「桐島の不在に翻弄される、いわゆるスクールカースト=体育会系若しくは...」桐島、部活やめるってよ はむさんの映画レビュー(感想・評価)
桐島の不在に翻弄される、いわゆるスクールカースト=体育会系若しくは...
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桐島の不在に翻弄される、いわゆるスクールカースト=体育会系若しくは何か「やらなきゃいけないこと」がある、でも何もやらなきゃいけないことなんてない帰宅部の男女と、もはや桐島の不在のない世界線に生きているのかと思わせるような文化部の男女。この作品には桐島という人物は結局最後まで登場しないからこそ、前者のグループが側から見て、実在しないものに翻弄され、自分たちで事を大きくし互いの関係をぐちゃぐちゃにしているように見える。変な例えだが、株価それ自体は上下することが自然で、ただ人の捉え方によってそれはモンスターにもなりえるし、全く関係なく生きていく人もいる、ということだ。作品の終盤、屋上に桐島がいるという情報を聞きつけ、猛ダッシュする上位カーストと、そんなことは何も知らず音楽室という箱で「いい」音楽を奏でる吹奏楽部。後者に属しながらも、前者に巻き込まれる前田たち。彼らが撮っている映画というものを私たちが今まさに見ていたのだという事実。全てが交錯した時、私は人を踏み台にするような生き方はしたくないと感じた。
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