「できる者は出来るし出来ない者は出来ない」桐島、部活やめるってよ nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)
できる者は出来るし出来ない者は出来ない
こういう作品は映画好きにはたまりませんね
賞をとったのも納得です
原作もいいし、映画化も上手い
その後の作品はみんな不満がありますが、この作品に限れば秀作です
青春の諸々がシリアスに描かれている
主役は神木隆之介となってるけれど、原作同様、東出昌大が主役ですよね
彼が神木隆之介の生き様にショックを受けて泣くんですが、人生に正解なんてない
将来への期待もあれば不安もある
それぞれが悩んだり、開き直ったりしながら時は過ぎていく
まあ、生きやすいコツとかはあるだろうけれど、人それぞれですよね
ただ、結局は「できる者は出来るし出来ない者は出来ない。」
これは真理です
東出がこの真理に疑いを持ってしまったのは、若いから
今は不安が勝っているけれど、彼はできる人間で、いずれ、それなりになっていく
というか、すでに恋愛の面では充実しているし、神木は想う人とは一緒になれない出来ない者
目指す物のレベルが違うんだ
出来る者にとって、恋愛なんて息をするように当たり前の物
出来ない者には、人生の一大事なのにね
だから、できる奴らの目標は恋愛じゃないけど、出来ない者にとって、恋愛こそが青春の大部分で、望むのに届かないものだったりするんですよ
そして今回痛感したのは、高校生活でリア充のやつらって、身体が大きいんですよ
神木ら映画研の連中が小さいのに比べらと、あきらかに体格差がある
この典型的な描写は胸に刺さった
ギリシャ時代、貴族は筋肉隆々で、奴隷達は貧相だった
十分な栄養と、時間が余裕があるので鍛錬できた貴族と奴隷の格差のような劣等感
生物的な劣等感を持つんですよ
リア充達への羨望の感情に悲しくなった
まあ映画研の連中は、それなりにアオハルを楽しんでいただけ偉いよ
不登校だった僕に比べれば、十分リア充
ある意味、黒歴史をなぞるようで、イラつきながらも、ただただ羨ましかった