劇場公開日 2012年4月21日

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「一回の鑑賞じゃ把握できない。」裏切りのサーカス サチコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5一回の鑑賞じゃ把握できない。

2016年1月15日
iPhoneアプリから投稿

東西冷戦下のヨーロッパを舞台にイギリスとソ連のスパイの抗争を描いた作品で、正直一度の鑑賞じゃ詳細は掴めずにネタバレサイトで納得。なんでwikiに誰が異性愛者、同性愛者、両性愛者の記載まで…と思ったけど、登場人物だいたいイギリス人、それを踏まえて英語をよく聞いているとゲイゲイしい言い回しに気付きます。納得しました。
そんな感じの鑑賞でしたが、このDVD購入しようと思います。凄く良かった。
とても洗練されたゴージャスな映画で男達の黙々と歩く姿、身のこなし、出で立ちは華麗の言葉に尽きます。
冷戦下にあった戦後、人はまだ美の賞賛や誇りに対して価値を持つ心があったのかもしれない。それは単なる懐古主義だろうけれど、そう思う愚かさへの余裕があったような気がします。
二重スパイのソ連に加担した理由、美しさへの憧憬(今の時代も変わらない自己顕示欲が最たる理由だけれど)、引退した女性職員の、
第二次大戦を指しての良い時代だった、本当の戦争の時代でイギリス人としての誇りがあった。といった旨の言葉。その美意識が人々を彩る。記憶に残る映像になる。
美しい緊張感が全編通して張り詰められ、そのラストに哀しさが安堵と共に訪れます。
とか、曖昧な感想しか一度目は書けません。もう一度みます。ベネディクト・カンバーバッチが格好良過ぎて見惚れます。年老いたゲイリー・オールドマンの美しいコト。

サチコ