リンカーン 秘密の書のレビュー・感想・評価
全14件を表示
リンカーンは偉人だけどジャンル違い
テンポ良い展開、って言えばそうなんだけど、最初の20分、走りすぎだよ。つか、端折り過ぎだよ..リンカーン、超人過ぎだよ!
列車に積んだと見せかけ、歩いて運んだ銀製の武器で南軍に勝利するリンカーン。まぁ、Actionは迫力ありで飽きません。Splashも惜しげありませんです、お腹いっぱいいです。血しぶきバシュバシュのインディジョーンズ!って、もう良いよって言いたくなりますw
Trailer、それと。最悪ですって。なんで、今からくだらない系リンカーン見る人に、超大作感動系のスピルバーグのリンカーンの予告を見せるんですか?嫌味としか思えないんですけどw
ヴァンパイア?それともゾンビ?
リンカーン大統領は実はヴァンパイア・ハンターだった!というかなり大胆な歴史改変(?)もの。
幼少時に母親をヴァンパイアに殺されたエイブラハムが復讐の為ヴァンパイア・ハンターとなる前半と政治家となり大統領上り詰めた彼が再び南軍のヴァンパイア兵士と戦う後半にざっくり分けられる。
これを楽しめるかどうかは、大統領がヴァンパイア・ハンターだったという設定を面白がれるかどうかなんだろうが、正直これを面白いとは思えなかった。それでも、キャストが魅力的で感情移入出来れば良かったのだが、全体的にキャストが弱い。
特に、リンカーン役のベンジャミン・ウォーカー。彼は若い頃のリーアム・ニーソンに似ている言われていて(確かにそう言われれば似てはいるのだが)、スピルバーグは『リンカーン』に彼を想定していたという話を聞けば、このキャスティングもミスキャストではないのかもしれないが、申し訳ないが、まったく輝きを感じられなかった。
3D上映を意識したアクション・シーンも大袈裟に感じられた。
とは言え、ラスト近く、ヴァンパイアのヘンリーがリンカーンに永遠の命を与えたいと申し出るシーンで、彼が何処に向かっていて彼を何が待ち受けているのか分かっているので、余韻のあるいいシーンだったと思う。
ここでは、ヴァンパイアは昼間も出歩けて人間の社会に巧みに紛れ込んでいる設定になっているが、これでは、一見して人間と見分けがつかないゾンビみたいで、個人的には、ヴァンパイアものは、ヴァンパイアもののお約束をきっちり守っている作品が好きです。
歴史は戦いを記憶し、流した血を忘れる
映画「リンカーン 秘密の書」
(ティムール・ベクマンベトフ監督)から。
邦題に惑わされて、リンカーンに関する作品と勘違い。
原題の「Abraham Lincoln: Vampire Hunter」だったら、
吸血鬼大嫌いの私は、観ることがなかっただろう。(汗)
おそるおそる観ていたにしては、メモは多く残り、
作品中、何度か流れるフレーズを、頷きながらメモをした。
「歴史は、人そのものより伝説を好む。
残虐さより気高さを好み、人知れぬ行為より、声高な演説を好む。
歴史は戦いを記憶し、流した血を忘れる」
このフレーズは、ヴァンパイヤも形を変えて口にする。
「歴史はお前を人ではなく、魔物として記憶する」と。
さらにラストシーンで、リンカーンが演説する時、
「歴史が私について、何か記憶するとしても、
それらは真実の断片にすぎない」と「歴史の記憶」について
要所要所に散りばめられている気がした。
今まで長い歴史の中で、何度となく繰り返されてきた戦いは、
歴史の教科書に、文字として記憶されている。
その戦いで失った、幾万もの命については、統計の一部として、
「〜万人戦死」という数字と文字に化けるだけだ。
歴史は、試験のための暗記ではなく、それが起きた時代背景や、
どんな人物が、どんな場面で関わって、どんな負傷をおったなど、
もう少し、血なまぐさい「歴史博物館」があると、
また違った角度から、歴史を考察できる気がしている。
P.S.
「記憶」と「記録」・・この使い方にも関心が残った形となったが、
たぶん「歴史の記録」という単語はなかったと思う。
さすが奇才ティムバートン
正直、その設定のムチャクチャぶりからあまり期待はしていなかっただけに良い意味で裏切られましたww
多分この映画がお気に召さない方々はこの設定の無茶ぶりから「くだらない」の一言で片してしまうのだろう。
とりあえず「ありえない」とかそういう常識は脇に置いて
その映像美と世界観にどっぷりハマってみると良いと思う
冒頭の馬の大群のシーンやラストの列車のアクションももちろん好きですが、ボスの姿がイラストから実写に変わるとか
エンドロールの血が合衆国になったり、最後リンカーンが去って行くシーンからヘリが着陸してきて現代に移ったりといった描写はただただ感心するばかり。質のよいだまし絵を見ているようで面白いですよ(^ ^)‥ということで鑑賞の際は歴史観とか常識はとりあえず忘れて、純粋にエンターテイメントを楽しむつもりでハマってみればきっと楽しめると思いますよ
あり得ない裏歴史、面白い。
リンカーンは実はバンパイアハンターだった。
このプロット実に面白い。
あの有名なリンカーンがバンパイアをばったばったと倒してゆく。
しかも、武器は斧。
南北戦争も、バンパイアの侵略を防ぐ戦い。
これだけ歴史を捻じ曲げて想像解釈すると
見る側も入ってしまいますね。
奇才、ティム・バートンの作りこみも良い。
特に、馬の群れの戦い。
なんせ、歴史が歴史だけに、スピード感ある
映像にはうってつけのシチュエーション。
脚本が全ての作品化と思ったけど
映像や、音楽、俳優もなかなかグッド。
ただし、最大の敵であるアダムの死に様はあっけなさすぎ。
手下のバンパイアの方が強いのでは?
また、ひっかかる点がもう一つ。
そもそも吸血鬼って銀で倒せたっけ?
あれは狼男ではなかったの?
やっぱり、十字架、聖水、白杭でないといけません。
でもばったばったと倒すにはそうしないと
倒せませんからね。
まあ、ストーリーが面白かったので良しとする。
とにかくこの作品、真面目に観たらいけないけど
この世界にはまってアクションを楽しむ作品です。
永遠とは
とにかくアクションがかっこいい! 美しい手さばきで斧を振り回すエイブラハムの姿が好きです。ストーリー展開は駆け足ですが、私はこういったスピード感のある映画が好きなのでとても楽しめました。駆け足ながらに修行シーンをちゃんと描いているのもよかった!
斧という武器、夜な夜なヴァンパイアを狩るエイブの姿、そんなエイブの周囲に集う仲間達、ヘンリーがエイブに手渡した銀時計など、ツボな設定やシーンがたくさんありました。大切な人を奪われた悲しみや憎しみを力に変える、友のピンチに駆けつけるなど、全体を通して感じられる友情・努力・勝利のような少年誌っぽさがとても好きです。クライマックスの列車上でのバトルは最高にアツい!
また、エイブラハムのストイックな純粋さが光っていました。そのまっすぐさ故かエイブは少々頑固になりがちで、忠告を重ねるヘンリーともめる場面も多々ありましたが、最後はきちんと和解し「人間」と「ヴァンパイア」として絆を結ぶのがすばらしいです。種をこえた友情によって、復讐という修羅の道も未来を切り開く力に変わるということが感じられて本当によかった。
エイブがヘンリーに向けた「ヴァンパイアだけが永遠じゃない」という言葉は、夜明けの空のような希望とせつなさで満ちていると感じました。血が熱くなる、いい映画だと思います。
似てるって大切
始めのほうはそんな面白くないです。
TSUTAYAに何万本あるかわからないヴァンパイア退治の映画を真似してやってるようなもんで、しんどくなってきます。
木を叩き切るシーンと馬の大群のシーンなんか笑ってしまいました。リンカーンって生身の人間だよね?
俳優の顔も似てないし、ずっとこんなん見せられんのかぁってげんなりしてたら、急に年月が過ぎてました。
そして大統領編がスタートしたら、ここからが本編です。
予告編に顔出てるか見てないので知りませんでしたが、顔の似てること似てること。某スピルバーグの某ルイスに匹敵するぐらい似てました。こっから物語に入り込めます。
スタイリッシュなアクションと漂う哀愁とのギャップがよかったのか、一気に主人公の魅力が増しました。
たまにはこういう偉人イジリも面白いですね。
カウボーイ&エイリアンも主役ワイアット・アープとかにしたらちょっとはマシになったかもね。
クライマックスが一番派手だったのも良かったですね。アクションに気を抜いていない感じ。
ていうかなにかにつけて偉人伝とかやりたがる日本のドラマに言いたい。やるんならやるでもっと顔を似せろ。
こんなアホみたいなアクション映画でもこだわってるというのに…
新しい永遠の形
歴史改変ものコメディ映画なのかな?と思って観てみたら
テーマに非常に真面目に立ち向かって作ってあって好感が持てました。
ちょっと詰め込みすぎたかも?という感じもしますが全体にスピード感があって
タイミングに凝った斧アクションはカッコイイし、
馬の大群(笑)に揉まれながらの格闘は
これを真面目にやるんだ!?すごいな~!!という感じで
すごく面白かった。
場面ごとによくキメが入るので少年漫画らしいノリで楽しめました。
一番印象深かったのはラストシーンで
ヴァンパイアのキャラクターにつきものの「永遠を背負ってしまった孤独」に
寄り添える「別の永遠」として、
政治家リンカーンが作った現在に続く社会の形やリンカーン伝説そのものを持ってきて
描いていたところが非常に新鮮でびっくり。
最初どうして数ある歴史人物のなかでも
リンカーンを主人公に?と思いながら観たけれど
見終わったあとは、なるほど…彼でなければダメだったんだな、と感動。
人間とヴァンパイアの関係を描いた作品には、悲しい死別の展開や、
一緒に永遠を生きる展開などたくさんバリエーションがありますが
この映画の
「たとえ別れてもリンカーンの存在はアメリカの国の形としてずっとそばにある」
という世界観が本当によかった。すごく好きな映画です。
すでに他作の宣伝って…。
これもかなりの間しつこく(スイマセン)劇場予告で宣伝されてた、
リンカーンが、もしもヴァンパイアハンターだったら…?という
ドリフ大爆笑のネタながら^^;その思いつきには賛辞を贈りたい。
あの奴隷解放も、実はヴァンパイアに人身売買されている奴隷の
解放だったのだ…!なんて、どこまで飛ばすのかと思ったけれど
結局最後までブンブン斧を振り回す物語だった(モチ誉めてます)
実際にリンカーンは斧の名手(こういう言い方でいいのか)という
説があるから、これも強ち嘘じゃないのよね。
いちいちこじつければ色んな武器や怪獣も出せそうだけど、まぁ
そこまでいくとリンカーンである必要性が皆無になってしまうので、
もうこのへんで。っていうことなんでしょうけど…^^;
ものすごく面白かったか?と言われると、実はけっこうウトウト
したシーンもあって、見所は何といっても彼がヴァンパイアを倒す
ところだ!なんて初めは思って観てるんだけど、それが延々続くと
段々飽きてくるんだわ(スイマセン)。そもそも彼の仲間が初めから
人間じゃないし^^;そういう混在率を冒頭から頭に馴染ませないと、
かのエイブラハムが!!なんていう志もススーっと流れ出てしまう。
アクションシーンはけっこうな迫力なんだけど、どこにも現実性が
見当たらないため、まぁこういう感じになるよね~なんて冷めた目
(ホント申し訳ない)で観ながらも、いよいよ彼が政治家を目指して、
あの演説までの道のりに至ると、またそれなりに面白かったりする。
まぁハッキリいうと、どっちつかずの話ってことかしら^^;
主役のB・ウォーカー、あまりお目にかかったことがないので…
どちらかというとバケモノ(あ、スイマセン)役の人々の方がステキ。
D・クーパー、R・シーウェル、皆さん観応えある顔しているわぁ(爆)
つまり邦題が削ってしまった「ヴァンパイア・ハンター」の部分が
今作では要になっている気がしますねぇ。リンカーンじゃないのよ^^;
彼のきちんとした歴史活躍を観たい人は、もう少し待てば大丈夫。
とりあえずコレはコレ。という観方でいいのかな。
(すでに冒頭でスピルバーグのも観てね。ってアレもすごい度胸だわ)
ほんとにがっかりな駄作
とにかく全てが浅く、中途半端。
言葉一つ一つに重みが無い。
場面場面でえ?って思うところが幾つもあり、それを消すくらいのストーリー性も無い。
ここからは内容書いてます↓
斧で木を倒せるまでの時間が短すぎ。
何の特殊能力も無い生身の人間って設定してるならせめて力をつけるまでの経過に納得のいく設定が必要。
昼間は大統領…って広告なのに大統領になってヴァンパイア狩る時間が短すぎ。大半は大統領になるまでの勉強中じゃん。。
例えるなら、大雑把な思考の小学生が書いた小説みたい…
両隣に人が居なければ開始20分では席立ってたと思います。
最後まで見るのが苦痛でした。
がっかり
予告編をみてもう少し期待していた。
何もかもが中途半端な映画になっていた。
史実に沿った形でバンパイアを取り入れて映画にしていたが、
どこかに焦点を合わせた映画にすればまだ観れた。
単調で話が長く、何を見せたいのかわからない。
ハラハラ!ドキドキでした!
久し振りにティム作品で、楽しめました。この作品で、面白かったのは、アィディアとスピ-ディでメリハリのあるシナリオです。まず、最初から出来の良いリンカ-ンでは無く、普通の少年が強い意志を持つ青年に成長していく過程を描いたのが良かった。<僕を幸せにして!>なんて、誠実な台詞だろう。<君を幸せにするよ。>なんて、偽善的だよね。皆、自分が幸せになりたくて、結婚するのだから。逆に、最初は颯爽に登場したヘンリ-が、どんどんダメ男になって行くラストの落ちは、面白かった。
3Dとスロ-モションを駆使したアクションは良かったです。特に燃え落ちる橋と列車のシ-ンは圧巻でした。馬上の決闘シ-ンは、リンカ-ンが超人すぎて、リアルさに欠けるので、もう少しレトロに抑えてほしかった。
なんとも中途半端な…
だいたい、ティムールべクマンベトフってそんな話題になる監督さん?バートンはいろいろ有名だけど…。
母親をヴァンパイアに殺されてリンカーンは復讐に目覚めるわけだけど、斧だけで強くなりすぎ。だって、所詮はただの人間。なのに、いとも簡単にヴァンパイアを矢継ぎ早に殺す強さは逆にヴァンパイアの存在意義低下しちゃう。
ヴァンパイアもいろんな面で中途半端。リンカーンを自分の巣窟に呼び込みながらあっさり逃げられちゃうし…。最後女同士の対決ももう少しガッツリ取っ組み合いさせればもっと盛り上がったのにな〜。
前編映像もスロー再生多用したり、キラキラ映像処理したりでとてもスタイリッシュな出来上がり。けど、映像綺麗すぎて迫力減。
あと、残念なことにベンジャミンウォーカーにあまり魅力を感じませんでした。
ここまで歴史を茶化して良かったのか!
エイブラハム リンカーン(1809-1865)は、日本人に最も親しまれているアメリカ大統領ではないだろうか。ワシントンを旅行した人は 必ずワシントンDCの記念館で、どでかい彼の椅子に座った銅像を見物させられるだろうし、リンカーンと言われて、すぐに眉の太い ヒゲ顔の暗い、憂鬱そうな怖い顔を思い浮かべるだろう。歴代アメリカ大統領のなかで 顔と名前が一致する人はそれほど居ない。顔写真をみて名前を挙げるというゲームをしたら ジェファーソン、マッカーシー、トルーマンなど すぐには思い浮かばない。GHQのマッカーサーでさえ あのレイバンのサングラスがなかったら 顔を見ても分からない人のほうが多いだろう。
それだけリンカーンが日本で知られているのは、何故だろう。
小学校低学年の教科書で、リンカーンと桜の樹のエピソードがあった。幼いエイブラハムが父親に斧をもらって、嬉しくてつい父親の大事にしていた桜の樹を切ってしまった。隠しておきたかったが、勇気を出して父親に事実を告げ謝罪した。父親は彼を叱らずに 自分の過ちを認めた彼の勇気を褒めた。という美談だ。小学校で先生が得意そうに 生徒にこれで説教するのを聞きながら、なんか陳腐な話しだと、子供ながらに冷笑していた。この頃に桜の樹がケンタッキーに生育していたとも思えない。作り話だ。
また 彼の有名な演説 オブピープル、バイピープル、フォーピープルを知らない人は居ないだろう。奴隷制拡張に反対し、アメリカ合衆国を二分し、議会の承認なしに 独力で南北戦争を指揮した。同時に、インデアンを保留地に追い込み、民族浄化ともいえる大虐殺を指揮した。そして、南軍のロバート リー将軍が降伏し、南北戦争が終結した直後に 暗殺された。
彼のいうピープル(人民)のなかにアフリカンアメリカン(黒人)も、インデアンも入っていない。奴隷制は終息したが、選挙権などの基本的人権は全く認めていない。もともとリンカーンは 黒人が白人と同じ対等な人間とは思っていなかった。まして、インデアンに至っては、抹殺すべき人類の敵だと考えていた。
しかし、いま彼は「奴隷解放の父」と呼ばれ、アメリカフロンテイア精神の代表者、パイオニア(開拓者)の代表者として尊敬されている。丸木小屋で育ち、無学の両親のもとで、斧で樹を切ることに長けていた。独学で学問をして 弁護士となり、大統領にまで登りつめたことは偉業に違いない。
さて、映画だ。
ストーリーは
第16代目アメリカ大統領エイブラハム リンカーンの本業は 吸血鬼狩りだった。夜な夜なリンカーンは斧を振り回して吸血鬼を退治していた。そして、ついに吸血鬼との全面戦争、南北戦争に突入する。南部アメリカに、はびこっていた吸血鬼は アメリカ征服を企んでいたため、北部の人間との全面戦争を避けられなかったのだ。奴隷解放は、吸血鬼の食料源を断つために必要だった。厳しい戦争を勝ち抜いて、ついにアメリカは人民の、人民による、人民のための国家を建設することができました。
というお話。
ここまでアメリカの現代史を茶化すことができる、ということに、まずびっくりした。この小説「バンパイヤーハンター リンカーン」(2010年)が人気小説になり、それをテイム バートンが映画にしてしまう というのも、すごい。カザクスタン出身のロシア人が監督して、奇才テイム バートンが製作すると、立派な作品になってしまう、ということも驚きだ。
リンカーンが振り回す斧で吸血鬼がぶっちぎれて 血肉が吹き飛ぶという予告を読んでいたので、怖くなったらすぐに映画館を出るつもりで最初から端の席で脅えていた。しかし、映画が始まったとたんにストーリーに引き込まれて、とてもおもしろくかった。
リンカーンンが斧ひとつで、バットマンと、スパイダーマンと、アイアンマンと、ハルクと スーパーマンを足したくらいの活躍をする。そんな彼が家に帰れば 無名の好青年。妻メアリーとのロマンスも感動的だ。
印象に残った大スペクタクルは二つ。
ひとつは 暴れ馬が200頭くらい暴走するシーンだ。馬に飛び乗って逃げる瀕死の吸血鬼をリンカーンが追う。臨場感いっぱいの馬の群れのなかで、飛び乗って、振り落とされたり、馬から馬へと乗り移ったりしながら、片手で斧を振りかざして戦う一騎打ちのシーンが迫力がすごくて 手に汗を握る。
もうひとつは、列車で武器を満載して南部戦線に向かうリンカーンたちを、吸血鬼が襲い、橋が崩れ落ち、列車が火に包まれるシーン。橋が落ち、列車が次々と谷底に落ち、リンカーンらが乗った車両は落ちても、済んでのところで助かるに決まっているのだけど、いつもハラハラする。
また着飾った吸血鬼たちが、屋敷で晩餐会を開催している。モーツアルトの曲に合わせて 人々は優雅に踊り、飲み、楽しんでいる。シャンデリアにシャンパンに、贅沢なお客たちの衣装。そこで、突然、屋敷主が 「皆様、お食事の支度ができました。」と言ったとたんに 吸血鬼たちが ダンスで手を組んでいた相手の咽喉笛にガブリと食らいつく。実におもしろい。
アメリカ版ブラックユーモア健全 ということか。すっかりおもしろくて、リンカーンの活躍に感動すらしてしまった。吸血鬼を、東電にあてはめて見ることもできる。斧ひとつで退治してくれる 日本版リンカーンが居ないだけだ。
全14件を表示