劇場公開日 2013年1月25日

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「可もなく不可もなく、ある意味予想通りのデキ」ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0可もなく不可もなく、ある意味予想通りのデキ

2013年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

主人公は16歳の少年・パイだが、現在の成人したパイを演じるイルファン・カーンによる甘く落ち着いた語り口が耳に心地いい。

貨物船が嵐に遭遇したというだけで、なぜ沈没に至ったかは説明がないが、救命ボートに少年とトラが乗り合わせた経緯は無理がない。
幼かったころのパイにトラに対する恐怖心を植えつけたエピソードも効いている。
ただ227日にも及ぶサバイバル漂流は意外にあっさりしていて平坦だ。たとえトラがいなくても生命の危険が勝るはずだが、光り輝く美しい映像が多くを占める。つくづく、アン・リーという監督はロマンチストな人なのだと感じる。それは温かみのあるエンディングにもよく顕れている。

さて、大人のパイがこの映画の原作者と思われるカナダ人のライターに自身の経験を話し終えるラスト、パイはもうひとつの物語を語り始める。パイ少年の体験談の真実はいったいどこにあるのか? その答えは人それぞれの受け止め方でいいと思う。アン・リーのようなロマンチストになるか、それとも日本人の保険調査員のように現実的にものを見るか、性格占いのようなものだ。

マスター@だんだん