「生と、神と、リチャード・パーカー」ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
生と、神と、リチャード・パーカー
嵐で船が難破。少年パイはボートに乗って助かるが、そのボートにはトラが。食う者と食われる者、大海原を共に漂流する事になった運命は…?
アジアの名匠アン・リーによる壮大な映像叙事詩。
とにかく映像が素晴らしい!!
ファンタジックでもあり崇高なドラマでもある作品世界に引き込まれる。この感覚はハリウッドの監督には出せないだろう。
数奇な物語と深遠なテーマ、美しい映像と冴え渡る映画技術…なるほど、オスカー11部門ノミネートも納得だ。
物語は回想形式で綴られる。
インドで過ごした少年時代、神への深い信仰心…。
家族でカナダに移住する事になるが、乗った船が嵐で沈没し、一人だけ助かり、信じがたい漂流生活が始まる。
状況は絶望的だ。周りは海、助かる見込みは薄い。
しかも、漂流相手が自分を食おうとしている。
だが、その恐怖心が皮肉にもパイに精神的な支えと生きる活力とサバイバル能力を与えていく。
食糧が底をついた時、トビウオの群れと遭遇する。さすがに諦めかけた時、不思議な浮島に漂着する。この世と思えない幻想的な光景を目の当たりにしたり、再び嵐に飲み込まれそうになったり…試練を与え、休息を与え、生きる力を与え、神の御業と存在を感じずにはいられない。
パイにとっても、トラはかけがえのない存在になる。
でも結局は動物と人間、食う者と食われる者、心が通じ合う訳でもない。
パイの父の生前の言葉が重く響く。「トラは友達じゃない」
それは確かだが、生きる為の相棒であった事は事実だ。
決しておセンチな話にならない描かれ方が好感。
神と、心が通じないかけがえのない存在が、自分を救った紛れもない生へのドラマ。
深い余韻が残り、魅了される。
一つ欲を言うならば、僕の住んでる町では3D上映で無かった事が悔やまれる!
近大さん
こんにちは(#^.^#)
再鑑賞しました。
パイ少年とリチャード・パーカー
実写化されるとは思ってなかったので
公開時 びっくりでした。
CGのパワーも凄いですよね。
幻想的なシーンも美しかったです。
嵐のシーンも迫力ありました。