「リチャード・パーカーは事実か、メタファーか。」ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
リチャード・パーカーは事実か、メタファーか。
いやあ、久々に上質な3D映像体験が味わえました!ひょっとしたらアバター超えてるかもしれませんね。
昨今の無駄なコンバートで料金値上げしちゃって大した効果もないのに何でわざわざこれ3Dにしちゃったの?意味あった?的な映画とは確実に一線画してますですよ。段違い!
もうね、兎にも角にも美しいんですよ!綺麗!そして美麗!
何なんでしょうか。
とてもCGで表現されてるとは思えないぐらいに生々しく躍動的な動物達とかね、観てて本当素晴らしいス。
虎が暴れて、オランウータンは脅え、ハイエナは狡猾で、シマウマは死亡フラグ、時々魚群が通り過ぎ、おまけに大繁殖のミーアキャット。
本当によく動くし超リアル。
そしてそして、そしてですよ!
目を奪われるぐらいに透き通りきらめき、ため息が出るほどに圧倒的な自然描写、自然現象の数々。
海面に映し出される星空。
トビウオの大群。
光輝く水面。
海上に突如そそり立つ鯨。
荒々しくも神々しい嵐の夜。
これだけで3Dで観る価値充分あるでしょう。
あとストーリー展開も嫌いじゃなかったです。
現在進行形ではなく、過去の『虎と227日間漂流した』エピソードを聞き手に語り聞かせる回顧録的展開というか。
一見胡散臭い(?)おじさんが突飛もない話するもんだから大分眉唾モノではあるんですがwでも惹きこまれるというw
でね、基本的には大満足なんですが、ちょいと自分的に残念だったのがラスト付近辺り。
この虎との漂流譚が事実かどうかを聞き手、つまり観客側に委ねちゃうワケですよ。
「君はどっちが好き?」と来ちゃうワケ。
ここが個人的には「ええっ?うそーん!」ていう。
「そこはいいよ別に!事実です!で」的なね。
原作でも重要な部分らしいんですけども…。
まあね、でも!自分は虎の話を信じますけどね!
アナタはどっちを信じますか?
その答えは劇場で!的な。