画皮 あやかしの恋

劇場公開日

画皮 あやかしの恋
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解説

中国の清代に書かれた短編小説集「聊斎志異」の物語を、ジョウ・シュン、ビッキー・チャオ、ドニー・イェンら豪華スター共演で映画化し、中国で大ヒットを記録した伝奇ロマンス。秦から漢にかけての時代、ワン・シェン将軍は合戦の最中に、盗賊に捕えられた若く美しい娘シャオウェイを助ける。ワン・シェンは身寄りのないシャオウェイを故郷に連れ帰り、妻のペイロンにも事情を話して家に住まわせることにするが、シャオウェイの正体がキツネの妖魔であることが発覚。シャオウェイはその魔力を使ってワン・シェンを誘惑し、妻の座を奪おうとする。

2008年製作/103分/G/シンガポール・香港・中国合作
原題:画皮
配給:太秦

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映画レビュー

5.0妖魔が恋に落ちる瞬間

2012年9月12日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

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あんみつ

3.0三位一体、面の皮。

ハチコさん
2012年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

単純

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ハチコ

4.0妖魔が人間に恋した余りに純愛に目醒めるというあり得ないラブストーリー。ワイアーアクションも第一級の傑作です。

2012年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 『王朝の陰謀』といい『第九軍団の鷲』といい、本作も含めて最近の配給会社太秦は、エンタテイメント性が極めて高い穴場的な作品の買い付けに、立て続けに成功していると思います。惜しむらくは、宣伝費がかけられず単館興行に甘んじていること。現在公開中のアンディ・ラウ『王朝の陰謀』など中国版シャーロックホームズとして、本家ハリウッド作品を凌ぐ興行収入が見込める作品スケールなのに、小振りの公開スタイルが実にもったいないと思います。

 2008年に製作された本作も、そんな穴場エンタテインメント作品だと思いました。こんな傑作を埋もれさせず、よく発掘してきたなというのが正直な感想です。

 この作品、早い話が『MIB3』に妖魔バスターズが登場して、妖魔をやっつける筋としてはシンプルなストーリーなんです。元々は中国の古典怪談。こう書くと、妖怪ものにつきまとう、おどろどろしさをイメージしそうです。
 けれども本作で語られるのは、なんと純愛!本気で人間を愛してしまった妖魔が、改心してなんと自己犠牲も厭わない愛に生きることを決断するという、ちょっと泣けてくるお話だったのです。
 人を愛する余りに、自分の悪行を悔い改める妖魔なんて想像できるでしょうか?穿った見方をすると、軍事力にあかせて台湾、琉球、そして日本本土をもぎ取り、東シナ海の権益を独占し、再び大中華帝国を目指しているいまの中国は、金銭が神格化されている銭ゲバの国になっています。いわば国自体が妖魔のようなもの。けれども銭ゲバの反動で精神的な虚しさを感じ始めた国民は、心の豊かさを求めて、孔子ブームが起こっているとか。日本でベストセラーを出し続けている新興教団の本も、中国国営の出版社から中国版が刊行されて、これもベストセラーになっているとかで驚きです。
 つまり妖魔のような国で暮らす中国国民にとって、純愛を信じたいという願望の強さが本作に表れているむのではないかと思えました。

 さてさて、物語は合戦のさなかに、盗賊に捕えられていた若く美しい女・小唯(シャオウェイ)を将軍・王生(ワン・シェン)が格好良く救出したばかりに、愛憎劇が始まってしまいます。小唯は人間の姿をしたキツネの妖魔だったのですね。妖魔だって一人前に恋をするのです。あの手この手の妖術を繰り出して、王生を幻惑しようとするものの、一向に振り向いてくれません。
 それもそのはず、王生の最愛の妻佩蓉(ペイロン)は、小唯など足元にも及ばないほどの絶世の美女だったのです。小唯役に小娘風のキャスト。佩蓉役に中国の王道をいく美形をキャストして、違いをはっきりさせた演出が効いていて、なぜ王生が小唯の誘惑に落ちなかったのか納得できました。あんな美人の嫁さんなら、子娘狐がたぶらかそうしても、そう簡単に浮気しないですからね。まぁ邦画なら、すぐに濡れ場に持っていきたがるので、あっさり王生が陥落する設定になったかもしれません。しかし本作での夫婦の絆は深かったのです。

 それでもあきらめない小唯は下僕の空飛ぶトカゲの妖魔(孫悟空に似ている)小易(シャオイー)に命じて、王生の部下の軍人全員の心臓を盗ってしまうぞと、佩蓉を脅します。実は、小唯の美貌は人間の心臓の肉を喰らうことで保たれていたのでした。「栄養」が足りなくなると、表面の「画皮」が剥げて、醜悪な妖魔としての本性が露見したのです。
 部下の命と引き替えに、小唯が佩蓉に要求したのは、小唯が渡す妖毒を飲んで、佩蓉が妖魔に変身すること。そして、街の人から心臓を奪ってきた妖魔としての所業を自分がやったことにすること。こんな小唯の理不尽な要求にも、それで部下の命が助かるならと佩蓉は応じてしまうのです。なんと愛が深い思いなのでしょう。
 悲劇は続きます。妻が妖魔だったという責任を感じた王生は自らの手で、愛してやまない佩蓉の命を絶ってしまいます。ところが、降魔師夏冰(シア・ピン)によって本当の妖魔は小唯だったことを知った王生は、小唯に自分の命を差し出すから妻を生き返らせて欲しいと懇願し、自害して果てます。
 王生を心から愛していた小唯は、王生の佩蓉に対する愛の深さを知り愕然とします。小唯のとった決断が本作のクライマックスとなりました。人間と妖魔の間で渦巻く、深く悲しい愛の行方は?愛のためにはどんな自己犠牲も厭わないという究極の純愛が語られる本作のラストは、ぜひ劇場でご覧ください。ちょっと泣けてくるかも(^。^)

 ところで、佩蓉が愛したのは、王生だけではありませんでした。夏冰と組んで妖魔を切る侠客として再登場する王生の前任の将軍龐勇(パン・ヨン)ともかつては恋仲にあったのです。兄弟分で佩蓉を取り合うことに嫌気がさした龐勇は将軍職まで放り出して、放浪の旅に出かけたのでした。けれども龐勇と王生の三角関係は説明不十分。龐勇と佩蓉が恋仲だった頃のシーンを追加すれば、龐勇が妖魔から佩蓉を守ろうとする一途な思いが浮上し、この純愛ドラマをもっと盛り上げたことでしょう。

 本作のもう一つの魅力は、香港映画お得意のワイヤーアクションによる剣劇です。これは最高レベルの殺陣を見せてくれました。縦横無尽に駆け回る妖魔に対して随所にワイヤーアクションによる空中対決を見せてくれるのです。出来の悪いワイヤーアクションだと数カット分の飛んでいるところを無理につないで飛んだことにしてしまいます。けれども本作の場合、ワンシーンだけ描ききっていました。そのため空中での戦闘もワイヤー臭さを感じさせてくれませんでした。

 また集団同志がぶつかる戦闘シーンでも、ひとりひとりの戦い方がきちんと整理されていて、何が起こっているのか凄く分かりやすいのです。冒頭での合戦シーンでは、その描写の的確さに思わず唸ってしまいました。香港映画のベテランゴードン・チャン監督の卓越した戦闘フォーメーションにもぜひご注目してください。

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