劇場公開日 2012年10月26日

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「緊迫感のある映像と詐欺行為の用意周到な準備の面白さ」アルゴ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5緊迫感のある映像と詐欺行為の用意周到な準備の面白さ

2016年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

総合85点 ( ストーリー:85点|キャスト:80点|演出:90点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )

 題名からしてギリシャ神話かと思っていたら全く違っていた。

 国難において任務遂行のために実際にCIAによって計画された出来事を描いているが、何が起きていたのかその舞台裏を見せてくれるのが実に興味をそそるし面白い。真実性を出すために、映画の撮影のためといって実際に事務所をかまえて映画作成用に脚本を買って広告を作り制作発表をするという手順まで完全に整えていく下準備が凄い。『スティング』の詐欺計画をも思い出させるが、イランを騙すためなのだからこれもある意味で詐欺である。
 そして緊迫の状況を見せる演出が良い。撮影はイランではなくトルコで行われたそうだが、まるで当時の現場を撮影した記録映像であるかのような迫力のある映像になっている。怒り狂うイランの大衆が過激な行動に出ているのが怖いし、本当に大きな出来事が起きて危険な状況になっているなというのが伝わってくる。空港の場面は盛りすぎて白々しさもあったが、全体に質はかなり高い。

 かなり面白かった。『ザ・タウン』『ゴーン・ベイビー・ゴーン』等、ベン・アフラックは緊張感のある雰囲気を描くのが上手い。本作もそれを受け継いでいて、今まで観たベン・アフラック作品の中でも一番気に入った。

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Cape God