ふと冷めちゃう瞬間があるところ。
終盤の背景をわざと特撮セットにしてエヴァ本体の動きのアニメ感の無さを薄めようとしてるんだけど、若干ゲームとかMMD作品見てるようなチープさを感じて笑ってしまいました。
裏宇宙で13号機が待機してる姿がカヲルくん初登場ポーズで、ゲンドウ≒カヲルを印象付ける遊びなんだろうけど、ゲンドウさんそんなポーズします?な部分も地味にツボ。
終盤の連続で槍にブッ刺さるシーンは多分わざと笑わせに来てる。
あと全編通して冬月先生が超人すぎますw
L結界の中で生身でギリギリまで耐えてたのもだし。
Qの時からずっとヴィレの人達が100人単位でなんとかやってる作業を全部一人でやってるよね。
振り返ってみると4作品通して綺麗にまとまってるいい作品でした。と同時に、旧劇場版があれで完璧に完成された作品だったと再認識。
新劇場版はなんとか同じにはしないように頑張った結果、清涼感のある作風になったのかも。
所々に散りばめた旧作っぽい構図は物語上の意味はそんなに無くて、単純にファンサービスなのかな。
なので最後の駅のシーンも漫画版のオマージュでありオマケなんだと思ってます。
マリのモデルは多分やっぱり庵野さんの奥さんなので、そこは自分にサービスしたのかな笑