「現実と向き合った左よりの映画」グッモーエビアン! アンチェインさんの映画レビュー(感想・評価)
現実と向き合った左よりの映画
70年代的なアナーキーであり、リベラルな価値観を土台とした映画。
この手の映画は、自由や反権威を無責任に持ち上げ、ハチャメチャな物が多い気がするが、この映画は、現実に向き合っている。
印象的なシーンは、主人公の母親が、家庭訪問に来た教師とのやりとりで、就職を進路に決めた娘の事を教師から言われた事に対し、「そんな人生はつまらん」と言い放つのだが、自分は自由に生きてるのだ羨ましいんだろ的な、どや顔でなく、実は自分の生き方は、娘に取って間違った影響を与えているのではないか?と言う迷いを明らかに含んだ言い方なのだ。
そんな母親に反発心を感じる娘は娘で、ジャガイモのくだりで、非常識なヤグの方が、全然、周辺の人間に支えられてる事への感謝と敬意に満ちている事に気づかされる。
普通ではない母親なりの人生の覚悟や愛を知り、自分達にしかない家族の形に回帰する娘の心理描写は素晴らしかった。
アメリカンニューシネマは、タクシードライバーで、現実と向き合い終焉したが、それに似たにおいを感じた。
しかしヤグのボーカルはヒロトそっくりである(笑)
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