ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日のレビュー・感想・評価
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絵本の様なファンタジック・サバイバル
兎に角3Dの美しさは半端でなく、幻想的で宇宙的、海の中から宇宙に飛んだり、動物がりアルに見えて夢の世界に誘われるようです。物語はベンガル虎と海に投げ出された青年が、虎と対峙しながら生きる希望を失わずに知恵を駆使して筏を組んだり、食べ物を確保し漂流する姿は凛々しい。虎と宗教があったから生きられたと後に語っているメキシコにたどり着いた時、虎が後ろを見ずに野生に帰っていく姿は印象的でした。でも虎が海を泳げるのを初めて知りました。
何といっても映像が素晴らしい!
物語はご存知の通り。
船が沈没して虎と主人公のパイが救命ボートに乗り込み生還してきたというお話。
パイの回顧録で始まるこのお話。
本当の話かどうかは聴く者次第、ってことなのですが、まぁー、ウソかまことかは別として救命ボートに乗り込む動物も虎だけではなく生存競争の厳しさを見せつけられます。お子様には夢も希望もないかも…。
パイと虎との交流や途中に出てくる無人島の小話とか、興味わくネタはイロイロ散りばめられています。
それはそれで面白いですが、何といっても映像が綺麗でワンダフル!
予告で光り輝くプランクトンめがけてクジラが舞い上がる美しいシーンに釘付けになりましたが全編これ美しい映像のオンパレード。
確かに、ジェームズキャメロンが褒めちぎったのは納得。
映画館で3Dで観ることを絶対にお薦めします。
リチャード・パーカーは事実か、メタファーか。
いやあ、久々に上質な3D映像体験が味わえました!ひょっとしたらアバター超えてるかもしれませんね。
昨今の無駄なコンバートで料金値上げしちゃって大した効果もないのに何でわざわざこれ3Dにしちゃったの?意味あった?的な映画とは確実に一線画してますですよ。段違い!
もうね、兎にも角にも美しいんですよ!綺麗!そして美麗!
何なんでしょうか。
とてもCGで表現されてるとは思えないぐらいに生々しく躍動的な動物達とかね、観てて本当素晴らしいス。
虎が暴れて、オランウータンは脅え、ハイエナは狡猾で、シマウマは死亡フラグ、時々魚群が通り過ぎ、おまけに大繁殖のミーアキャット。
本当によく動くし超リアル。
そしてそして、そしてですよ!
目を奪われるぐらいに透き通りきらめき、ため息が出るほどに圧倒的な自然描写、自然現象の数々。
海面に映し出される星空。
トビウオの大群。
光輝く水面。
海上に突如そそり立つ鯨。
荒々しくも神々しい嵐の夜。
これだけで3Dで観る価値充分あるでしょう。
あとストーリー展開も嫌いじゃなかったです。
現在進行形ではなく、過去の『虎と227日間漂流した』エピソードを聞き手に語り聞かせる回顧録的展開というか。
一見胡散臭い(?)おじさんが突飛もない話するもんだから大分眉唾モノではあるんですがwでも惹きこまれるというw
でね、基本的には大満足なんですが、ちょいと自分的に残念だったのがラスト付近辺り。
この虎との漂流譚が事実かどうかを聞き手、つまり観客側に委ねちゃうワケですよ。
「君はどっちが好き?」と来ちゃうワケ。
ここが個人的には「ええっ?うそーん!」ていう。
「そこはいいよ別に!事実です!で」的なね。
原作でも重要な部分らしいんですけども…。
まあね、でも!自分は虎の話を信じますけどね!
アナタはどっちを信じますか?
その答えは劇場で!的な。
生と、神と、リチャード・パーカー
嵐で船が難破。少年パイはボートに乗って助かるが、そのボートにはトラが。食う者と食われる者、大海原を共に漂流する事になった運命は…?
アジアの名匠アン・リーによる壮大な映像叙事詩。
とにかく映像が素晴らしい!!
ファンタジックでもあり崇高なドラマでもある作品世界に引き込まれる。この感覚はハリウッドの監督には出せないだろう。
数奇な物語と深遠なテーマ、美しい映像と冴え渡る映画技術…なるほど、オスカー11部門ノミネートも納得だ。
物語は回想形式で綴られる。
インドで過ごした少年時代、神への深い信仰心…。
家族でカナダに移住する事になるが、乗った船が嵐で沈没し、一人だけ助かり、信じがたい漂流生活が始まる。
状況は絶望的だ。周りは海、助かる見込みは薄い。
しかも、漂流相手が自分を食おうとしている。
だが、その恐怖心が皮肉にもパイに精神的な支えと生きる活力とサバイバル能力を与えていく。
食糧が底をついた時、トビウオの群れと遭遇する。さすがに諦めかけた時、不思議な浮島に漂着する。この世と思えない幻想的な光景を目の当たりにしたり、再び嵐に飲み込まれそうになったり…試練を与え、休息を与え、生きる力を与え、神の御業と存在を感じずにはいられない。
パイにとっても、トラはかけがえのない存在になる。
でも結局は動物と人間、食う者と食われる者、心が通じ合う訳でもない。
パイの父の生前の言葉が重く響く。「トラは友達じゃない」
それは確かだが、生きる為の相棒であった事は事実だ。
決しておセンチな話にならない描かれ方が好感。
神と、心が通じないかけがえのない存在が、自分を救った紛れもない生へのドラマ。
深い余韻が残り、魅了される。
一つ欲を言うならば、僕の住んでる町では3D上映で無かった事が悔やまれる!
人生は航海である。
すごい物語。
227日の共存
信じるか信じないかは貴方次第です
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