「サスペンスものとしても第一級」アルゴ talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
サスペンスものとしても第一級
<映画のことば>
「イメージを変え、旅券の写真と同じにしなくては」
「結婚式以来の緊張だ」
「結婚と違って失敗できない」
<映画のことば>
「銃で脅されて、偽装が通用するのか」
「偽装だけが、銃から身を守る」
<映画のことば>
「長官が君に会いたいそうだ」
「クビの通告かな」
「CIAスター勲章の授与だ。諜報活動における最高の功労賞を受けるんだよ。授賞式は14日だ。」
「一週間延ばせれば息子を呼べる」
「作戦は機密扱いになった。授賞式も極秘だ。誰も事実を知ってはならない。」
「勲章を授与し、取り上げるのか。」
「そうだ。喝采を求めるならサーカスへ。」
いかに中東とはいえ、そろそろ冬を迎えそうな時期に自転車で国境を目指すサイクリストを装うというのも、いががなものとは思いますし、さりとて政情不安定なときに、わざわざ外国から教員を招聘するというのも、いかにも不自然。そうすると、差し引きで、本作の「映画作戦」が残ったようてすけれども。
その点、映画製作だと、ロケ地にも縛り(限定)が出てくるでしょうし、製作スケジュールの都合上、政情が不安定だからといって、あながちロケを延期することがてきるわけでもない…。
そう考えると、本作の「アルゴ作戦」も、そう突飛な思いつきでもなかったようにも思われます。
(あくまでも、ゴールからの逆算の考え方ですけれども。)
映画作品としては、脱出実行に当たっての6人の動きとイラン側との攻防が半端なく、たっぷりの緊迫感・緊張感を味わうことができ、サスペンスものとしても第一級の作品であったといえます。
そして、これだけの作戦を成功に導いても、あくまでも縁の下の力持ちに徹しなければならない諜報員という仕事の一端も、ちらりとですが、垣間見える一本になっていたと思います。
佳作であったと思います。評論子は。
(まったくの余談)
<映画のことば>
「映画化?脚本家組合は、ホメイニ師より怖い。」