「なんで俺を産んだの?欲しがるの?」ふがいない僕は空を見た とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
なんで俺を産んだの?欲しがるの?
やるせない物語。なのに、鑑賞後は、ああ、また生きていこうかと、こんなどうしようもない現実なんだけど、生を讃歌したくなる作品。
映画のキャッチコピーが、鑑賞後に胸にジーンときた。性と生。切っても切り離せない、自分の意志だけでコントロールできそうで、できない複雑なもの。
そして、正義面する人の異常さ、後ろ指さされる人々の、その人なりの光の部分。
”男”を育てる母と、”お坊ちゃま(おバカちゃま)”をつくっちゃうママゴン、子を食い物にする妖怪。孫とペットと混同している婆。そしてこれから子を産もうとするおバカ男女ども。たくさんのどこにでもいる親子が出てくる。
どうしようもない、選べない現実の中で、それでもわずかだが自分で選んだ未来を掴もうとする、ほのかに希望が見えるラストが嬉しい。
演出的にも、時折挟み込まれる台詞がとっても効いていた。そしてやっぱり、福田の、助産師・助産師助手の言葉の重み。
とりあえず、パートナーはしっかりと選ばないとな。
バカな恋愛繰り返して、痛い思いして自分と向き合ってでないと本当の宝は見つけ出せないのだろう。
良い映画です。前半がもっと短ければ☆5つなんだけど…。
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