劇場公開日 2012年4月7日

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「この映画で大事なこと」アーティスト harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この映画で大事なこと

2012年4月19日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

この映画で大事なことは、オスカー受賞作品だということに尽きる。この作品がオスカーを獲得していなかったら、果たして観ただろうか?3D全盛の時代に時代錯誤だとスルーしていたかもしれない。確かにモノクロサイレント(音楽と効果音はあるが)ならではのストレートな表現や、役者の心情を思い量り、大団円では心躍らせ喜ぶという映画の醍醐味はある。が、しかし逆にこの映画をモノクロサイレントの時代に持って行ったとしたら、果たして名作になり得ただろうか?現在私たちが観ることの出来るモノクロサイレント映画は、まず間違いなく名作である。なのでその手法で作られると、名作を観ているような気になってくる。この作品のタイトル画面など、実にワクワクするものになっている。

奇しくもオスカーを競った「ヒューゴの不思議な発明」 はフランスを舞台にしたアメリカ映画である。「アーティスト」はアメリカを舞台にしたフランス映画だ。そして両作品とも映画史を題材にしている。時代背景もほぼ一緒だ。大きく違うのは、ヒューゴは最新技術を用い素晴らしい3D映像で魅せてくれた。一方アーティストは古い表現方法で映画の楽しみ方を思い出させてくれた。表現方法は違えど、両作品が伝える事は同じなのかもしれない。それは映画愛であり『映画は素晴らしい!』ということなのだろう。あらためて「アーティスト」のオスカー受賞に敬意を表したい!
本作のような目にも心にも優しい映画もたまには良いものですね。

harukita