グランド・マスターのレビュー・感想・評価
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これはもったいない…
カンフー映画ファンとしてはユエン・ウーピン武術指導作品は観ないわけにはいかない。
それで観たんですがやっぱり技のキレ、美しさは素晴らしい。
でもスローモーションの使い方さあ…もっとこう…あるじゃない?
普通の時はもう目にも止まらぬ速さの拳の応酬で、うおおっ!ってなるんです。でも次の瞬間にはあんまり痛くなさそうなスピードの拳を無駄にじっくりゆっくり見せてくるんですよ。
もうさあ…寝ろっつってんの?マトリックスじゃねーんだぞ。
ただでさえドラマパートはイイ感じの音楽かかってて退屈なのに、肝心のアクションパートすらだらだらやんの?
カメラワークも下手すぎる。監督ドラマで高評価かなんか知りませんけどあれはアクションの凄さが全然伝わりません。
なんで普通に撮ってくれないんですかね。
何を見せたいのか、伝えたいのか全然わかりませんでした。
映像美にこだわりまくり
ウォン・カーウァイの映画は初めてなので他との比較はわからないが 濃厚とでもいうような映像美が印象的。
功夫映画をこんな風に撮った監督はいないんじゃないだろうか。
中国武術の流派や継承問題を大河ドラマのように描いている。
格闘アクションはスローモーションを多用し、官能的な映像。雨が降ったり、雪が舞ったりとケレン味もたっぷり。
陶器のように滑らかなチャン・ツィイーの顔が素晴らしい。
しかしドラマ部分が予想以上に長いしシンプルなアクションを望んでいた人にはチト不満があるでしょう(自分も)
功夫大河恋愛ドラマと知ってから観るべきだと思います。
チャン・ツィイーの美しい武術は必見です。
チャン・ツィイーが好きで、かなり感激できました。
男性と対等で戦う女性をうまく演じていました。
カンフーや中国武術が好きで、その世界をチャン・ツィイーが演じてくれてこの作品に感謝です。
かなり所作も綺麗で、美しかった。
女性のファイティングシーンをこんなに美しく撮ってくれた監督にも感謝です。
映像美も音楽も私は好みでした。
イップマンは40代すぎたおっさんで登場するので、そこが惜しかった・・・
もっと若々しいイップマンを見たかったな・・・
トニーレオンは渋くてカッコいいが・・・イップマンのイメージはどうかな・・・って思いました。
ストーリーは時代背景も暗く、少し、難しい?
でも、個人的に、好きな世界観で満足な作品でした。
敗者の美学
シーンによって変わるチャン・ツィイーの口紅の色。
とてつもなく格好よくて痺れた。
カンフー映画のはずなのに、私にとってはそこが見所だったかも。
それでもいい。
「神は細部に宿る」って言葉があるけど、この映画、細部が格好いい!
窓枠や洋灯の意匠。
カンフーシューズや襟元の刺繍。毛皮の色合。
じいさんの連れた猿。
作り物の美しさだけど、退廃と色気がたっぷりつまっている。それでこそのウォン・カーウァイ。
もう一つ見所があるとすれば、負けた者の美しさだろうか…。
チャン・ツィイーとの闘いに敗れ横たわるマーサンの美しさ。
闘いには勝ったものの静かに朽ちて行くチャン・ツィイーの儚さ。
なんという敗者の美学。それでこそのウォン・カーウァイ。
お話的にはイップマンの話というより
チャン・ツィイーをめぐる3人の強い男の話になっていたような。
トニー・レオンも良かったけど、チャン・チェンのカミソリも最高でした!
一部眠ってしまった…
6月某日、錦糸町TOHOで鑑賞。
1990年代の「恋する惑星」ほか、カーウァイの作品はほとんど未見。
見た記憶があるのは、キムタクが出て話題になった「2046」くらいか。
この人の作品が出す波長とは自分は合わないというのが結論だが、随所にみられる映像美はいいとして、ほかにはまったく感興を覚えない退屈な作品だった。
きれいなチャン・ツィイーをもうちょっとエロチックに描くとかの工夫でもあれば、まだよかったが…。
戦前から戦後の現代中国史が背景にあり、日本の旧軍なども出てくるが、それを特段悪意を持って描くこともなかったのは救いかな。
僕にとっては極めて退屈。優待券で見たので、金返せとは言わないが、時間がもったいなかったね。
この監督の作品が好きな人以外には、見る価値はない、と断じる。
二番煎じだけど美味かも
久々のチャン・ツイイー見たさと、イップ・マンがブルース・リーの師匠だってことに反応して功夫好き家族で観に行きました。
多分、ウオン・カーウアイ監督作品は初めて。
最初の雨のシーンは、あれ?どっかで見たことある感じ・・・多分チャン・イーモウ監督作品・・・HEROかもう一本のなんか(忘れた)の出だし?のシーンと、色調、水を使っているとこ、そっくり感。
ただし、緊迫感と美学は、チャン監督の方が上だったな・・・二番煎じな感じはぬぐえないスタートです。
途中の、ルオメイさん(ツイイー)の父の葬儀シーンも、美しくはあったけど、なんかどっかで観たような感じだわ。
確かめてみなくっちゃ。
でも、娼館のムードなんかは楽しめて、そこでの各流派の闘いも、美しさを保っててよかったです。
話のバラバラ感は皆さんがおっしゃってる通り。
アクションシーンは、八卦掌や形意拳、八極拳、詠春拳と、相当楽しめました。なつかしさと、うつくしさと、闘い方(用法)、状況、使い手、すべてにヨカッタ。
馬三との姉弟対決の蒸気機関車シーンは、寒さとともに、とっても中国っぽくってなつかしい感じでしたヨ。
列車、長いんだよね~。日本のよりでっかくって。今も走ってるんかなあ。
トニー・レオン、初めて観たけど、素敵でした。この人、功夫スターだっけ?と思うくらい、上手かった。
チャン・ツイイーは、やはりすごかった。美しく飾った人たちの中にあって、静かに発光する人。舞踊から出発しているとはいえ、功夫もかなりの腕前と感じられます。
いい役者がそろい、中国武術家の高い精神性を、自負をもって描き出してるという意味で、尊敬に値する作品ではありました。
いろいろ気になるトコはあるけど、もう1回は観たいね。
映像以上に、技や構え…カンフーの美しさに釘付け
ウォン・カーウァイと言うと今やアジアのみならず世界的な支持を集める名匠だが、「ブエノスアイレス」「花様年華」などその作品はなかなかに馴染み易いものではない。そんなカーウァイが、イップ・マンを主人公にしたカンフー映画を撮ると言う。
中国拳法の一つ“詠春拳”の使い手で、ブルース・リーの師匠としても知られ、以前、ドニー・イェン主演による伝記映画も面白かった。
なので、興味惹かれない訳なく、またカーウァイ監督なのだから上質な作品になるだろうと思っていたら…カーウァイの映像美学が存分に発揮された全く新しいカンフー映画だった。
物語の始まりは、中国武術の統一を図る為、各流派の達人たちが技を競い合う。その頂上決戦は、まるで天下一武道会のよう。
しかしながら、作品で描かれるのは、ただのカンフー・アクションではない。
詠春拳のイップ・マンを軸とし、八卦拳のルオメイ、八極拳のカミソリ、形意拳のマーサン、各流派の達人たちのドラマと愛憎が入り乱れ、近代中国史と共に描いていく。
武術家としての宿命を受け入れ、時代に翻弄された彼らの生き様が哀しくも壮絶に胸を打つ。
それを際立たせているのが、二つの美しさだろう。
まず、映像美。
スローモーションによる滴り落ちる雨、舞う雪、光と陰と交錯し、その映像は陶酔感すら覚える。
映像派カーウァイの名に恥じず、今年のベスト映像派は「ライフ・オブ・パイ」といい勝負。
そして、映像以上に美しさを感じたのは、カンフー・アクションの美しさ。
無駄なくキレのある技の一つ一つ、構えも含め、興奮と感動。
カンフーをこんなにも美しいと思った事はない。
何年も厳しいトレーニングを積んだ俳優たちの努力の賜物。
カンフーはただ相手を倒す為だけの力技ではない。
一つ一つの技に意味がある。
思想と心も要求され、その心得は受け継がれていく。
何もカンフーの世界だけに留まるものではない在り方だ。
身・技・体を掌握して真のグランド・マスターと成りうるが、ストーリー・映像・アクションを掌握した本作はカンフー映画の真髄と言えるだろう。
極上の映像美と演出を堪能!
物語が始まった途端から、ワクワクさせてくれて、めくるめく映像絵巻にのめり込んでしまった。「こんなに映像や物語に前のめりになってしまったのはいつ以来だろう」と見終わった後に考えたら、『花様年華』以来だった。ウォン・カーウァイ監督、久々とは言え、さすがの力量だ。
この作品の物語は、近代中国の武術界を代表する宗師・イップマンの人生を、彼にまつわる武術家同士の戦いを中心に描いている。ただ、カーウァイ監督の映画はいつも生活感など一切なく、映像美だけで押し通す演出なので、激動の時代をどのように生きたのか、などというような生身の人間的な部分はない。そのために、物語を追うだけだと武闘シーンばかり突出していてあまり面白味がない、と感じる観客もいると思う。
しかし、カーウァイ監督のファンとして言っておきたい。目を離さずに見れば、瞬間に動く登場人物の表情や仕草に、セリフなどなくても生き方そのものが表現されているのがわかることを。
それが最も顕著なのが、イップマンとルオメイが闘うシーンだ。建物を壊さないという条件付きという状況だったとしても、他の闘いに比べて相手の懐に入らず、拳が当たらないと見るやすぐに引いて、動きを見ながら再び接近していくという、互いをリスペクトする心を演出して見せている。顏が接近するシーンもあるにせよ、闘いの流れの中で、二人が宿命の仲になっていくことを表現してみせているところは、カーウァイ監督の真骨頂を今回も見せてくれている。
カーウァイ監督は、セリフに頼る演出はあまり上手くはない。役者の目の動きや手が相手のどこにかかるか、という瞬間的な動きの中で、心の動きをスクリーン上で見せようとする。だから、その大事な瞬間を映像でより鮮明に、より美しいために、カーウァイ監督の作品は、いつもめくるめく映像美で観客の心を酔わせてくれる。
その映像美の中でも、特に、ルオメイの父の葬列のシーンの美しさは、近年の映画の中でも白眉と言いたくなるものだ。葬列のシーンだけとっても、これまで最も美しいと思っていたテオ・アンゲロプロス監督の『エレニの旅』の河上の葬列より印象的だった。
そして映像美の中に、ルオメイの殺された父の復讐を決意する演出を見せてくれる。この作品が、他のカーウァイ監督の作品と違うところは、登場人物の誰もが常に武闘家同士の闘いに目を向いていることだ。復讐だったら、心情だけをとらえればいい場合もある。それは社会への反攻だったり、単なる憎しみだけを提示すれば観客は納得するものだ。しかし、この作品では、復讐であっても武闘家同士の崇高な闘いであることを、映像美から見せようとしている。
実は、『花様年華』も恋愛映画でありながら、男女の心の葛藤、すなわち心の闘いを映像から見せていたことに感心させられた作品だった。この監督は、真の映像演出ができる、世界でも稀有な巨匠だと思う。
ただ今回、唯一の欠点なのは、武闘シーンに力を入れたために、シークエンスごとに余韻が感じられなかったことだ。
今までなら、人間同士の心の動きを瞬間的に演出する分、次のシークエンスまでに観客に人物の心のヒダを考えさせるくらいの余韻があった。具体的に言うと、行間を感じる脚本を用意していたのだ。しかし今回は、決着をつける武闘シーンが多く、心でなく身体を犠牲するシークエンスが多くなったことで、心を読む余韻、行間がなかったと感じた。しかし、それは武闘映画ということで仕方ないと納得したほうがいいだろう。カーウァイ独特の余韻は、次回作の期待値としてとっておくことにしよう。
もうひとつ、この作品でワクワクさせてくれたのは、生身の人間が闘っていることだ。つまり昨今はやりのワイヤーアクションも、CGも、ほとんど使われていない。デジタル映像だからこそ、スローモーションだけでも迫力あるカンフー・シーンが撮れることを実証して見せてくれた。それもこの作品の価値を高くしていることを特筆しておきたい。
よくも悪くもウォンカーウァイ
ウォンカーウァイが撮るアクション映画なんて、一体どうなるんだろう!?
という期待満点で観に行きましたが、あの独特なスロー感、スローモーションは健在。よくも悪くもウォンカーウァイ。
映像は素晴らしいし、俳優さんたちの表情も息をのむほど美しいのだけれど、いまいち誰にも感情移入できず、話がたんたんと進みます。アクションシーンもスローモーションとストップモーションの繰り返しで、重要なスピード感がないために盛り上がりに欠けました。
そして、やはり皆さんも言っているように「カミソリ」の存在意義が分からない。せっかく一番華があったのに。。。もっと彼を見たかった。
アクションの面で宣伝せず、物語重視で見に行っていたらもっと高い評価ができたのかもしれません。
骨太でスタイリッシュ
ウォン・カーウァイらしく、映像と音楽がスタイリッシュでかっこいい。それだけでなく、伝説のイップマンの人生をなぞっているのて、三人のカンフー使いの人生が交差して見ごたえがある。チャン・ツィイー の『好きに罪はない。ただ好きなだけ』という言葉が染みた。
勝つのはワタシ。
中国拳法にはまるで疎く、葉問(イップ・マン)という名前は
何度か聞いたことあれど、南の詠春拳の宗師と言われても
ちんぷんかんぷん…。かのブルース・リーの師匠で、伝説の
武術家といわれているその人を演じるのが何とT・レオン!!
もちろん観ますよ。エエ!観るなら今でしょ!(多用しすぎ)
…とばかりに観に行ったが、いやはやとても勉強になった。。
監督があのW・カーウァイとくれば、だいたいの想像はつく。
おそらくは美しい映像美で迸る汗すら涙の一滴のように描き、
独特の表現方法でストップモーションも多用する…とか色々。
本来は(かなりの年数を訓練にあてたそうだが)T・レオンも、
Z・ツィイーもアクションスターじゃないから、拳法の実力を
生々しく発揮するようなものではないんだろうと思っていた。
冒頭から、何だこの不思議な映像は…というスローな再生が
延々と続き、またこんな雨の中で…!と思うほど観辛い環境。
いやしかし、こんな画面を描いて魅せるのも監督ならでは。
私はつまらない(本家本元を知らないからかもしれないけど)
というよりも、むしろずっと最後まで表現に魅入ってしまった。
それぞれが実在したグランド・マスターということで、
誰が後継者の座に座るか、っていう選手権大会決勝戦みたい。
これが武術メインでしっかりと描かれれば、またそれなりの
見せ場があったのだろうが、今作はそこに留まらない。
彼らの半生、戦前・戦中・戦後をどう生き抜いて、どう武術を
極めたか、彼らの家族や日本軍の凄惨な攻撃も描かれている。
もし彼らの生きた時代が、また違う世紀だったなら、彼らの
その後の人生も、また違うものになったのかもしれない。
けれど、自らの流派を広めるために、さらに精進を重ねては、
北から南までを統一しようとする強固な姿勢を皆が崩さない。
それぞれが自分の流派に誇りを持ち、これぞ一流だと信じて
日々邁進する姿にはさすがに感動してしまう。
一応、主演は葉問になるのだろうが、いやいや総てのマスター
の生き様は、誰を選んでも捨て難いものだ。
その最たるは(やはり女性ということもあって)ツィイー演じる
宮若梅(ゴン・ルオメイ)なのだが、彼女の生き様を観るだけで
すでにお腹一杯になる、これが女性でなかったら?と思わずに
いられない。生涯独身を通し子供も産まず弟子もとらなかった
彼女の、後継者は私だ、という八卦掌奥義六十四手を使っての
葉問との対決と勝利は美しさに加え見事としか言いようがない。
更に父に謀反を企てた馬三(マーサン)への復讐対決も凄まじい。
彼女の「勝つのは私よ」に彩られたその立ち居振る舞いといい、
醒めた表情といい、台詞といい、動きといい、アナタは何者!?
と思わせるほどの存在感がハンパないのだ。
彼女が病に倒れなければ…リーはこっちの弟子だったりして^^;
引き換え、静の動きの葉問も闘いとなればかなりの腕を見せる。
映像が美しいせいで、彼の哀しみがそこかしこに垣間見える。
強いということは相手を制することにはなるが、制したところで
果たせるものとは何なのだろう。自己満足だろうか。
師である宝森が葉問に掲げた思想での勝負、そして最後に葉問が
スクリーンから(ややおちゃらけた表情で)語る南北流派への思い。
私も心からその通りだと思った。この人、かなりの人格者ね。
イップ・マンシリーズ…といえばD・イェン主演の作品が大ヒット
したらしくて(私もこの人大好き。でもその作品は観てないのだ)
シリーズ第3弾も製作されているとか…。
今作で興味が湧いたので、機会があったらそっちも観てみようかな。
(彼の拳法をリーが海外に広めたわけか。何か凄いなぁ、勉強になる)
集中できない
途中までイップマンの奥さんがチャンツイイーだと思っていて、結婚してるじゃないか、子供はどうしたんだ?ととても混乱した。髪形変えてほしかった。
また、ぼんやりしていたら馬三がなぜ跡継ぎにならなかったのか理解できなくて、イップマンが一体何の後を継いだのかもよく分からなかった。
ぼんやりしている自分が悪いのだが、あまり集中させてもらえない作りだった。会話の場面がとにかく退屈だった。
一番の見どころはチャンツイイーと馬三のタイマンだった。イップマンにそれほど見せ場がなく、強い相手と闘っていなくて残念だった。カンフーの場面はすごく見ごたえがあったので、可能性は感じた。
寝ちゃったな…
傑作?なんでしょうか?
俺にはピンとこなかったな…。
映像はスタイリッシュでキレイ、確かに素晴らしいと思います。
けどね…、カンフー映画だからもっとファイティングシーンをしっかりと見せて欲しかった。
撮り方に問題ありと思うんだけど…。撮影のプロじゃないからシロウト目線だけどアップとスローモーションが多過ぎなんじゃない?ってか、そればかりで全体像がわからん。雪の中の鮮血シーンや突く時の手のアップとか…アップだらけで体の動きがワカランのよ。
この美しい映像シーンで結構なシーンで眠気に誘われました。
非常に残念!
こりゃ、カンフー映画と思ってみたら迫力不足で不満になると思います〜。
予告詐欺
イップマンとカンフーを語る上で同時代に生きたチャン・ツィイーやカミソリ、マーサンなどが必要ですが、あくまでイップマン中心に観なくてはいけない映画でした。
間違ってもトニー・レオンとチャン・ツィイーの恋物語だと思って見ていると後半のトニー・レオン(イップマン)の虚しさが抜け落ちてしまいます。
また、格闘家を題材にしているので格闘シーンに力を入れてはいるけど、誰が一番強い格闘家なのかを決める映画でもありません。表現したいのは、彼らを通して彼らがどんな時代にどう生きてブルース・リーや現在のカンフー(映画)につながっているのかというところなんかなと思いました。
チャン・ツィイーが早回しで撮られてスローモーションのシーンにナレーションがのっかったり、奥さんの足を洗うトニー・レオンの姿に『恋する惑星』を思い出し懐かしくなりました。
最近では「プロメテウス」「ライフ オブ パイ」に続いて予告編とは全く違う映画でした。(作品のテーマを捏造している)
この予告編をつくった人々は平気で嘘をつける映画に不誠実なサラリーマンだと思いました。その予告もたいして心動かされず効果的でないし、鑑賞の邪魔でしかない。
アイデアが乏しく、まっとうな宣伝ができないような人ならわざわざ映画に関わる仕事を選ばなくてもいいんじゃないでしょうか。
予告編と違う事ない?
予告編では『中国武術の頂点を決める』みたいなセリフに、その闘いの中で出会った男女の物語的な感じを受けたんだけど全く違ってた。
ラブシーンかと思ってたとこは戦闘シーンの1コマだし『コレかィ!?』ってガックシでした。
あとスロー画が目立ちましたね。外での乱闘シーンはなぜ土砂降りの雨や雪なのか?も気になりましたし、カミソリってこの映画に登場しなくても良かったんでは?とも思いました。
予告編ってスゴい影響力あるよなって心底思いました。
カミソリの存在意義…
全体的にちょっと冗長と言いますか、アクションシーンは美しいけれどスローが多くて、もう一工夫ほしいなあ…と。
映像も全般的に陰影がきれいだけれど、暗い部分のノイズが気になりました。わりと大きなスクリーンの前方よりで見たせいかもしれませんが、人物に寄ってばかりのカメラが単調…ウォン・カーウァイって基本そんな感じでしたっけ?
しかし、毎度のこと完成がだいぶ遅れたみたいで、監督の迷いなのか…。
葉問とカミソリの対決もなく、ネットでちょっと検索してみると実際に撮影はしたそうですが最終的にカットしちゃったみたいで、じゃあ、カミソリなんのためにいるのよ?って感じでしたし、ルオメイが死の間際になって幼少期の父との思い出回想とか、いまさらそのシーンが入るか?っていう感じもありで、なんだか…まとまりが。
チャン・チェンの、名前の通りカミソリのような切れ味たっぷりの存在感はすごく魅力的だっただけに、残念でなりません。トニー・レオン演じる葉問と対極のような存在だったで、2人が対峙する姿みたかった。
トニー・レオンのたたずまいと言いますか、人物像はよかったし、だから最後はちょっと感じ入るものはありましたが、それにしても全体的に残念な印象のほうが強く残ってしまいました。
いろんな流派をひとりずつ見せていく段階が一番面白かったかな…。
炎上マーケティング!?『シャッターアイランド』並のピンぼけ宣伝
トレイラーおよび公式ウェブサイトでは「誰が最強か」的な、いわば『ドラゴンボール』の天下一武道会っぽいアオりで売ってますが、ぜんぜんそういう映画ではありませんでした。
偶然出会った拳法使いの男女が後日の再開を約したものの戦争のため果たせず、戦後に偶然香港で再開するという、どちらかといえば『カサブランカ』や『君の名は』のようなメロドラマです。
宣伝のピンボケという点では、『シャッターアイランド』を思い出しました。あれは配給がパラマウントでしたが、その担当者がクビになってギャガに移り、またやらかしたのか・・・ということもないでしょうけど、そんなことを夢想するくらいにはバカ宣伝だと思います。
作品冒頭、おそらく日本で付け足したと思しき勢力図みたいなものがありましたが、これなども理解の邪魔でした。
シーン間のつながりや説明が弱い作品なので、心配して説明を付け足したのかもしれませんが、むしろ誤解を引き起こしかねないと思います。ソフト化する際は取り除くべきではないでしょうか。
***
盛んに喧伝されているアクション部分は、一点を除けば実に見事です。
本作でフィーチャされているのは詠春拳・八卦掌・形意拳・八極拳と、いずれも実在の名高い武術ながら、シンプルで地味であり、映像にするには難物だと思いますが、ちゃんとそれらしく見えました。
武術指導の袁和平氏は伝統的武術に独創性を加味して現代的アクションを作り出すタイプだと思いますが、本作では奇矯さをおさえて渋く、しかし実践武術の凄みと迫力、そしてそれぞれの流派の様式を表現した、見事なアクションをデザインしたと思います。
ただ、見せ方がどうなのかと・・・これは王家衛監督の責任(あるいは趣味)だと思いますが、
・カット割りすぎ
・スロー多すぎ
・アップ多すぎ
・フォーカスぼかしすぎ
でした。
各種のインタビューを読むとそうとうな長回しで、役者さんは寒さと戦いながら苦労して撮影したらしいですが、出来上がった映像にその痕跡はありません。
要はみじん切りのアクションシーンで、「台無し」の一言に尽きます。
これをカッコいいと思う人がいてもいいとは思いますが、少なくとも私はノれません。
***
その一方で、メロドラマ部分には捨てがたい魅力がありました。
話の展開が雑でシーンのつながりが弱いとか、重要そうなキャラクターが約一名ほとんど絡まないとかいう問題はあるにせよ、各シーンごとの映像の美しさと、役者の演技によって、シーン単体ではスクリーンの向こうとこっちで感情の共有がちゃんとできます。
小娘→女ざかり→中年を演じわけたチャン・ツィイーは実に見事でしたし、ダンディではあるがセクシーすぎない、朴念仁でもないし童貞こじらせでもない、ヒロインの好意に気づいてるんだか気づいてないんだか微妙な距離感を漂わせたトニー・レオンの「男としての正しさ」もまた、非常に好感の持てるたたずまいでした。
もちろん話がちゃんと繋がってるほうがいいとは思いますし、アクションがみじん切りでノれないという重大な欠点はあるんですが、ドラマとしてはちゃんと感情移入できて後ろ髪をひかれるような味わいも残るので、無碍に切り捨てる気にもならないという、妙なバランスの作品でした。
ちょっとだまされた感じもしますけど。
カンフー好きには・・・
前回、
「物足りない感が先立つ。
画像、描写は美しかったけど・・
動と静のバランスがイマイチでした。
でも、観た感はある。」
と、コメントしましたが、「燃えよドラゴン」を見直し、2回目を観賞。
映像、技法、展開全て素晴らしい。と感じた。
アクションがもっと観たいですが、十分ですm(__)m
王家衛が好きでないと、眠いかも
写実で言えば美しい。
葉問を演じたトニー・レオン 相変わらず素敵。
宗師たるものを、いい味わいで体現してくれている。
チャン・ツィイーも上手だけど
葉問の妻のソン・ヘギョと
少々似た顔のキャスティング
眠気との戦いで
油断してると‘んっ’どっちだっけなってなった。
映像は劇場で堪能するが良いと思いますが
功夫好きで観に行くとかなり睡魔が襲うかと・・・
全てがカッコイイ!!
素晴らしい!! ヤバイ! 全てがカッコイイ!
かつて香港映画、中国映画にこんなにスタイリッシュなカンフー映画があったでしょうか!
ちょっと半端なく興奮しています。
そして、この作品はカンフー映画というジャンルではなく、いわゆるメロドラマです。なので、カンフー映画はちょっと・・・と言う女性でも、充分に楽しめます。もちろんカンフー映画好きな男性も満足のアクションシーンがあります。なんと言ってもアクションシーンに2年間かけてますから! (ドラマシーンは6ヶ月らしいです)
スタイリッシュな映像もたまりません。ハイスピードではなく、コマ落としによるスローモーションがっいいんです。
カンフーシーンの格好良さは、歴代イチバンです。特に雨の中のでの格闘シーンはしびれます。
主演のトニー・レオン、チャン・ツィイーの二人も、ずっとクローズアップを観ていたいと思うほど、カッコイイ!
音楽に関しては、梅林茂が手がけているのですが、自身の「それから」のサントラを含め、既存のサントラを用いて、最高のシーンを作り上げています。
日本の久石譲の「壬生義士伝」、イタリアのエンニオ・モリコーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」・・・サントラは版権の問題で発売難しそうだなあ。
オープニングタイトルからエンディングタイトルまでの123分間、身を乗り出して観ていました。
カッコ良すぎて、男泣きです。
演出、映像、音楽、演技、そしてドラマもアクションも、全ていい!
・・・というより全てカッコイイ!
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