劇場公開日 2013年3月1日

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「デンゼル・ワシントンを観るべし!」フライト kenMaxさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5デンゼル・ワシントンを観るべし!

2015年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

最初、飛行機を不時着させたヒーローが一転、窮地に立たされるという単純なイメージで観始めました。

いきなり酒とセックスとドラッグという組み合わせからスタートしますが、
職はさておき、まぁ、海外では珍しい光景ではないと思います。
主人公は、基本はアルコール依存でドラッグは眠気覚まし的に使っているようです。
ヒロインは薬物依存ですが、主人公よりは軽いです(抜け出そうと努力を始めている)。

被害を最小限で不時着させ、ヒーローとして扱われる部分がもっと長いのかと思っていましたが、
アルコールや薬物の問題が意外と早めに出てきます。
この辺から、"依存"を主体とした映画なのかと気付き始めます。
依存を肯定的に観る人はいないと思いますが、その依存へ向かってしまった背景や
現在進行形で苦しんでいる人のリアリティを巧く描いています。
特に主演のデンゼル・ワシントンの演技には引き込まれるものがありました。
本当に依存感を身体から放っています。
ドン・チードルも散々苦労する面白い役柄でした。

途中にキリスト、いわゆる宗教的な表現が多く散りばめられています。
神に救いを求めたり、全ては神の御導きなのだといった内容なのですが、
これは私にはあまり良く分からない部分です。
アメリカの作品としては必要な表現なのかも知れません。
宗教を持っている人であれば分かるのかなと思います。

終盤の展開はなかなか面白く、どうなるのかと引き込まれます。
結末は、個人的にはやっぱりそっち行くのかぁと思いましたが、
全体の流れから考えれば、それで良かったと思います。

kenMax