「13年待った甲斐はあったのか?」フライト ゼリグさんの映画レビュー(感想・評価)
13年待った甲斐はあったのか?
観る作品を監督で選ぶことが多い自分にとってロバート・ゼメキスは一番好きな監督です。映画マニアというよりゼメキスマニアと言っても過言ではないです。
作品数はごく小数ですが、質が違います。しかし最近はCGアニメが主流になって「これどうやって撮ってんだろ?」っていうワクワクが薄れてきてました。
そこに13年ぶりの実写映画ということでゼマーとしては狂喜乱舞な訳です。
でもダメでした。
確かに墜落シーンは目を見張るものがあり、やっぱすごいなと、天才だなと思ったのは事実です。
しかしそのあとは…酒をやめるやめないで約1時間半…さして斬新な演出があるわけでもなく、テンポよく進むわけでもなく、最終的には「酒飲んでました、ゴメン」みたいな、いや当然だろっていうオチで終わりました。
何より冒頭に全裸の女が出てきた時点で、「これいる?」って感じでした。
自分は一般映画に無駄に組み込まれたエロスが嫌いなもので、早く服着てくんねーかなって頭からイライラしました。
セフレか恋人か知りませんが、もしふたりが愛し合ってるということを表現したかったのなら、もう少しソフトな表現でもよかったと思います。
主人公が大切に思っている感じがせず、そのせいか主人公の最後の決断があまり感動的に映りませんでした。
ゼメキス監督の作品はそれぞれ全て数え切れないほど観ているのですが、これはもう一度観たいと今のところは思えてないです。
インタビューで「もうバック・トゥ・ザ・フューチャーのような世界には興味がない」と言っているようですが、残念で仕方ない。
こんなネタ切れの時代じゃしょうがないかもしれませんが、また神演出とアイデアの塊のような作品(欲をいうとSF)が観てみたいものです。